下宿にあまり居着かなくなった私だが、たまにちゃんと部屋にいると、他の下宿人が訪ねてくることがあった。確率的にそれは、同じY田2の2階、つまり両脇の二人(のどちらか)である事が多かった。で、私がウキヨちゃんなど友達のアパートに行ってる間、両脇のマジマさんとシロキさんが親交を深めていたかというと、それが全くだったようだ。何故だろう、やはり人には相性というものがあるのか 。Y田1の二人は前にも書いたが同じ高校出身と言うこともあり、いい意味でのライバルでありながらも仲は良かった。
それに比べるとY田2の5人はてんでバラバラだった気がする。それぞれがそれぞれの生活を好き勝手に送っていた気がする。だけど、それなりに仲は良くて、程々の関係、をそれぞれ保っていた感じだ。
いつだったか、Y田食堂で夕飯を食べている時、その事を一緒にご飯食べてた人たちに言ったことがある。確か全員は揃っていなかった(と言うか、下宿の食事時間に下宿人七人が皆揃うことは自体ほとんどなかった)と思う。「なんか、、(Y田1の)二人と違って、うちら(Y田2の)5人て、みんな自由にそれぞれ好き勝手な事やってますよねえー」するとそれを聞いた、川の名前のついたSヅちゃんが、箸を動かすを手を止めてこちらをじっと見てこう言った。「○原女子、誰よりも一番自由に飛び跳ねてるのは、間違いなく○原女子ですよ😏。」その言葉にいち早く反応したのがY田1のOさんだ。深く頷き「そう、確かに。○原女子は、とっても自由ですね、本当に。そしてやたらと楽しそうだし。大学生活って、そんなに楽しい事ばかりなのですか?」と聞いてきた。多分真面目で勤勉なOさんには学生なのにまるで勉強してる気配のない私が不思議でならなかったのだろう。事実私は、あまり勉強はしなかったヾ(__*)。そして、まだ何も私が答えていないのに、マジマさんが話に加わる。「わあ、そんなに楽しいのですか、大学は!私も早く大学に通いたいです〜」いやいや、みなさん、私はまだ何も答えてませんよ。私にだって苦労はあるんです。と答えようとしたが、確かに自由で楽しい夢のような毎日を送っているからな。苦労と言えば、成績が悪い事くらいだもんな。(←実際薬大の勉強はキツかった😭。)
Sヅちゃんが続ける。「、、本当にうやらましい事です。Sヅはこの頃悩みが多くて、、」「Sヅちゃん、そうなの?」Oさんが今度はSヅちゃんに声をかけ、二人が何やら話し始めた。なんか、、私が自由人かどうか?という話題は私の答えを待たずして終わっちまったようだな。ホッとしたような物足りないような、なんか間抜けた時間が流れた感じ。仕方ないから必死でご飯を食べていたら、再度マジマさんが横から話しかけてきた「○原さん、私、本当に早く大学行きたいですー。それまでにお化粧ももっと、うまくなりたいです💄。」ああマジマさん、あなたのその純朴さか私は大好き。変わらないで。お化粧なんか覚えないで。そのままのマジマさんがいいよ。とりあえず、来年合格して早く大学に来てね。
突然奥からY田バンバ登場👽。「あら、今日は何だかにぎやかですね。あっ!○原さんじゃないですか!久しぶりですね!忙しかったですか。わたくし、毎日○原さんの分の食事もちゃんと準備してたんですよ。」「すみません😞本当にすみません」ひたすら謝り、早めに退散した💨。何だかY田バンバに会うといつも何故か謝ってる気がする。何だかなあ、、。確かに私はY田食堂でほとんどご飯食べてないもんなあ。でも、仕方ないよな、、。友達のアパートで自由気ままに過ごす方が断然楽しいんだもん。だいたいにして、なんだってお母さんはアパートじゃなくて下宿にしたんだろう、相談もなく
。あれこれ考えているとノックの音が響いた。誰だろう、、まあ、マジマさんかシロキさんかウキヨちゃんしかないんだけどね。戸を開けるとやっぱりそうだった。シロキさんだ。そう言えば、シロキさんも時々食堂にご飯食べに来ない事があるってバンバが不満たらたらな様子で言ってたな。私みたいに出かけるわけでもなく下宿にいる事が多いのに、何故だろう。まあいいか。「サツコ、今日はいたのね。」きれいなシロキさんに名前で、しかも呼び捨てで呼ばれると、なぜかドキドキする(。><。)。そのままシロキさんの部屋に招かれ、とびきり美味しい紅茶☕とシフォンケーキをご馳走になった。ああ、シロキさんの部屋って、何だかやっぱり特別(*´∀`*)。私を含む他の下宿人の部屋とはまるで違うの❦。アパート暮らしのような家財道具の充実ぶり。電気ポットしか持ってない私とは大違いだわ。北海道の、不動産屋さんの娘さんらしい。お金持ちなのね、きっと。他愛ない話をしたあと「ねえ、ところでサツコは、今日はあのお婆さんのご飯を食べたのね?」「はあ、まあ。あまり下宿でご飯食べてませんねって、Y田ばあさんに言われましたー('👅')。」「あらそうなの?私も実はあのお婆さんのご飯食べない時あるのよ」私、内心→(はい、知ってます、ほとんど食べてませんよね、知ってる知ってる〜)しかし「えっ!?どうしてですか!」と驚いたフリをする。「だって、、質素なんだもん」ギャー、出たあ!プリンセスシロキのきつい一言。「質素、ですか?」「質素よ!すごく質素。それに、特別美味しいってわけでもないし」またまた、キツイ1発🥶。シロキさん、ハッキリしてるなあ。ある意味かっこいい。「だからデパートから買ってきたり、食べに行ったりしてるのよ。その方が美味しいんだもん(◍•ڡ•◍)」シロキさんたらー、やっぱりお金持ちっ。羨ましい。しかし、ここでフと思った。゛Y田バンバのご飯、けっこう美味しいのにナア、、。“だが黙って話を聞く。「それで、私もこの間お婆さんから注意されちゃった。部屋にいるならご飯食べてくだいって」そりゃそうだ、ここは賄い付きの下宿だもん。自分も余り下宿で食べてない事を棚に上げ、バンバの肩を持つ。ただし心の中で😁「そうでしたか。まあ、私もしょっちゅう注意されてますから、、」「うふふ、一緒ね。あの婆さん、結構口うるさいものね」うわ、、ついに三度目のギャーだ。口うるさい、と来た。
続く
次々と何かが起きる展開が、(当然の事ながら)私の未経験の事ばかりで、読んでいる本の中に吸い込まれていく様な気になる。登場人物をよく観察していたのは当然の成り行きだと思うけど、よく見ていたね。
八重山で(行ったり来たりの4年間)を過ごした時に書いた旅日記と比べると、(これまた当然の事で)読み物として、読み易いのでスピード感が臨場感を覚えさせる……そんな気に気にさせる。だから続きを待ち侘びるんだねえ〜。紙芝居みたいに、いいところて終って『続きはまた明日』みたいな書き方はブログには合ってるのかもしれない。
そんなわけで、続きの掲載を待ってるヨ〜。
いい経験をしていたんだねぇ〜。