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コロナウイルス感染症の拡大防止において、マスクの効果はやはり大きいことが、本物の新型コロナウイルスを使った実験で初めて実証されました。
これは、東京大学医科学研究所の研究グループが先ごろ行った実験で、密閉された空間に感染者と非感染者が向かい合っている状態を再現し、新型コロナウイルスを含む飛沫/エアロゾル(空気中に浮遊する微小な液体または固体の粒子)を放出させて、マスクがどの程度ウイルスの放出や吸入を減らすかを調べたものです。
本物の新型コロナウイルスを使ったシミュレーションを実施
米疾病予防管理センター(CDC)や世界保健機関(WHO)は、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために、一般市民に対してマスクの着用を推奨しています。しかし、これまでに、マスクの着用が新型コロナウイルスの飛沫感染やエアロゾル感染を防ぐことを示唆した研究結果は、疫学研究によるものがほとんどでした。
今回、植木紘史氏をはじめとする、東京大学医科学研究所の河岡義裕氏の研究グループは、新型コロナウイルスの飛沫とエアロゾルの伝播に対する各種マスクの防御効果を調べるために、以下のような実験システムを構築しました。
実験に用いたシミュレーター
口の部分に穴をあけたマネキンの頭部2つを、対面させた状態で、密閉可能なケースに設置し、一方をウイルス排出側(感染者)、もう一方を吸入側(非感染者)としました。
排出側にネブライザーを接続して、口元からウイルスを含む飛沫/エアロゾルが放出されるようにしました。もう一方の、吸入側のマネキン頭部の口元の穴には、アルミニウムのパイプを接続し、続いて、ゼラチン膜フィルターを組み入れたウイルス回収ユニットをつなぎ、そこから、シリコンチューブを介して人工呼吸器と接続しました。
ウイルス排出側からは、軽いせきと同じくらいの速度(2m/秒)で、霧状にしたウイルス懸濁液を20分間放出させました。含まれていた粒子の内訳は、3μm未満が20%、3μm以上5μm以下が40%、5μm超~8μm以下が40%でした。しかし、20分がたつうちに、それらの一部から水分が蒸発し、エアロゾル化すると予想されるため、チャンバー内には、飛沫とエアロゾルの両方が漂っていたと考えられました。
吸入側に接続した人工呼吸器は、成人の通常の肺呼吸と同様になるように設定しました。ゼラチン膜フィルターに捕集されたウイルスRNAの量は、PCR検査を行って測定しました。また、捕集されたウイルスの感染能の評価にはプラークアッセイを用いました。
このシステムを用いて、以下(次ページ)のような実験をいずれも3回ずつ行い、平均値を求めた結果、以下のような結果が得られました。
「両者マスクなし」で25cm、50cm、100cmの距離に設置した場合
結果:距離が離れるにつれて吸入ウイルス量は減少しましたが、100cm離れていても感染性を持つウイルスの吸入は起こっていました。
以下の実験はすべて頭部間の距離を50cmに固定して、「両者マスクなし」だった場合に吸入側が吸入したウイルスの量(つまり、感染者と非感染者がマスクなしで向き合い、感染者が軽くせきをした場合に、非感染者が吸い込むウイルスの量)と比較しました。
2)「ウイルス吸入側のみマスク着用」の場合
結果:吸入側(非感染者)がマスクをすれば、吸入するウイルスの量は減少する傾向が見られました。つまり、非感染者の日常的なマスクの着用が、ある程度有効であることが示唆されました。N95というのは、医療現場で用いられる、フィルター性能の高いマスクのことです。
3)「ウイルス排出側のみマスク着用」の場合
結果:排出側(感染者)がマスクを着用すると、綿マスクであってもウイルスの吸入を有意に減らせることが明らかになりました。
4)「排出側がマスク(布マスク、またはサージカルマスク)を着用」し、「吸入側はマスクなしまたは各種マスクを着用」した場合
結果:両者がマスクをすれば、吸入されるウイルスの量が安定して減少することを示しました。
ウイルス量を増やしても吸入側のマスクの効果を確認
著者らはさらに、排出されるウイルス量を200倍または5分の1に変更して、「排出側はマスクなし、吸入側は各種マスクを着用した状態」で実験を行いました。その結果、ウイルス量が増えても吸入側のマスクの効果は引き続き認められました。
ウイルス量を減らした場合には、吸入されたウイルスのRNAは検出されたものの、吸入側の条件にかかわらず感染性を持つウイルスは検出できませんでした。現実の世界において実際の感染者から発せられる呼気に含まれているウイルスの濃度は明らかになっていないため、この程度の量を吸入した人がウイルスに感染するかどうか、また、発症するかどうかは不明です。
今回の研究では、個々の条件について3回しか実験を行っていないため、数値にはばらつきが見られました。加えて、「両者マスク着用なし」の場合を参照として比較しており、マスク間での比較は行われていないため、布マスク、サージカルマスク、N95マスクの間に見られた効果の差が統計学的に有意かどうかはわかりません。
それでも、綿製の布マスク、サージカルマスク、N95マスクはすべて、感染性のウイルスを含む飛沫/エアロゾルの伝播をある程度防ぐ効果を持つこと、感染者がマスクを着用すれば、周囲の人が吸い込むウイルスの量を減らすのに役立つこと、そして、周囲の人がマスクをすることでも、ウイルスの吸入を抑制できることが示されました。ただし、N95マスクを隙間なく装着したとしても、ウイルスの侵入を完全には防げておらず、マスクをしているからと安心せずに、換気などの追加の予防措置を取ることも重要だと考えられました。
サージカルマスクってどれのこと?
実験に用いられた「サージカルマスク」ですが、厚生労働省は「日本では特に法的なサージカルマスクの呼称や性能に対する規定はない」としています。全国マスク工業会は、家庭用マスクをガーゼタイプと不織布タイプに分類し、医療用マスクはサージカルマスクと呼んでいるそうです。
一方で、米国の医療用マスクの基準は、細菌ろ過率(BFE)や微粒子ろ過率(PFE)などが一定の基準を満たすもの、となっています。したがって、日本で一般に市販されている不織布マスクで、BFE、PFEが95%以上と表記されている製品であれば、フィルター機能においては、米国の基準に基づくサージカルマスクとほぼ同等と考えられます。
パコンのシミュレーションでもマスクの効果を確認
マスクの効果については、スーパーコンピュータ世界ランキング第一位に輝いた「富岳」を利用したシミュレーション研究[注6]も進行しています。
これは、理化学研究所チームリーダー/神戸大学教授の坪倉誠氏らによる「室内環境におけるウイルス飛沫感染の予測とその対策」と題された研究で、感染者のマスク着用によるウイルス排出抑制効果と、非感染者のマスク着用によるウイルス吸入抑制効果が検討されています。
「感染者がマスクを着用した場合」のシミュレーション結果によると、綿相当の手作り布マスクは、飛沫(エアロゾルを含む)をキャッチする能力が他より劣りますが、不織布マスクと手作り布(ポリエステル相当)マスクの比較では、どちらも8割を捕集しており(捕集した全飛沫の体積に占める割合で計算)、布マスクでも、素材を選べばウイルス放出を抑制する効果を期待できることが示されました。ただし、より細かいエアロゾル粒子は、どちらのマスクでも全体の40~50%程度は漏れてしまうことが示唆されています。
続いて、「非感染者がマスクを着用した場合」のシミュレーション結果では、呼吸6秒後に体内に取り込まれる飛沫(エアロゾルを含む)粒子の数は、不織布マスクを着用すれば、マスク着用なしの場合の3分の1程度に抑えられる、としています。
ただし、20μm以下の飛沫(エアロゾルを含む)に対するマスクの効果は限定的で、マスクをしていない場合とほぼ同数の飛沫を喉の奥まで吸い込んでしまうことが示唆されました。したがって、ウイルスの侵入を抑制するためには、マスクをしていても換気を行い、周囲に存在するウイルスを含むエアロゾルを減らすことが重要であると結論づけています。
「コロナ慣れ」で迎える冬、加湿と換気も忘れずに
マネキンを用いた実験でも、スパコンによるシミュレーションでも、一般市民のマスク着用は感染拡大の予防において有用であること、それでも換気は必要であることが示されました。
これから冬に向かって気温と湿度が下がると、新型コロナウイルスが感染性を維持する時間が延び、ウイルスを含む飛沫が空気中を漂う時間が長くなります(参考記事:新型コロナウイルス 「夏に弱い」は本当か?)。なんとなく誰もが「コロナ慣れ」しつつある今日このごろですが、パンデミック当初の緊張感を取り戻し、マスクの着用と手洗いに加湿と換気を加えて、引き続き注意していきましょう。
下記の記事はヤフージャパンからの借用(コピー)です
11月30日に発表された誕生日会見で、秋篠宮皇嗣は「結婚を認める」と口にした。眞子内親王と小室圭氏の結婚が認められたとはいえ、そこに至る具体的な道筋は何一つ決まっていないのが現状だ。
「ターニングポイントは来年7月でしょう。小室氏は来年5月に米フォーダム大学ロースクールの博士課程を修了し、7月にニューヨーク州の弁護士試験を受験する。合格すれば2022年には弁護士資格を取得できる見込みです。合格を機に縁談が進み始める可能性は高い」(宮内庁担当記者) 秋篠宮皇嗣が誕生日会見で「結婚と婚約は違う」と語ったことから、「納采の儀などの儀式を行なわず、入籍のみのジミ婚になる」「駆け落ち婚」などとも報じられている。 しかし「それはあり得ない」と宮内庁関係者は断言する。 「皇族は何より歴史と前例を重んじます。将来の天皇となる悠仁さまの姉である子さまが皇族として本来行なうべき儀式を経ずに降嫁するとなれば、皇室の歴史に汚点を残してしまう。『納采の儀』は確実に行なわれるはずです」 秋篠宮皇嗣は、先の会見で「決して多くの人が喜んでくれる状況ではない」「目に見える形での対応が必要」とも語った。しかし現在まで小室氏からの反応はない。 「最近、小室さんの母の佳代さんの元婚約者が、“400万円の返金を求めない”とマスコミに語り始めています。しかし秋篠宮ご夫妻から見れば、それで“問題が解決した”とはならないでしょう。問題は金銭面だけではない。小室氏は“あのお金は借金ではなく贈与だ”という主張の文書を出しただけで、大事な娘を預けることになる秋篠宮夫妻に対し、誠意ある説明をしてこなかった。その信頼を回復しない限り、秋篠宮夫妻は“国民が祝福してくれる結婚ができる”とは認めないでしょう」(前出・宮内庁担当記者)
女性皇族が結婚で皇室を離脱する際、皇族費の中から「一時金」が支払われる。前例から見て、眞子内親王には約1億4000万円が支給される見込みだ。さらに慣例通り結婚にまつわる儀式が行なわれるとなれば、皇族費から拠出される費用は増える。 2005年、天皇、秋篠宮皇嗣の妹である清子内親王(当時)が東京都職員の黒田慶樹氏と結婚した際には、帝国ホテル「蘭の間」で結婚式・披露宴が行なわれた。 「結婚式は親族のみのものでしたが、披露宴には皇族方やご友人など120人が出席した。帝国ホテルのような高級ホテルで同程度の宴席を開くとなれば最低でも700万円程度の費用が必要になると聞きます。眞子さまの場合、こちらも税金が原資の皇族費でまかなわれることになります」(同前) ※週刊ポスト2020年12月18日号
https://news.yahoo.co.jp/articles/97457645460f0c8c6c97b8b709f5aa8fd9d8d21b
秋篠宮さま、結婚を認めた理由と「恋愛観」 親子に共通する意志を貫く強さとは〈AERA〉
眞子さまの結婚について「認める」と述べた秋篠宮さま。その背景には秋篠宮さまご自身や皇室の恋愛観があったのではないかと、識者らは指摘する。AERA 2020年12月14日号から。
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「結婚を認めるということです」 今年11月20日に行われた誕生日会見で、秋篠宮さま(55)は、眞子さまの結婚について記者らの質問にそう答えた。 これに先立つ9月には紀子さま(54)が誕生日文書で「長女の気持ちをできる限り尊重したい」と述べた。11月13日には眞子さま(29)と小室圭さん(29)のお気持ち文書が公開、「結婚は、自分たちの心を大切に守りながら生きていくために必要な選択」としていた。 そして秋篠宮さまの今回の発言。この3ステップを踏んで、秋篠宮家としての眞子さまの結婚についての考えは、国民に向けて発信された。 2017年に眞子さまと小室さんの婚約内定が報じられてから3年、3段階の手順を踏んだことからもわかるように、ここまでくるには紆余曲折があった。大きな要因は、17年末に報じられた、小室さんの母親と元婚約者を巡る約400万円の金銭トラブルだ。 ■自由恋愛の末の結婚 秋篠宮さまは18年の会見で、「結婚したい気持ちがあるのであれば、それ相応の対応をすべき」「多くの人が納得し、喜んでくれる状況にならなければ、婚約にあたる納采の儀を行うことはできません」と述べた。 歴史学者で静岡福祉大学名誉教授の小田部雄次さんは、秋篠宮さまが言及していたこの課題について、「現在まで一切解消されなかった」と指摘する。小室さんは19年に「解決済みの事柄と理解」としたきり。今年11月末になって、元婚約者が「小室家に返金は一切求めない」と語ったと週刊誌が報じた。 「説明を求めているのになぜ誠実に答えなかったのか。なぜ、元婚約者の側が折れなければならなかったのか。道義的な理不尽を国民は見ています。秋篠宮さまの不信感もむしろ深まっているのでは」(小田部さん)
それでも結婚を認めたのはなぜか。小田部さんはこう考える。 「秋篠宮さま自身や皇室の恋愛観があるからではないか」 秋篠宮さまは、学習院大学で出会い交際していた紀子さまと結婚した。60年以上にわたり皇室を取材してきたジャーナリストの渡邉みどりさんも、小田部さんと同様の見解だ。 「秋篠宮さまは意志を貫いて紀子さまと結婚された。上皇さまと美智子さまも、天皇陛下と雅子さまも、自由恋愛の末ご結婚されました。ですから、眞子さまの意志をないがしろにするわけにはいかなかったのでしょう」 渡邉さんは、秋篠宮さまと眞子さまの共通点を指摘した。 「秋篠宮さまも眞子さまも、ご自身で相手を見つけられました。そして、自分の意志を貫く強さ、あの『つっぱり』も似ていらっしゃると思いますよ」 そもそも、結婚の自由は憲法で保障されている。秋篠宮さまは冒頭の会見で、結婚を認める理由として、「婚姻は両性の合意のみにもとづく」とした憲法24条を3回も引用した。
関西大学教授で憲法学者の高作正博さんは、政府見解や過去の判例でも、基本的に「天皇、皇族も人権の主体」とされており、それを基準にすべきと話す。 「当然、皇族にも結婚の自由はあると考えられます。秋篠宮さまがご自身の立場と見解を、日本国憲法24条を引用して説明されたことは、好ましいことだと思います」 (編集部・小長光哲郎) ※AERA 2020年12月14日号より抜粋
https://news.yahoo.co.jp/articles/63a7b6f0a372c74e0819856e9e53e40c7a69092d?page=1
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トレスフリーを目指すための最高の習慣
いま、YouTubeなどで有名人によるモーニングルーティンが話題ですが、精神科医としておすすめの最高のモーニングルーティンが「朝散歩」なのです。
方法は簡単です。朝起きてから1時間以内に15~30分の散歩をするだけです。それだけで、セロトニンが活性化し、体内時計がリセットされ、「副交感神経」から「交感神経」への切り替えがうまくいき、自律神経が整えられるのです。ストレスフリーを目指すのに、こんなに効果的な健康習慣はありません。
ファクト1:朝散歩の科学的根拠とは
私は25年間以上、精神科医として、メンタル疾患が治りやすい人と治りにくい人の特徴を観察してきました。メンタル疾患が治りにくい人の特徴は、「昼まで寝ている」ことです。
実際に「昼まで寝ている」という患者さんが、「朝散歩」をはじめた途端に、症状が急激に改善する事例を多数観察し、現在では一般の人にも「朝散歩」をおすすめしています。何年も治らなかったうつ病やパニック障害などのメンタル疾患が、朝散歩をするようになってから「ものすごくよくなった」という報告をたくさんいただいています。
メンタル疾患がない人でも「朝散歩」をすることで、午前中の仕事のパフォーマンスがアップし、睡眠も深くなる効果が得られます。
『精神科医が教える ストレスフリー超大全』(以下『ストレスフリー超大全』)では、「睡眠」「運動」「食事」を整えることの効能に触れていますが、朝散歩は健康になるためのすべての要素を含んでいます。朝散歩は、メンタルにおける最強の健康法といっていいのです。
散歩が効果的である科学的な理由
朝散歩が効果的である科学的な理由を3つ紹介しましょう。
(1)セロトニンの活性化
セロトニンは、「朝日を浴びる」「リズム運動」「咀嚼」によって活性化します。朝の散歩は、「朝日を浴びる」「リズム運動」(ウォーキングなどの規則的なリズムを刻む運動)の2つを兼ねているので、セロトニンを十分に活性化することができます。
出所=『精神科医が教える ストレスフリー超大全』
セロトニンは、覚醒、気分、意欲と関連した脳内物質で、セロトニンが低下するとうつ的になります。セロトニンが活性化すると、清々しい気分となり、意欲がアップし、集中力の高い仕事ができます。
そして、セロトニンを材料に夕方から睡眠物質のメラトニンが作られます。セロトニンが十分に分泌されることで、結果、夜の睡眠が深まるのです。
普通の人でも、仕事が忙しくてストレスフルな生活をしていると、セロトニンを分泌するセロトニン神経が弱ってきます。朝散歩によって、毎日、セロトニン神経をしっかり活性化することで、ストレスを受け流し、脳の疲労を回復できます。
(2)体内時計のリセット
人間には体内時計があり、平均24時間10分前後といいます。体内時計をリセットしないと、毎日10分ずつ寝つきの時間が遅くなり、昼夜逆転生活となってしまうのです。
体内時計をもとに、睡眠、覚醒、体温、ホルモン、代謝、循環、細胞分裂などがコントロールされているので、体内時計がズレると、「指揮者のいないオーケストラ」のように体内がバラバラの状態になり、高血圧、糖尿病、がん、睡眠障害、うつ病など、さまざまな病気の原因となります。
体内時計をリセットするには、太陽の光(2500ルクス以上)を5分浴びるのが効果的です。だからこそ、朝に外に出ることがいいのです。
ビタミンD生成
ビタミンDは、カルシウムの吸収を助け、骨を丈夫にするホルモンです。ビタミンDは、非常に欠乏しやすい栄養素として知られ、日本人の8割がビタミンD不足ぎみで、4割で欠乏していると言われます。
ビタミンDが欠乏すると、骨粗鬆症こつそしょうしょうになります。骨粗鬆症になると、ちょっとした転倒で簡単に骨折します。骨折するとしばらく安静が必要なため、一気に筋肉が衰えます。高齢者の場合は、それがきっかけで「要介護」「寝たきり」になる人も多いのです。
ビタミンDは食事から摂取もできますが、必要量の半分は自分で生成することができます。原料は「紫外線」です。皮膚に日光(紫外線)が当たると、ビタミンDが生成されます。
15~30分の朝散歩をすれば、1日に必要な量のビタミンDの生成が行われます。紫外線が気になる女性も多いでしょうが、だからこそ日差しの強い昼ではなく、日光が比較的弱い朝がベストなのです。
以上をまとめると、メンタル疾患のある人から、夜の寝つきが悪い人、仕事でパフォーマンスを上げたい人まで、すべての人に朝散歩がおすすめです。少しでも身体的・メンタル的に不調がある人は、必ず習慣として取り入れてください。
ToDo 1:具体的な朝散歩の方法
基本的な方法は、「起床後1時間以内に、15~30分の散歩を行う」です。午前中(できれば10時まで)に行いましょう。雨の日でも効果があります。サングラスはかけず、紫外線を防御しすぎないのがポイントです。
健康な人であれば、15分ほどでセロトニンが活性化します。「メンタル疾患のある人」「メンタルが弱っている人」「睡眠に問題がある人」などであれば、セロトニン神経が弱っている可能性が高いので、30分を目安にしてください。
ただし、30分を超えるとセロトニン神経が疲れてしまい、逆効果になるので注意しましょう。
また、起きて3時間以上が経ってから朝散歩をすると、体内時計が後ろに3時間ズレてしまうので逆効果です。必ず、起きて1時間以内に行ってください。
健康な人の場合は、室内でも日光の入る明るい部屋にいれば、ある程度体内時計はリセットされます。しかし、体調の悪い人、メンタル不調の人は室内では不十分ですので、起床後、1時間以内に屋外に出るべきです。
朝散歩の後には朝食を
朝散歩の後には朝食を食べましょう。朝食を食べることで、さらに「脳の体内時計」と「体の体内時計」のズレが補正されます。
前項でも述べたように、よく噛んで朝ご飯を食べましょう。「咀嚼」もリズム運動なので、それだけでセロトニン神経を活性化します。
また、「リズム運動」であれば、セロトニンは活性化するので、悪天候で外に出られないときは、室内で「ラジオ体操」で代用してもいいでしょう。
ToDo 2:さらに効果的な朝散歩の方法
朝散歩なので、ジョギングをする必要はありません。歩くときの「リズム」が重要なので、「ワン、ツー、ワン、ツー」と同じテンポでリズミカルに歩きましょう。体力に余裕のある人は、「早歩き」で軽快に歩くといいでしょう。
先ほど、午前中(できれば10時まで)にすべきだと書きましたが、それは午後に散歩しても、セロトニン活性効果が小さいからです。
体内時計がリセットされてから、15~16時間後にメラトニンが分泌されて「眠気」が出ます。逆算すると、午前7時に体内時計をリセットすると、22~23時に眠気が出るということです。午前8時に体内時計をリセットすると、23~24時に眠気が出ます。だから、午前11時に朝散歩をすると、体内時計のリセットが遅れてしまいます。
サングラスをかけるのがNGなのは、セロトニン神経が活性化するためには、ある程度の明るさの光が「網膜」から入らないといけないからです。
また、肌を覆う紫外線対策(UVクリームなども含む)をすると、ビタミンDは活性化しません。注意しましょう。
ファクト2:まずはハードルを下げて習慣化しよう
朝散歩をするといっても、「朝5時に起きなさい」ということはありません。「朝の調子が悪い人」「お疲れモードの人」「メンタル疾患の人」が、無理して早起きをすると、逆に調子を崩す可能性があります。最初は、自分に無理のない時間に起きて、その時間から朝散歩をすれば十分です。
樺沢紫苑『精神科医が教える ストレスフリー超大全』(ダイヤモンド社)
毎日するのがベストですが、週1~2回でも、やっただけ効果があります。不定期でも、徐々に朝の目覚めがスッキリと改善していきます。
テンポよく「リズム」に集中するために、音楽を聴きながら歩くのもいいでしょう。好きな音楽であれば、寝起きの気分も上がるでしょう。
どうしても歩くのがしんどい場合、ベランダや庭に出て日向ぼっこをすることからはじめましょう。そこから、5分の散歩、10分の散歩、15分の散歩……と、少しずつハードルを上げていけばOKです。やればやっただけ効果が出ます。
以上、5つの基本を紹介しました。これがストレスフリーに生きるためのベースとなります。ぜひマスターしましょう。