1. Behind the Lines
2. Duchess
3. Guide Vocal
4. Man of Our Times
5. Misunderstanding
6. Heathaze
7. Turn It On Again
8. Alone Tonight
9. Cul-de-sac
10.Please Don't Ask
11.Duke's Travels
12.Duke's End
まず、1曲目の「Behind the Lines」の重厚だけど疾走感溢れるサウンドでぐいぐい引き込まれる。その勢いのまま「Duchess」になだれ込み、「Guide Vocal」まで繋ぐ流れの心地良さ。冒頭のこの3曲でガツンとやられる。
「Man of Our Times」「Alone Tonight」がマイク・ラザフォード、「Heathaze」「Cul-de-sac」がトニー・バンクス、「Misunderstanding」「Please Don't Ask」がフィル・コリンズ、とそれぞれの作品となっているが、三者三様の個性の違いがよくわかる。トニー・バンクスはやっぱりクラシック志向だし、マイク・ラザフォードの作品には後のメカニックスの音楽の源流を感じる。(「Alone Tonight」なんてビートルズの匂いがぷんぷん)。当時のレコードの帯には「デューク、それはロックを、人生を超えたフィル・コリンズ自身!」なんて惹句が書かれていて、まるでフィル・コリンズのリーダーアルバムのような扱いだったが、ちょっと違うね。
そして最も好きなのは最後を飾る「Duke's Travels」と「Duke's End」のメドレー。多重録音されたシンセサイザーの絡み合いが気持ち良い。アルバムの最後にそれまでの収録曲のフレーズがリフレインされるのはこの頃のジェネシスのアルバムでの常套手段だが、このアルバムがいちばんキマっている。
当時は重厚長大なプログレに逆風が吹いていた時代。多くのバンドがポップ路線に転身したが、その後最も成功を収めたのはジェネシスであり、そのターニングポイントになったのが、このアルバム。これが「Invisible Touch」あたりになると、もはや売れ線のコツを覚えてしまって、あざとさを感じてしまうのだが、この頃は彼等なりに時代と向き合ったプログレを真摯に追求していたと思われる。
とにかく、初夏のドライブで聴きたくなるプログレなんてめったにないんだから。
(かみ)
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