2月7日の「北方領土の日」に菅直人首相が、昨年の
メドベージェフ露大統領の北方領土訪問を「許し難い
暴挙」と批判しました。この発言自体は首肯できる
ものがありますが、しかし、おかまいなくロシアは
実効支配を強めつつあります。
一つには、北方領土における軍備増強を進めています。
兵員や物資はもちろん、攻撃用ヘリコプターや戦車を搭載
できるミストラル級強襲揚陸艦2隻をウラジオストクに配備
予定ですし、択捉島では戦闘車両を短時間に大量輸送で
きる大型輸送機イリューシン76が離着陸できる空港の拡張
を計画中です。
もう一つは経済面で、中国や韓国の企業に北方領土への
投資を呼びかけています。国後島では、ロシアの水産会社
が中国・大連の水産会社とナマコ養殖の合弁事業を始める
ことで基本合意。同ロシア社は韓国の企業とも合弁事業を
交渉中です。色丹島でも、地元企業が中国の水産会社と
ホタテ養殖の合弁会社設立を計画しています。
ロシア漁業庁の広報官は、近いうちに北方四島すべてで
「外国とロシアの企業の投資ブームが起きる」と述べているそうです。
これに対し、日本側はなす術もなく、批判を繰り返すだけに
終わっています。前原外相も訪露してラブロフ外相と会談し
ましたが、そのようなロシアの動きを止めることはできませんでした。
マスコミも「北方領土問題で譲歩するな」とか「国際社会に
アピールせよ」などとは言いますが、有効な対抗策を示す
ことはできず、日本全体として手詰まり感があるのは否めません。
そもそもは、昨年の尖閣諸島沖中国漁船衝突事件での
政府の対応のまずさが発端です。日本が実効支配している
場所で起きた事件すら、中国の恫喝に屈して国内法で最後
まで処理することを諦めた政府の弱腰ぶりを見て、日本が
実効支配を失っている所ではなおさら「何をやっても大丈夫」と
いう安心感をロシアは持つようになったわけです。
実効支配を失っている以上、ロシアの動きを止めることは
かなり厳しい状態ですが、あとは「力」による牽制しか手立て
は残されていないでしょう。
菅首相は「日本政府は自国の領土を守るために、
必要に応じて自衛権を発動することもあり得る」と、
一言述べるべきです。
北方領土は、日本政府の公式見解としてもロシアによって
「不法占拠」されており、これは即ち、戦後65年以上に
亘って「急迫不正の侵害」を受け続けているということが
できます。したがって、これを排除するため他に適当な
手段がなければ、必要最小限度の実力行使は許されるはずです。
あえて、「北方領土」と具体的地名を出すかどうかはともかく、
少なくとも一般論として国土防衛のための自衛権発動の
可能性を示唆しておくべきです。これによって、中韓企業
の北方領土への投資活動を牽制することができます。
というのも、企業は紛争が起きるかもしれない所には、
おいそれとは投資しにくいものだからです。仮に投資する
としても、その分のリスクプレミアムを要求することになり
ますから、これはロシア側の経済的負担を高める効果があります。
このような発言は当然ロシア側を刺激するでしょうが、
尖閣事件での“失地”を回復するためには、これくらい
毅然としたことを言わないと、こちらの意思が相手に
伝わることはないでしょう。戦争を望むものでは勿論
ありませんが、日本も国家としての本気さを示すためには、
憲法上認められた実力行使の可能性を示唆するぐらいの
ことはせざるを得ないと考えます。
他国の大統領の行動を「暴挙」と批判した以上、
これに続く、国家としての意思表示が今、求められています。
.2011/02/17
メドベージェフ露大統領の北方領土訪問を「許し難い
暴挙」と批判しました。この発言自体は首肯できる
ものがありますが、しかし、おかまいなくロシアは
実効支配を強めつつあります。
一つには、北方領土における軍備増強を進めています。
兵員や物資はもちろん、攻撃用ヘリコプターや戦車を搭載
できるミストラル級強襲揚陸艦2隻をウラジオストクに配備
予定ですし、択捉島では戦闘車両を短時間に大量輸送で
きる大型輸送機イリューシン76が離着陸できる空港の拡張
を計画中です。
もう一つは経済面で、中国や韓国の企業に北方領土への
投資を呼びかけています。国後島では、ロシアの水産会社
が中国・大連の水産会社とナマコ養殖の合弁事業を始める
ことで基本合意。同ロシア社は韓国の企業とも合弁事業を
交渉中です。色丹島でも、地元企業が中国の水産会社と
ホタテ養殖の合弁会社設立を計画しています。
ロシア漁業庁の広報官は、近いうちに北方四島すべてで
「外国とロシアの企業の投資ブームが起きる」と述べているそうです。
これに対し、日本側はなす術もなく、批判を繰り返すだけに
終わっています。前原外相も訪露してラブロフ外相と会談し
ましたが、そのようなロシアの動きを止めることはできませんでした。
マスコミも「北方領土問題で譲歩するな」とか「国際社会に
アピールせよ」などとは言いますが、有効な対抗策を示す
ことはできず、日本全体として手詰まり感があるのは否めません。
そもそもは、昨年の尖閣諸島沖中国漁船衝突事件での
政府の対応のまずさが発端です。日本が実効支配している
場所で起きた事件すら、中国の恫喝に屈して国内法で最後
まで処理することを諦めた政府の弱腰ぶりを見て、日本が
実効支配を失っている所ではなおさら「何をやっても大丈夫」と
いう安心感をロシアは持つようになったわけです。
実効支配を失っている以上、ロシアの動きを止めることは
かなり厳しい状態ですが、あとは「力」による牽制しか手立て
は残されていないでしょう。
菅首相は「日本政府は自国の領土を守るために、
必要に応じて自衛権を発動することもあり得る」と、
一言述べるべきです。
北方領土は、日本政府の公式見解としてもロシアによって
「不法占拠」されており、これは即ち、戦後65年以上に
亘って「急迫不正の侵害」を受け続けているということが
できます。したがって、これを排除するため他に適当な
手段がなければ、必要最小限度の実力行使は許されるはずです。
あえて、「北方領土」と具体的地名を出すかどうかはともかく、
少なくとも一般論として国土防衛のための自衛権発動の
可能性を示唆しておくべきです。これによって、中韓企業
の北方領土への投資活動を牽制することができます。
というのも、企業は紛争が起きるかもしれない所には、
おいそれとは投資しにくいものだからです。仮に投資する
としても、その分のリスクプレミアムを要求することになり
ますから、これはロシア側の経済的負担を高める効果があります。
このような発言は当然ロシア側を刺激するでしょうが、
尖閣事件での“失地”を回復するためには、これくらい
毅然としたことを言わないと、こちらの意思が相手に
伝わることはないでしょう。戦争を望むものでは勿論
ありませんが、日本も国家としての本気さを示すためには、
憲法上認められた実力行使の可能性を示唆するぐらいの
ことはせざるを得ないと考えます。
他国の大統領の行動を「暴挙」と批判した以上、
これに続く、国家としての意思表示が今、求められています。
.2011/02/17
いいせりふ (*´∇`*)