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還暦おやじの洋楽日記

Classic Yes / Yes

イエスのことは今年に入って2回取り上げたので「もう暫くはイエスネタはいいかな」と思っていたけど、タイムリーな話題のようなので旬のうちにもう1回取り上げる。このブログを閲覧するようなおやじどもの大多数は、この現象をきっと知らないだろうから。

つい先日、高校生の子供を車で送ったときのこと。カーオーディオでイエスのCDを流していたら「Roundabout」のところで子供が「この曲は・・・!」と絶句。今流行りのTikTokの"To Be Continued"という面白投稿動画のBGMに使われているのだという。実際に動画を見せてもらったら日本中の子供たちが身の回りのズッコケ映像を投稿していたのだが、クライマックスシーンにかぶさるかたちで必ず「Roundabout」のイントロが流れていた。ちょっと調べてみたところ、何年か前のアニメ「ジョジョの奇妙な冒険」のエンディングにこの曲が使われていて、TikTokはそれををパクッたものだそうな。因みに「ジョジョ~」ってのは少年ジャンプで連載されている漫画で、キャラクターに70年代のロックバンドの名前がたくさん付けられているから作者はロック好きなのだろうけど、絵柄もストーリーも残念ながらまったく趣味じゃなかった。
子供の話によると、この動画が「バズった」のは去年の秋頃でもうピークは過ぎたらしいから、おそらく半年も経てばすっかり忘れ去られているだろう。でも今の中高生どもはイエスが何たるかなんて知りもしないだろうが、何年か経ってどこかの街角で「Roundabout」のイントロを聴いて「この曲は・・・!」と絶句する光景を想像するだけでもなんだか楽しい。

「Roundabout」は今更言うまでもなくイエスの代表曲。ライブでもハイライトナンバーとしてずっと扱われてきた。「Yessongs」でのリック・ウェイクマンのソロからの繋ぎも秀逸だったし、ギタリストがトレバー・ラビンに代わってもアンコールの定番であり続けた。先に紹介した9012Liveのビデオで本編に入れられなかったのは、スティーブ・ハウのイメージが強い曲だからかな。たしか「Talk」発表時の日本公演のアンコールで、ラビンが「Love Will Find A Way」のイントロを弾いたらクリス・スクワイアに諌められるという寸劇の後でしぶしぶ「Roundabout」を弾き出したなんて光景も思い出深い。1年前のイエス日本公演のアンコールも勿論「Roundabout」だった。
この曲のライブバージョンもいくつかあるが、自分にとっていちばん好きな「Roundabout」は「Classic Yes」に収録されたバージョンだったりする。

「Classic Yes」はイエスが空中分解した1981年に発表されたベストアルバム。編集ものでは「Yesterdays」もあったが初期のレアトラック集だったので、70年代イエスの代表曲を網羅したものとしては初めてのベストものだった。

1. Heart of the Sunrise
2. Wonderous Stories
3. Yours Is No Disgrace
4. Starship Trooper
5. Long Distance Runaround
6. The Fish
7. And You and I

(Bonus Tracks)
8. Roundabout
9. I've Seen All Good People

選曲はクリス・スクワイアが行なったらしいが、アナログLPの収録時間の制約の中で長ったらしい代表曲を収めるのは大変だったろうけどバランス良くまとめられている。僕がこのアルバムを買ったいちばんの理由はアルバムジャケット。青を基調とした色使いがなんとも幻想的で、ロジャー・ディーンの作品の中でも最高傑作。ボーナストラックはアナログ時代はボーナスシングル盤として同封されていたが、これが2曲とも良いのだ。1978年のライブとのことだが、ライブでのノリを意識してか、少しもっさりとした印象のオリジナルよりアップテンポで疾走感に溢れている。
CD時代になって長尺曲の制約も無意味になってしまったが、ジャケットとボーナストラック2曲でだけでもこのアルバムの価値はまだまだあると思うな。

(かみ)
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