ピンギン

トコトコと
近くに寄って来て
足元で
じゃれていたと思ったら
不意に頭のピンを
肛門めがけて
突き刺してくる。

いわゆる
「かんちょぉぉぉっ!!」
というやつだ。

悪気はなく
そうする事が
彼らの愛情表現なのだが
出来れば
御免こうむりたい
ものである。

「こらこらこら!」
「後ろに回りこむんじゃないっっっ!!」

へるめっタケ

森の奥小学校
1年　マッシュ組
出席番号　135番

【へるめっタケ】


高度経済成長を支えた
工事が命のタケ。

現在は
偽装だの談合だので
めっきり
その株を下げてしまい
冷や飯を食わされている。

・・・と思いきや
ゴキブリ並の生命力で
今日も何処かで何かの工事を
やり続けているのであった。

特に
年度末になると
血が騒ぐらしく
一斉にあちこちの地面を
穿り返しはじめる。

ねんどタケ

森の奥小学校
1年　マッシュ組
出席番号　134番

【ねんどタケ】


何者かに
散々いじり回された挙句
最後は訳のわからない
ぞんざいな形のままで
放りっぱなしにされ
忘れ去られようとしている
悲劇のタケ。

犯人は
いったい
何を作りたかったのか…
そして
その思惑は上手くいったのか…
なにより
完膚なきまでに
ぐちゃぐちゃにして
立ち去ったのは
何故なのか。

謎は
日本海溝よりも
深いのであった・・・。

温暖カー

産業革命とともに
この世に現れ
火を燃やしまくり
ガスを撒き散らかしつつ
人々の耳元で
「べんりだぞぉ」
「らくだぞぉ」
と囁き続け
まんまと大繁殖を遂げた妖怪。

人が“欲”を制御できない限り
温暖カーは増殖しつづけるのだが
今のところ
彼らの未来はバラ色である。

駄チョコ

高級チョコや
手作りチョコなどの
いわゆる
“本気チョコ”とは
明らかに一線を画される
駄菓子チョコたちの楽屋裏。

「あ～あ 俺たち
また今年も
ばら撒かれちまうのかなぁ」

「どんなにガンバっても
所詮“義理”にしか
使われないんだよなぁ」

「まったく
チョコを差別するなってんだよな」

「“チョコの上にチョコをつくらず”って
　ありゃあ嘘っぱちだな」

「ぼやくな　ぼやくな
　ほらほら出番がきたよ」

「よぉしぃ!　それじゃ
気合を入れて行きますかぁ!!」

たとえ“義理”でも
駄チョコたちは
いつも“本気”で
頑張っているんです。

そうだったのか・・・

問題発言で連日大人気の
柳沢厚生労働相。

自分の思想信念に基づく発言が
間違っていないと思うのなら
謝罪も辞任もする必要はなく
むしろ
何と言われても徹底して
自己の正当性を主張し
争うべきだが
思想信念に非がある事を
自ら認め
謝罪した以上は
潔くその立場を辞するのが
思想信念を以ってその生業とする
政治家の正しい姿ではなかろうか。

いつまでも
必死にポストにしがみ付いていると
「よほどオイシイ事があるに違いない」と
勘ぐられるのが関の山である。

・・・あっ!
確かオイシかったんでしたね。

こりゃまた
失礼しましたぁ～っ。

おやかタコ

おい!　おいっ!
なに凹んでんだいっ!!

まったく
いい若いもんが
ショボクレてんじゃねぇよ!

今日は今日
明日は明日の風が吹くんでぇ!

人を泣かさず
明るく真っ正直に生きてりゃあ
どんなことでも
なんとかなるもんだ!!

チマチマ
小さなことを
気にすんじゃねぇよ!

えっ
おいらの足が
かじられてるって!?

へ～き!　へ～き!!
小さなことを
気にすんなって
言ってんじゃねぇか
このタコ!

ももだろう

あそこを行くのは
桃じゃないのか…?

いくらなんでも
あんな大きな桃は
ないだろに。

だけど
姿かたちは確かに桃だ。

しかし
桃が歩くはずないだろに。

いやいや
あれを桃といわずに
何という・・・
どう考えても“桃だろう”。

・・・お粗末!!

まめまいタケ

森の奥小学校
1年　マッシュ組
出席番号　133番

【まめまいタケ】


節分になると
狂ったように
豆を撒き散らかして
大騒ぎするタケ。

冷静に見れば
尋常でない行為だが
周りの人々は
彼の行動を見て
「“まめまいタケ”が豆撒いてるよ」
「ああ…春が近いんだなぁ」と
しみじみしている。