それはある日曜の夕方。我が家の玄関から怒鳴り声が聞こえてくるので、見に行ったところ、掴み合いになっているので、慌てて仲裁に入った次第。
「なにしてんの?!止めなさい」 見ると、息子の昔の友人Dで、何でも3日何も食べてないから、息子にお金貸してくれないみたいなことだった。前からDとは折が悪いのは分かっていたが、3日食べてないと聞くと…
私は彼に1000円を握らせ、こう言い含めた。 「これをあげるから、もう二度と家には来たら駄目だよ」
私の決断に息子は不服そうだ。私にも、二度と会いたくない人がいる。もしその人が来たら、私は息子の様になりかねない。私は息子にこう言った。 「あなたの気持ちは分かるよ。お母さんも会いたくない人がいて、その人に頼られたら、不快だと思う。だから、この件は自分とは関係ないことだと、割り切ってほしいの」と。
その夜、私は今日の出来事を振り返ってみた。もし私の会いたくない人が来て、揉めている様子を実家の母が見たら…きっと同じ事をするだろうと。Fin