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「ナッツは食べ過ぎ注意」の認識はもう古い
藤井省吾所長(以下、藤井)川田先生は、ナッツ摂取を推奨され、ご自身も毎日ナッツをとっていらっしゃるそうですね。数ある食品のなかでも川田先生がナッツに注目されたのは、どのような理由からでしょうか。
川田浩志教授(以下、川田)少し遡りますが、1970年ごろから地中海沿岸地域の伝統的な食事スタイルである「地中海食」が心臓病による死亡リスクを下げることが報告され、世界の研究者が注目するようになりました。地中海食とは、野菜や果物、ナッツや全粒穀物、オリーブオイル、魚介や豆類などを主体とした食事法で、近年に至るまで数多くのエビデンス(医学的根拠)が集まっています。
この食事法の大切な要素であるナッツについて、注目すべき研究成果が2013年に報告されました。世界で最も権威ある医学雑誌の一つである「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」において、約300万人を対象にした大規模追跡調査で「ひと握りのナッツ摂取(1日28g以上、週2回以上)で死亡リスクが13%低減する可能性がある」と発表されたのです。疾患別にみると心疾患、呼吸器疾患等の死亡リスクを有意に低下させることが分かりました[1]。
藤井そのようなエビデンスがあるにもかかわらず、ナッツには「脂質が多いから食べ過ぎてはいけない」というマイナスのイメージを抱くなど、まだ誤解している方が多いようですね。
川田おっしゃるとおりです。ナッツをつまんでいると「太るからやめたほうがいい」と言われたりもします。大学で講義の感想を学生たちからもらうと、「ナッツが健康にいいというのが意外だった」「親に教えたらびっくりしていた」といったコメントが多いので、ナッツの健康効果についてもっと広く知られるべき、と考えています。ナッツは脂質が多いから太る、生活習慣病になる、といった認識は改めるべきです。
米国の約12万人の肥満ではない男女を対象に、様々な食品の1日あたりの摂取量の増加と4年間の体重変化の関係を分析した。ナッツは、野菜や果物、全粒穀物、ヨーグルトと同様に体重減少に関係していた。
(データ:N Engl J Med. 2011 Jun 23;364(25):2392-404.)
藤井例えば、食べた食品と体重変化を4年間追跡した大規模調査からは、ナッツは、野菜や果物、全粒穀物やヨーグルトと同等のダイエット効果があることが分かっています(上記グラフ)。
川田食べ過ぎ注意ではなく、ナッツはむしろ積極的に食べるべき食品なのですね。アーモンドの健康効果のカギを握る成分は?
藤井ナッツの中でも、アーモンドには、地中海食の健康効果のカギを握る成分である「良質な油」であるオレイン酸や、抗酸化ビタミンともいわれるビタミンE、また、日本人がもっととるべきとされる食物繊維が豊富です。
川田オレイン酸は、不飽和脂肪酸という脂質の一種で、悪玉(LDL)コレステロールを低下させる一方で、善玉(HDL)コレステロールは低下させない、良質な脂質です。食事にアーモンドを加えることは、脂質異常症をコントロールするために推奨できる安全かつ実用的な栄養戦略になると多くの研究結果から考えられます[2,3]。例えば、糖尿病患者さんにアーモンドを食べてもらったところ、それまで少し高めだったLDLコレステロール値が改善したという研究結果などがあります。
20人の2型糖尿病患者を対象に、1日56gのアーモンドを4週間食べた場合と、食べなかった場合とでLDLコレステロールの変化を比較したところ、高めだったLDLコレステロールがナッツを食べた後では有意に低下していた。上の図では、対象者のLDLコレステロールの平均値を表示している。
川田また、ビタミンEは、優れた抗酸化作用を持つ脂溶性ビタミンで、体を酸化ストレス(さびつき)から守ります。食物繊維は満腹感を高め、肥満の予防にもなります。私も昼食時にナッツをとっていますが、腹持ちが良いので食べ過ぎや間食を無理なく抑えられます。
さらに、アーモンドには抗酸化作用を持つプロアントシアニジンやフラボノイドなどのポリフェノールをはじめとするファイトケミカル(植物由来の化学物質の総称)も多く含まれています。このファイトケミカルによる抗酸化作用も、その健康維持効果に貢献していると考えられます。現在、私はアーモンドに含まれているポリフェノールの医学的な効果に着目して研究を行っています。
藤井オレイン酸やビタミンE、食物繊維、ファイトケミカルをアーモンドという食品で満遍なくとる。その総合的な働きによって様々な健康増進効果が期待できるわけですね。抗酸化、抗糖化の両面から老化に歯止め
藤井酸化ストレス、というキーワードが出ました。年齢を重ねるとともに気になる「老化」とも関わりますね。
川田私たちが生きる上で、酸素は欠かすことができません。その一部は活性酸素という物質に変化します。活性酸素は細胞内外の情報伝達や免疫などで必要な働きをする一方、反応性が高い物質であるために、過剰になると細胞を傷つけます。これがいわゆる「酸化ストレス」です。この酸化ストレスは、老化を進行させる重大な要因となります。酸化ストレスによって細胞が障害されると、臓器や組織がダメージを受けて、本来の年齢にふさわしい機能を果たせなくなる、つまり老化の加速につながります。
藤井酸化ストレスを抑えるには、どのような手立てがありますか。
川田酸化を抑えるシステムには2つあって、一つは体内で作り出している酵素による防御機構、もう一つが食品などからとるビタミンC、ビタミンE、ファイトケミカルといった抗酸化物質によるものです。最近、老化制御研究において、食品からファイトケミカルをとることによる刺激が体本来の抗酸化システムの働きを高める「ホルミシス作用」に関わっているのではないかという考えが出てきています[4]。有酸素運動をして息をはっはっ、とさせたとき体内で産生される活性酸素が体の防御機能を高めるスイッチになっている、それと同様の働きをファイトケミカルが発揮しているのでは、という考えで、私も注目しています。
藤井大変興味深いですね。さらにもう一つ、近年、老化に関わる因子として「糖化」も話題となっています。
川田糖化とは、体内で糖とたんぱく質が結びつくことによって糖化最終生成物(AGEs)が作られることを言います。空腹時に一度にたくさんの糖質をとる、というような急激に血糖値が上がるような食べ方をすると、糖が体内のあちこちでたんぱく質と結びつき、糖化が進行します。糖化が血管で起こると、動脈硬化を引き起こして心血管疾患などにもつながります。
藤井糖化を抑えるにはどうすればよいでしょうか。
川田糖質のとり過ぎを控えることはもちろんですが、野菜やキノコ、ナッツといった食物繊維の多い食品を食事の最初にとると、糖の吸収が緩やかになり、血糖値の上昇を抑えられます。アーモンドには血糖値上昇の指標を改善する効果も報告されています(下記グラフ)。また、糖化が皮膚に起こると、皮膚の黄ばみや弾力性の低下など見た目の老化も促進しますが、アーモンドの摂取が顔のしわの改善に影響を与える、という研究もあります[5]。
糖尿病予備軍の成人65人を対象に、エネルギーのうち20%をアーモンドから摂取する(アーモンド28gに相当)16週間の試験を行った。アーモンドなしの食事群と比較し、アーモンド摂取群は空腹時のインスリン値が大幅に減少した。
(データ:J Am Coll Nutr. 2010 Jun;29(3):189-97.)
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/20833991/
藤井アーモンドには、老化を進める「酸化」と「糖化」を抑制する働きが期待できそうです。積極的に取り入れたいですが、先生はどのようなとり方をお薦めになりますか。
川田最近、私は皮ごと食べられるブドウと一緒に食べています。ブドウのみずみずしさでアーモンドのパサつきが和らぎ、風味も豊かになります。オフィスなどでナッツを食べにくい、という人は、液状のアーモンドミルクなら手軽です。アーモンドミルクは、朝食の際にシリアルにかけて食べるとおいしくヘルシーですし、コーヒーに混ぜると香り豊かなフレーバーコーヒーのような味わいを楽しめるので、気に入っています。
食は健康的な生き方の原点となります。まず、食習慣の改善からスタートしてみてください。体調が良くなり、気持ちが前向きになってきたら、運動をプラスするとさらにその効果は高まります。おいしいものを頂き、よく動き、幸せ感を感じることが好循環を引き起こしていきますよ。
下記はプレシデントからの借用(コピー)です
「母が母でなくなり、私も私を保てなくなる」介護は“懲役刑”か
10年前、肺がんだった父(享年79歳)を自宅で看取り、正直「やれやれ」と思ったのも束の間、母(当時75歳)がある難病にり患していることがわかった。日ごとに体が不自由になっていく母の「なし崩し的介護生活」は、文字通り、問答無用で始まった。
親の介護をするつもりは1ミリもなかった。
両親は長男教であり、私は姉兄がいる末っ子で、しかも親から「嫁して実家の敷居をまたがず」という教育を受けてきたからだ。
両親の介護生活は10年を超えた。
その間は葛藤の嵐である。私は介護なんか、やりたくなかったのだ。
母は途中で認知症も加わり、私の知っている母ではなくなっていった。そんな姿をただ茫然と見つめる、あるいはムカつく、あるいは情けなくて涙するという日々に、母も私も互いに打ちのめされた。
介護は、母が「母でなくなる」ことを見せつけられるばかりか、私自身が「私を保てなくなる」ようで、お互いの平安のために、私はこの“懲役刑”が早く終わることだけを願っていた。
しかし、健康診断での母は常に内臓周りは異常なしの「健康優良児」。ケアマネに「よかったですね~!」と言われるたびに、更年期障害で苦しむ私は本気で「逆縁」(※)を心配したほどだ。
※本来、後に亡くなるはずの人間が先に亡くなること。
当時、私の中には母が死ぬという概念がなかった。「この人は死なない」と本気で思っていた。でも、母は死んだ。
介護はある日突然、はじまる。正確に言えば、徐々に介護が必要になる体に移行しているのだが、介護者にとっては、見て見ぬふりをしてきたという経緯があるので「ある日、突然」と感じやすい。「看取り」も同じだ。ある日、当事者にさせられる。
「お母さんの命はあと10日ほどですが、延命治療をしますか?」
約3年前の梅花の頃、母が入居する老人ホームの訪問医から、私はこう告げられた。
「お母さんの命はこのままですと、あと10日ほどですが、延命治療をしますか?」
前年秋に腸閉塞の手術をした母はそれ以来、食が細くなり、1日の大半をベッドの上でボーっとして過ごしていた。認知症は明らかに進行していたが、私との会話は辛うじて成立していた。とても10日後に死ぬ人には見えなかった。
しかし、時は急を要する。訪問医の宣告で世界はひっくり返った。
命を助けてほしければ、今すぐ、救急車で大病院に運ぶ。運ばなければ、死ぬ。救命か看取りか、選択肢はふたつだ。命の決断は認知症の母ではなく、介護のキーパーソンである私に委ねられたのだ。
実は、母は、その日からさかのぼること1年半ほど前、日本尊厳死協会が行っている〈リビングウィル〉に加入していた。つまり「延命治療は望まない」という意思カードを持っていたのだ。ならば、普通は「お看取り」を選択となりそうだが、私は迷走し、決断できなかった。
「延命治療しない」とすぐに決断できなかった理由
その理由は今、考えると、下記のようなことだったと思う。
1 「延命しない」は本当に母の意思なのか? という迷い
2 母への惜別の情
1について説明すると、こうなる。
以前から母は「体に管を付けないで!」と言っていた。それは、ベッドの上で病気の治療や救命処置のための管や電線などを体に取りつけられた入院患者を嫌というほど見てきたせいだ。
母自身も、認知症がさほど進行していない時に、病院側の意向で手にはミトン、腰には拘束ベルトという拷問生活を何度か体験したことがあり、それを本当に嫌がっていたのだ。
それゆえ、リビングウィルカードを無事に手にした私は、母が自分の意思で自分の最期を決めることができたと思い込み、満足していた。けれども、実際は母が100%決断したわけではなく、私が誘導した部分もかなり大きい。
母の「管を付けたくない」は「延命無用」という意味なのだと私は勝手に解釈し、「管を付けない=治療しない=死」という深いレベルでの意思を確認せぬまま、半ば強引にその書類にサインさせたようなところがある。
この機を逃せば、母が自著でサインすることはできなくなるという焦りもあった。ゆえに、十分な話し合いがなされ、母の本当の意思を確かめたとは、とても言えなかった。
母は昔から病院が大好きで、病院に行きさえすれば、魔法のように病は完治する。治らないのは病院に行く回数、あるいは医療者の技術が足らないのだというほど西洋医学信仰を持っているとしか思えないような人だった。それと矛盾するようだが、「管はつけないで治す」ということも母の“信仰”の延長線上にあったのだ。
「介護生活からの解放」を願っていた私と違う私が、そこにはいた
もちろん、そんな都合の良い話はなく、母の場合、生き永らえることはできるが、それは延命に過ぎず、いわゆる普通の暮らし(ベッドから起き上がり、口から食べる)に戻ることは困難だということは、訪問医の説明からも明らかだった。
しかも、一度、「延命」のボタンを押せば、もう後戻りはできないシステム。病床の天井を見つめるだけの時間が年単位で流れる可能性も大きかった。
そうやって客観的に親のことを見る一方、もしかして「奇跡」が起こるのではないか、という感情も私の中に存在した。「母は生きたいのではないか?」という思いがわきあがったのだ。
「どんな形であっても、奇跡を信じて、生かすことができる命は救うべき? それとも、それでは生きているとは言えないと考えるべき? どっちなの、お母さん?」
母が返事をできる状態の時に、こう聞けたらよかったのに……。
もちろん、死ぬはずがないと思っていた人間があと10日でいなくなるという事実に、急に惜別の情が湧いてきたこともある。昨日まで、あんなに「介護生活からの解放」を願っていた私と違う私が、そこにはいた。その事実に私はショックを受けた。
看取り担当の私の一番の苦しみは、母の命の糸を、フェイドアウトにしろ、カットオフにしろ、私が決めなければならないという責任の重さだ。「自分の手で母の命をカットオフする」。このことに耐えられなかった。
母が死なないのである。死なないというより、死ねない。
苦しみに苦しみ抜いて、私はやっと決めた。病院での延命措置ではなく、施設内での看取りを選んだ。「命の長さ」より「命の仕舞い方」を選んだのだ。しかし、ことは予定通りには運ばなかった。
母が死なないのである。死なないというより、死ねない。あらゆる臓器が死に向かっている中、心臓だけが頑張り抜いているようなイメージだ。
余命10日だったが、2週間が経ち、3週間が過ぎようとしていた。看取り経験豊富な施設長によれば、母の場合は「遠い溺死(治療死)か、近い餓死(自然死)」の2択。私は「枯れて死ぬこと」を選んだのだ。
1滴の水が飲み込めない母は絶飲状態。せめて、渇きを癒やそうと、唇を湿らせたガーゼで拭うと、母は口をパクパクしながら水を求める。その姿は陸に揚げられて、必死に呼吸をしようとしている魚のようだった。
母は苦しそうに見えた。さまざまな医療関係者が「自然な死は苦しくない」と発信しているのは嘘なの? それを信じていたのに、現実の母は苦しそうで、眠るように安らかには、とても見えなかった。
母を生かしたいのか、殺したいのか。どっちなんだ、私は。
繰り返し、繰り返し「今からでも病院に行くべき?」という思いがよぎっては消える。「外から不自然な手を加えて、それで1日、ひと月、1年と、長く生きることに意味があるのか?」との1人問答が延々と続いていく。
ある時は、苦しそうな姿を見ていられなくなり、母の鼻と口を覆えば、母は楽になるのか? という誘惑にかられた。そうかと思えば、母の足が異様に冷たくなりかけると必死に温めて、その命を長らえさせようとする私がいた。
生かしたいのか、殺したいのか。どっちなんだ、私は。
母は結局、1カ月近く経ったある日の夜半に旅立った。葬儀が過ぎ、50日祭(仏教の49日に当たる神式行事)が済んでも、私の心は重かった。耐え切れず、看取りの時にお世話になった看護師さんを訪ねて、こう聞いてみた。
「(延命措置をしなかった)私の決断は正しかったですか?」
延命措置をしなかった決断は正しかったのだろうか?
彼女は「判断する立場にはない」と言いながら、こう答えてくれた。
「ある高齢のご婦人の話をしますね。自宅でその時を待っていたその方は点滴を拒否されました。終末期の点滴は血管が脆くなっているので、漏れたり、刺す場所も見つけられなかったりで、刺し直しは激痛を伴うからです。
でも、ご家族は『最後まで治療を諦めないで!』と懇願されました。それでそのご婦人は、必要最低限の点滴をゆっくり入れることに同意され、やがて旅立っていかれました。『家族が望むならば、そうしましょう』というご希望だったのです。これはこれで、ご家族全員が納得された結果でした。
りんこさん、『死』は『死』であって、それ以下でも、それ以上でもないです。『良い死』『悪い死』というのもありません。そこには家族にしか分からない家族の思いがあるだけです……」
10日後に死ぬ母」延命しない決断を下した50代娘は見殺しにしたのか
私はもっとわからなくなり、今度は自分の姑に尋ねてみた。
「母を見殺しにしたんじゃないかって……」
姑はこう言った。
「りんちゃん、死は苦しいものなんやて。『最期は安らかに旅立ちました』と人は言うかもしれんが、それは最期の瞬間の話。人は泣き叫びながら逝くことはできんでね。でも、そこに至るまでは、どんな死に方を辿ろうとも、苦しいものなんやて。誰もが、そうやって苦しみを通って、また別の世界に行く。それを遺されたものが思い煩う必要はないんやよ」
母が逝って3年。今も本当の意味での整理はついていない。
私は両親を看取った後で「人は死ぬのだ」と驚く大阿呆である。
「人の死」を知らなさ過ぎたのだ。にもかかわらず、いきなり介護のキーパーソンになってしまい、「終着駅」を前にして、余計に大混乱に陥ってしまったのだと思う。
ただ、両親の死は私に最後の教育を施してくれたのだろう。それは「人はこうやって老いて、死ぬのだ」ということに他ならない。
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皇后になられてから、聡明さと語学力、ご自身のキャリアを発揮され、海外からの賓客も細やかなお心遣いでもてなされるなど、存在感と輝きを増してきた雅子さま。 【秘蔵写真】雅子さまの愛と笑顔……華麗なるベストショット集 白やゴールドなど、皇后というお立場にふさわしい色から優しいパステルカラーまで、ご公務の内容に合わせた選択。伝統的な着物からエレガントなドレス、マニッシュなジャケット&パンツスタイルまで幅広い着こなし。ご成婚前のキャリア時代から変わらない雅子さまスタイルが貫かれています。 ミモレの『毎日、雅子さま』にて公開中の写真から、雅子さまのファッション&スタイルをテーマごとにご紹介します。
今回は、神聖な儀式からコロナ禍での大切なご公務まで、雅子さまの装いとともに2020年を振り返ります。
新年の写真では、華やかなオフホワイトのセットアップを
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2020年新年に公開された天皇ご一家のお写真。雅子さまはまろやかなオフホワイトのジャケットとワンピースをお召しになられています。ジャケットのスタンドカラーは、雅子さまお気に入りのデザイン。光沢感のある生地、二連のパールのネックレス、そしてパールがあしらわれたゴールドのブローチで新年らしい華やかさを感じます。天皇陛下のベージュのネクタイともぴったりです。2019年12月12日、東京都港区・赤坂御所の談話室にて。写真/宮内庁提供
格式ある唐草模様の織地のドレスで新年の一般参賀に
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新年の一般参賀にお出ましになった雅子さま。饗宴の儀でもお召しになった唐草模様のイエローのドレスは、シンプルなデザインながらスクエアの立ち襟で凛とした印象に。三連パールのネックレスに、同じくパールのイヤリング、ドレスになじむゴールドのブローチで輝きを添えて。まさに皇后陛下らしい、格式あふれるロイヤルファッションです。2020年1月2日、皇居にて。写真/Abaca/アフロ
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集まった人々に笑顔で手を振られる天皇陛下と雅子さま。光の角度によって光沢感のあるドレスが輝き、雅子さまの笑顔を引き立てています。写真/AP/アフロ
天皇陛下60歳の誕生日写真はブルーのリンクコーディネート
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天皇陛下60歳の誕生日に公開された写真は、ブルーのリンクコーディネートで。ジャケットのラペルと折り返された袖口には光沢感のある生地があしらわれ、エレガントな雰囲気に。スカーフがお好きな雅子さまらしいアクセサリー、小物使いにも注目です。6月14日に紹介したお召し物を着回されていらっしゃいます。2020年2月12日、東京都港区・赤坂御所の談話室にて。写真/宮内庁提供
祝賀行事に参加される際は、品格あふれるピンクのドレスで
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即位後初めてとなる天皇陛下60歳のお誕生日。祝賀行事に参加されるため、皇居へ。スタンドカラーのピンクのドレスは、シンプルなデザインながら地紋が入った生地でエレガントな印象です。アクセサリーも光り輝くイヤリングとブローチをコーディネートされ、品格あふれる皇后陛下の装いといえるでしょう。2020年2月23日、お車で皇居へ。写真/REX/アフロ
ボルドーのパンツスーツをノーブルに仕上げるボウタイ&ネックレス
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立体感のあるラペルが優しい印象のボルドーのパンツスーツで、天皇陛下とともに水と文化国際シンポジウムにご出席に。ボウタイブラウスにボルドーのジュエリー×パールのロングネックレスを重ねられ、ノーブルな雰囲気です。靴、バッグもボルドーで揃えられています。2020年2月3日、東京都港区・政策研究大学院大学にて。写真/読売新聞/アフロ
愛用のロイヤルブルーのスーツでらん展をご見学に
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世界らん展2020の会場に到着された天皇陛下と雅子さま。雅子さまはロイヤルブルーのスーツに、そのときと同じくボウタイのブラウスをコーディネート。小物はシンプルなネイビーです。立った襟のデザインといい色といい、雅子さまお気に入りの一着といえるでしょう。陛下もブルーのネクタイでご夫婦でリンクコーディネートをされています。2020年2月14日、東京都文京区・東京ドームにて。写真/読売新聞/アフロ
着回されたモスグリーンのクラシックなセットアップ、ポイントはベルベットの襟
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農林水産祭天皇杯受賞者の謁見、および業績説明をお聞きになる両陛下。雅子さまはベルベットの襟のデザインが特徴的なモスグリーンのセットアップを着回されました。ブレードの装飾もあしらわれ、クラシックで格式高い一着です。2020年1月24日、皇居 宮殿、北溜にて。写真/宮内庁提供
凛としたブルーのパンツスーツは胸元にスカーフを
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ご夫妻で即位記念の特別展「令和の御代を迎えて」へ。雅子さまはラペルと折り返された袖口のデザインが特徴的な、くすみブルーのパンツスーツをお召しに。胸元にはシフォンスカーフとネックレスをコーディネートされ、エレガントに仕上げられています。パンツスーツを品よく着こなされる小物使いはお手本になりそう。展示された思い出の品をご覧になり、両陛下ともに感慨深げな表情です。2020年2月10日、皇居・三の丸尚蔵館にて。写真/読売新聞/
ブルーグレーのパンツスーツは幅広の白のパイピングがポイント
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蚕に桑の葉を与える「御給桑」に臨まれた雅子さま。幅広の白のパイピングが印象的なブルーグレーのパンツスーツを着回されました。大粒パールのネックレスとイヤリングで、気品のある装いです。「食べるのにどのくらいかかりますか?」などとご質問になり、笑顔で葉を置いていらっしゃいました。2020年5月29日、皇居の紅葉山御養蚕所にて。写真/宮内庁提供
シンプルで上質な白のスーツはシンプルだからこそ仕立てにこだわりを
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シンプルな白のスーツは、雅子さまのご公務での定番スタイル。光沢感のある上質な生地、スタンドカラーなどシンプルだからこそ仕立てにこだわり、格式と品を。障害を克服し他の模範となる自立した障害者や支援者、聴覚障害者のオリンピックの入賞選手と面会されました。2020年2月17日、皇居、宮殿北溜にて。写真/宮内庁提供
グレーのセットアップはウエストの組紐のデザインが特徴的
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全国戦没者追悼式にご出席された両陛下。雅子さまは昨年と同じ、グレーのセットアップにパールのアクセサリー、黒の靴とバッグをお召しになられました。ジャケットの襟はラウンドにカットされ優しいイメージに、ウエストには組紐のデザインがあしらわれています。猛暑、かつコロナ禍で緊張感が漂う中、両陛下にとって最重要といわれている公務を無事に終えられました。2020年8月15日、東京都千代田区・日本武道館にて。写真/毎日新聞社/アフロ
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1枚目 写真/読売新聞/アフロ
2枚目 写真/アフロ
雅子さま17年ぶりのお言葉...皇后としての気品あふれるローブ・デコルテ
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立皇嗣の礼 朝見の儀では、雅子さまはローブ・デコルテをお召しに。公式行事としてはおよそ17年ぶりに、「この度の御儀が滞りなく行われましたことを喜ばしく思います。どうぞこれからもお健やかにお務めを果たされますように」と笑顔でお言葉を述べられ、話題となりました。2020年11月8日、皇居・宮殿 正殿「松の間」にて。写真/宮内庁提供
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ローブ・デコルテは半袖のシンプルなデザイン。雅子さまらしい凛とした気品に溢れています。トップレディの証であるティアラと宝冠大綬章(ほうかんだいじゅしょう)を身につけられた皇后の正装です。写真/宮内庁提供
立皇嗣の礼では雅子さまのお印、ハマナス文様の装束で
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立皇嗣の礼のなかでも中心となるのが立皇嗣宣明の儀。雅子さまは藤色のハマナスの文様の小袿(こうちぎ)に紫色の単衣(ひとえ)、緋色の長袴(ながばかま)の装束をお召しになりました。ハマナスは雅子さまのお印です。2020年11月8日、皇居・宮殿 正殿「松の間」にて。写真/宮内庁提供
神聖なオフホワイトのロングドレスで皇后としての品格を
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Aラインに広がるオフホワイトのロングドレスは、シンプルなシルエットが雅子さまの美しさを際立たせる参拝服。帽子のあしらいとジャケットの裾のデザインがリンクしていて、モダンな印象も。ジャケットの襟と裾にラウンドのカッティングがほどこされ、まさに皇后らしい品格と柔和な優しさが表現されたセットアップです。明治神宮の創建100年を祝う、明治神宮鎮座百年祭のために参拝されました。2020年10月28日、東京都渋谷区・明治神宮にて。写真/毎日新聞社/アフロ キャプションは過去の資料をあたり、敬称・名称・地名・施設名・大会名・催し物名など、その当時のものを使用しています。 構成/佐々木奈々子、片岡千晶(編集部)
https://news.yahoo.co.jp/articles/83fee98eccd284a8ddd62f6f70de1ac1e8f3c4e6?page=1
下記は日本経済新聞プからの借用(コピー)です
コロナ禍が高齢者の筋力低下を招く
新型コロナウイルス感染症の拡大による自粛によって、外出の機会が減っています。
しかし、高齢者が一日中家に閉じこもり、誰とも話さないような生活を送っていると、
筋力はもちろん認知機能も衰えてしまいます。
要介護ではないものの、その一歩手前である心身の弱った状態を
「フレイル」と呼びますが、その予防には何を心がければいいのでしょうか。
日本老年医学会理事長の秋下雅弘先生に伺いました。
――新型コロナウイルス感染症の重症化リスクは高齢者ほど高いといわれています。
高齢者ほど重症化しやすいことは、厚生労働省のデータにもはっきり表れています。これは国内だけでなく、欧米やアジア各国など、世界的に共通した傾向です。
理由はいくつか考えられますが、加齢による免疫系の低下や、臓器の機能低下があげられます。さらに、高齢者には糖尿病や心臓病などの基礎疾患を持つ方が多いことも一因となります。また若年者の場合、罹患(りかん)しても無症状で気付かない方が多いのに対し、高齢者の場合は有症状でも、他の病気などと混同して自覚しにくい傾向にあります。感染に気付いたときには、すでに重症化しているケースが多いのです。
――感染予防のポイントを教えてください。
手洗いの励行、次いでマスク着用が大切です。また、高齢者の場合は聴覚の衰えなどで、どうしてもソーシャルディスタンス(社会的距離)がとりづらくなりがちですから、その点にも注意が必要です。
一方、感染を恐れるあまり、家に閉じこもり「生活不活発」になってしまうことも問題です。活動の減少によって、身体や頭の働きが低下し、日常の動作が行いにくくなったり、疲れやすくなったり……。このように高齢者において運動機能や認知機能が低下し、心身がぜい弱となることを日本老年医学会ではフレイルと呼んでいます。フレイルが進行すると、感染症に対する抵抗力も落ち、新型コロナをはじめ、様々な疾病に対する重症化リスクを高めてしまいます。
フレイルの進行ステージ
――フレイルをチェックする目安はありますか。
1つは「体重の変化」です。半年で2キログラム以上減少している場合、フレイルである可能性があります。第2は「筋力の低下」です。例えばペットボトルの蓋が開けづらくなったなどは要注意です。第3は「動作緩慢」です。片側2車線道路を、信号が青のうちに渡り切れなくなる、などが当てはまります。最後は「疲れやすさ」です。こうした自覚がある方は、フレイルに対する注意が必要です。
フレイルの恐ろしさは負のスパイラルに陥ることです。外出自粛で筋力や認知機能が衰えはじめる。そうなると買い物などがおっくうになり、調理や食事もおざなりになります。低栄養になれば筋肉はますます衰え、さらに動けなくなる悪循環に陥るのです。
フレイルには身体的なものだけでなく、記憶の低下やうつ状態になる心理的フレイル、社会とのネットワークが切れてしまう社会的フレイルもあります。コロナ禍による生活不活発が心配される現在、こうしたフレイルにも十分な注意が必要です。
新型コロナ拡大前後で、
高齢者の身体活動時間は約3割減少
東京、神奈川、千葉、埼玉、愛知、大阪、兵庫、福岡に在住の65-84歳、1600人にインターネット調査(Yamada M,Arai H,et al.J Nutr Heslth Aging, 23 June 2020 より改変)
――フレイルは予防できますか。
フレイルは病気ではなく、心身の状態を表す概念であり、自力での予防や改善が可能です。身体的フレイルの場合、身体をこまめに動かすことが重要になります。例えば、テレビを見ていても、コマーシャルの時間になったら意識して立ち上がるなど、できるだけ座っている時間を減らしましょう。スクワットなどの運動を取り入れることもお勧めです。
筋力維持には食事も大切です。何らかの基礎疾患で食事制限を受けている方は別ですが、そうでなければ、高齢者でも体重1キログラム当たり、最低1日25~30キロカロリーは摂っていただきたいですね。また、筋肉の材料となるたんぱく質は肉類や乳製品などから体重1キログラム当たり、1日に1グラムを摂る必要があります。
――高齢の親を持つ子として、できることはありますか。
フレイルの予防には、人と人との交流がとても大切です。ところがコロナ禍による自粛が始まり、高齢者の活動量が3割ほど減ったと報告されています。外出しにくい状況のいまこそ、家族との活発なコミュニケーションが求められます。
高齢の親と離れて暮らす方には、実家のIT環境を整備し、テレビ電話などで頻繁にコミュニケーションをとることをお勧めします。おしゃべりは心理的フレイルの防止ばかりでなく、口や喉の周りの筋肉の衰え(オーラルフレイル)を防ぎ、これによって引き起こされやすい誤嚥(ごえん)性肺炎などの予防につながります。
同居、別居を問わず、高齢の親を孤立させない。そしてフレイルのことをお互いによく知り、これを予防する。こうした取り組みを、ぜひ実行していただきたいですね。