
論点・視点 第三弾
民主党政権では日本はもたない
ここ数週間の鳩山政権が打ち出す財政・税制政策や
予算編成の方針を概観すると有識者から「まったく
理解に苦しむ」と酷評される不整合性が各所に見られる。
「無駄使いを省く」といって「補正予算の一部執行停止」
を断行しておきながら、一方で来年度予算として95兆の
概算要求を出してきた。
麻生政権の88兆円を7兆円も上回る額である。
これは民主党がマニュフェストに掲げた「ばらまき公約」
を実現するためである。
勿論、これは概算要求なので行政刷新委員会が各省庁の
要求額を絞り、国会に提出する予算案としてはある程度
減額したものになるが、90兆円はくだらないと誰もが
考えている。
税収が40兆円あるかないかと言われる状況で90兆円
の歳出がいかに厳しいものであるか小学生でも解るであろう。
わが国の財政状況を一般家庭の家計に喩えるならば、
収入が400万円の世帯で900万円支出するに等しい
ことだからだ。さらにこれまでの累積の借金が
9000万円近くもあるので、その返済に赤字国債と
称するさらなる「借り入れ」を行いやりくりしようと
言っているのである。
第一に、「無駄遣いを省く」というのであれば、一般会計
からではなく、「伏魔殿」と言われる特別会計から手を
つけるのが常識的な考え方というべきであろう。
国民は特別会計の煩雑な仕組みとその運用に懐疑心を
持っている。この全容を明らかにしないままで、一般会計に
選挙公約を盛り込むならば、在る意味で「話が違う、
騙された」と感じても仕方がない。
第二に、国民は本当に、こども手当を望んでいるので
あろうか。あるマスコミが行った世論調査によると
「赤字国債を発行してまでこども手当は望まない」と
いう解答が相当あると聞く。民主党としては公約として
掲げた以上実行せねばならないと思うのであろうが、
国民はいたって冷静である。一時的に耳ざわりの良い「
ばらまき公約」に心が動いて政権交代に助力したものの、
熱が冷めると「このままでは子や孫の代にまでつけを残す
ことになる」「こども手当は学費にまわらず、怠け者の
親が遊興費に使ってしまう」と考えはじめている。
従って、国民が鳩山政権に望むものは、天下り官僚に
象徴される「たいした努力もせずにいい目をしている」
支配層に反省を促し、「まじめに働いている正直者・
勤労者がバカをみない」政治であって、民主党の
ばらまき政策に真から共感を示したのではない。
内閣支持率が発足当時から10%も落ちているのは、
「熱狂」から「冷静」へとなりつつある国民心理を
象徴している。
☆「嫉妬の文化」を煽る鳩山政権
こういえば、「それでも鳩山内閣の支持率は60%を
維持しているではないか」と反論する人もいるであろう。
然り。この支持率は国民性といってもよい特有の
「嫉妬文化」が下支えしているからである。
しかし、国民はいずれ「嫉妬では幸福になれない」
ことに気づく時が近い将来やってくる。
一例をあげよう。民主党は税制政策で「扶養家族控除、
配偶者控除廃止」を考えているが、もしこの方針で
税制改正が行われたならば、多くの世帯にとって実質上の
増税が待っている。これは「こども手当」をもらえる
家庭であっても同じであり、可処分所得が目減りする
のは確実である。
扶養家族控除の廃止とは要するに「子供や年寄りの面倒は
行政が行え。国は家計に助力をしない」ということである。
配偶者控除の廃止とは「専業主婦の厚遇は許さない。
あなた達も働く女性になれ」と言っているのである。
けれども考えて見て貰いたい。
子供を育児所に預けて共稼ぎを行い、年老いた親の面倒は
老人ホームに任せる。
まるでかつてのソ連のように「家族福祉」「家族の絆」を
無視した「イデオロギー統制社会」が本当に「幸せ」な
社会なのだろうか。ここにいう「イデオロギー」とは
マルクス・レーニン主義に彩られた「ジェンダーフリー思想」
である。男女の絶対平等を掲げ、「労働賃金に留まらず、
育児も介護も夫婦が同じ割合で行わなければならない。
そうでないと真の平等は実現しない」と主張するかたくなな
原理主義である。家庭のあり方は国家が決めたり、統制
したりするものではない。むしろ「正直者がバカをみない」
政治というならば、年老いた親と同居して介護を行ったり、
子だくさんであっても、しっかりと子供の面倒をみる「母親」
に税制上の優遇措置を与える社会の方が、よっぽど「血の
通った政治」なのではないだろうか。
いったいぜんたい、この社会から専業主婦がいなくなったら
どうなるか。学校のPTA活動や地域社会活動、宗教活動
などの「公益的な社会活動」は衰退する。専業主婦に
対する嫉妬は、家庭の崩壊に留まらず公益的社会活動の
崩壊を促進することになるのである。
従って、我々幸福実現党は「真に幸福になりたいならば
嫉妬心を抑制しよう」と呼びかけている。
嫉妬によって人は幸福になれない。
嫉妬に裏打ちされた政治によっては国の発展は望めない。
幸福や発展は、「自助努力の精神」によってもたらされのです。
国民の皆さん、どうか鳩山政権の扇動に乗らないで下さい。
いずれ我々は国会に議席を持ち、政権を担う時が参ります。
その時が来るまでしばらくの辛抱です。
我々はこの国を滅ぼすわけにはゆかないのです。
平成21年10月25日