To Our Children's Children's Children(子どもたちの子どもたちの子どもたちへ) / The Moody Blues
2020-03-31 21:43:05
そして影響は音楽界にも及び、デビッド・ボウイは「Space Oddity(スペースオデッティ)」を作ったし、ムーディーブルースは太古の人類と広大な宇宙を対比させるというモチーフそのままにこのアルバムを作った。
1. Higher and Higher
2. Eyes Of A Child (Part One)
3. Floating
4. Eyes Of A Child (Part Two)
5. I Never Thought I'd Live To Be A Hundred
6. Beyond
7. Out And In
8. Gypsy
9. Eternity Road
10. Candle Of Life
11. Sun Is Still Shining
12. I Never Thought I'd Live To Be A Million
13. Watching And Waiting
発表された1969年はアポロ11号が初めて月に着陸した年。まったくあの時代ほど人類にとって宇宙が身近だった時代はない。思えば科学技術の進歩を無邪気に肯定的に信じられた最後の時代だった。この頃のムーディーブルースはまさに全盛期で、当時はまだ珍しかったプライベートなレーベルを立ち上げ、そのスレッショルドレコードからの第一弾としてリリースしたのがこのアルバムだった。レーベルを立ち上げた理由のひとつに、思い通りのアルバムカバーを作りたいというのがあったらしく、そんな期待を受けてフィル・トラヴァースが描いた古代人の洞窟壁画のジャケットはインナースリーブも含めて気合の入れ具合がよくわかる。
アナログ時代のA面は、宇宙ロケットの発射音を模した轟音から始まるグレアム・エッジ作の「Higher and Higher」でこのアルバムのコンセプトがまず高らかに宣言される。その後は「Eyes Of A Child」といった内省的な曲が続き、再び「Beyond」でサイケデリックな音空間が展開され、マイク・ピンダーのメロトロンが鳴り響くスペイシーなバラード「Out And In」でフェードアウトする。ジャスティン・ヘイワードの手になるハードな「Gypsy」で始まるB面の目玉曲は「Candle Of Life」だろう。クラシカルでドラマティックに盛り上がるこの曲で作者のジョン・ロッジは一皮剥けて自らのスタイルを確立した。最後を締め括るヘイワードとレイ・トーマスの共作「Watching And Waiting」は地味ながらゆったりとしたスケールの大きい名曲。
ムーディーブルースと言えば、ひとつのコンセプトで統一されたトータルアルバムの印象が強いけど、そのような作り方を本格的にやっていたのは実際にはこのアルバムまで。気合が入ったアルバムではあるけれど彼等の期待に見合うほどの反響は得られなかったようだ。ちょっと頭でっかちになりすぎたかも。以降はトータル性をもっと緩めたアルバムを指向するようになった。
尚、2006年にボーナストラックを加えて”デラックスエディション”として再発された際に以下のボーナスディスクが追加された。
(Additional Disc for "Deluxe Edition" Released in 2006)
1. Gypsy - Alternate Version
2. Candle of Life - Alternate Version
3. Sun Is Still Shining - Extended Version
4. Gypsy - BBC Radio Concert 17/12/69
5. Sunset - BBC Radio Concert 17/12/69
6. Never Comes The Day -BBC Radio Concert 17/12/69
7. Are You Sitting Comfortably -Radio Concert 17/12/69
8. The Dream -BBC Radio Concert 17/12/69
9. Have You Heard -BBC Radio Concert 17/12/69
10. Nights In White Satin -BBC Radio Concert 17/12/69
11. Legend Of A Mind -BBC Radio Concert 17/12/69
「Gypsy」「Candle of Life」「Sun Is Still Shining」はクロスフェイディング編集でカットされる前の長めのオリジナルバージョン。残りのライブは、その後にリリースされた「Live At The BBC 1967- 1970」に同一音源が再度収録されている。
(かみ)
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