教科書に載った菅元首相
産経ニュース
政治部編集委員・阿比留瑠比 教科書に載った菅元首相
2013.4.1 08:50 (1/2ページ)
文部科学省が3月26日に公表した来春から使用される高校教科書の
検定結果を見ると、当然のことながら平成23年3月11日の東日本大震災
と福島第1原発事故への言及が目立つ。
その中でも、当時の菅直人首相に関する記述に、首相官邸で取材をして
いた1人として深い感慨を覚えた。例えば歴史の教科書には、こんな記述がある。
「震災処理の不手際もあって菅内閣は同年8月に総辞職に追い込まれ、
かわって野田佳彦が組閣した」(日本史A)
「菅内閣は、放射能汚染の情報を十分に国民に開示しなかったことや、
復興計画の立案と実行が遅れたことから、国民の批判を浴びて倒れた」
(日本史B)
菅氏を支えた元首相秘書官によると、菅氏は在任時、口癖のように
度々こう語っていたという。
「俺は歴史に名を残したいんだ」
その夢はかなったというわけだ。菅氏は今や歴史上の人物として高校生が
学ぶ対象となった。
目指すべき手本としてではなく、反面教師としてかもしれないが。
また、菅首相は内閣総辞職にあたって「歴史がどう評価するかは後世に委ねる」
とする「首相談話」を発表したが、評価は菅氏の予想より早く定まったようだ。
中曽根康弘元首相が繰り返し指摘してきた通り、「政治家は歴史法廷の被告」
であるし、国のトップたる首相であればなおさら国民の視線は厳しいのも
当然だろう。
民主党の党改革創生本部がまとめた「総括」でも、昨年12月の衆院選大敗の
理由について「トップによる失敗の連鎖が続いた」ことを挙げている。
ここでも菅氏の重大な責任は免れようがない。
にもかかわらず、肝心の菅氏にその自覚も潔さも反省も一切みられないのが
残念でならない。党改革創生本部の会合には可能な限り出席し、「自身に対する
直接的な批判が『総括』に盛り込まれないよう目を光らせていた」(党幹部)という。
そこには、「歴史法廷の被告だ」という覚悟はうかがえない。
むしろ、民主党内から聞こえてくるのはこんな話ばかりだ。
「菅さんは2月に自宅を新築してご機嫌だ」
「反原発で市民運動家の原点に戻り、非常にすっきりしている」
続き http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130401/stt13040108500001-n2.htm
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