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還暦おやじの洋楽日記

S.S.Fools / S.S.Fools

スリードッグナイトの崩壊は「Coming Down Your Way」制作中に演奏陣のメンバーが脱退したことに始まったが、脱退組のマイケル・オルサップ(g)、フロイド・スニード(ds)と一足先に脱退していたジョー・シャーミー(b)らが結成したバンドがSSフールズ。そのSSフールズが1976年に発表した唯一無二のアルバムがこれ。これまでこのブログでスリードッグナイト出身者の関連アルバムをいくつか紹介してきたが、今回でたぶん打ち止め。(もうネタ切れなのじゃ)
でもこのアルバム、TOTOのボビー・キムボールがかつて在籍したバンドとしてのほうが有名なようだ。

1. First Things First
2. Desert Dancin'
3. Tearbanks
4. Baby's Callin' Me Home
5. Fool Hard-e
6. I Just Love The Feelin'
7. Sunnyridge
8. Whatever Happend To America
9. Why Can't You

1曲目の「First Things First」はスティーブン・スティルスが「Stills」で先に披露していた曲だが、共作者にジョー・シャーミーがいたことは知らなかった。曲調はスティルスバージョンと随分違うがサビの部分は同じ。「Desert Dancin'」がデビッド・ペイチ作、「Baby's Callin' Me Home」がボズ・スキャッグス作で、後年のTOTOに繋がる道がほの見える。ボビー・キムボール作の「Tearbanks」「I Just Love The Feelin'」あたりはモロにAORだもんね。
「Sunnyridge」の作者がG.Itriとクレジットされているが、スリードッグナイトの「Seven Separate Fools」に収録されていた「Midnight Runaway」の作者であるG.Itriが実はチャック・ネグロンの変名だったことは判明している。(当時、スリードッグナイトは他人の楽曲を発掘してヒットさせていたので、自作曲は憚られていたらしい)。してみると、この曲の作者はチャック・ネグロンなのか。鼻にかかった歌い方もチャック・ネグロンにそっくりで、いちばんスリードッグナイトを彷彿とさせる曲。
プロデューサーはスリードッグナイト黄金時代のパートナーだったリチャード・ポドラーだし、そもそもバンド名自体が「Seven Separate Fools」に由来しており、スリードッグナイトの残像とTOTOの予兆の両方を感じられるサウンド。アルバムとしての統一感にはちょっと欠けるものの、なかなかの出来。スリードッグナイトの遺産が後の世代に継承されていることを感じられて嬉しかったな。

(かみ)
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