1. Silver Shoes
2. Don't Come Back
3. Persephone
4. Hometown
5. Lady Jay
6. F.U.B.B.
オリジナルメンバーでの活動は前作までで、その後ギタリストがテッド・ターナーからローリー・ワイズフィールドに交代しての第1作となるが、それが理由かどうか知らないけれど彼等は活動の拠点をアメリカに移し、このアルバムもフロリダで録音された。プロデューサーはジョー・ウォルシュやイーグルスを手掛けていたビル・シムチク。従って、後のイーグルスサウンドにも通じるアメリカンなテイストが垣間見える。
そう思って聴くと「Silver Shoes」のイントロのギターは「ホテル・カリフォルニア」のメジャーコードバージョンのようにも聴こえてしまうのがちょっと可笑しい。出だしからカラリとした明るい曲。「Don't Come Back」はこのアルバムでいちばんハードでアップテンポなナンバー。そして「Persephone」はやっぱり名曲だわ。哀愁漂う美しいメロディはいかにも日本人好みでもある。今書きながらこの曲の魅力を形容しようとして気が付いたけれど、クラシカルでドラマティックという点に於いては前回取り上げたムーディーブルースの「Isn't Life Strange」とも共通しているな。俺ってこういうタイプの曲に弱いのかも。実に格調高い曲である。「Hometown」では一転して再びミディアムテンポの明るい曲調に戻るが「Lady Jay」はこれまでの彼等の路線にいちばん近く感じる。ラストを飾る「F.U.B.B.」はブルージーなインストゥルメンタル。以上、僅か6曲でこのアルバムは終わる。
ツインリードギターによるハードロックでありながら叙情性を兼ね備えたサウンドって、自分のストライクゾーンなので、この後「Argus」とか初期の作品を聴いたのだけど、残念ながらこのアルバム以外は良いお友達にはなれなかった。なんでだろうと今つらつら考えてみると、たまたま聴いたときの自分の気持ちが乗らなかったというタイミングの問題もあるが、初期の彼等は叙情性というか情念が強調され過ぎていてちょっと引いてしまったのかな。これじゃあまるでブリティッシュ演歌じゃないの、という感じ。このアルバムに魅了されたのは、ブリティッシュとアメリカンが程良くブレンドされ、曲ごとに感じる湿度や明暗のバリエーションが豊かだからかも。そう考えるとこのアルバム以降に数年続くアメリカ進出時代の作品を追っかけてみると良いかも知れないと思った次第。
(かみ)
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