近所に嫌いな奴がいる。そいつN皮の事を秘かに「黄金虫」と呼んでいたが、それが禍して、俺が「黄金虫」になってしまい…という経過は前日述べた通りだ。
町内会の小旅行から帰って、数日たったある日、俺は近所を散歩していた。すると前から、あの「黄金虫」がコサックダンスをしながら、近づいてくるではないか! 面白いやら、不気味やらで、俺は逆方向へ逃げ出した。走っているうち、体が浮いて、俺自身が空中を飛来していることに気付く。虫になったしまったようだ。
人の事を「馬鹿」という奴が、「馬鹿」なのだという。人の事をを「黄金虫」という奴が、「黄金虫」になっても、何の不思議でもないか… 完
「それは、既に居た」
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