sepak鳥in札幌→函館→札幌

北海道から、鳥や虫や植物のこと・セパタクローのことを気長に書いていこうと思います。

松前の事故現場を見てきました

2006-12-14 | その他
12月6日に発生した道南・松前での重油流出事故
12月9日に現場を見てきました。



既に日本野鳥の会南檜山支部の方々によって付近の海岸は踏査されていて、
鳥の死体の漂着ないということだったので、
我々は主に、海岸に生息する鳥類(主にカモメ類)に汚染した鳥の有無を調べた。

松前郡松前町の館浜漁港~札前漁港~静浦漁港~清部漁港という順番に調査した。
他にも海岸でカモメ類が集まっているところでは可能な限り調査した。
全体的にカモメ類は非常に多く個体の入れ替わりも激しかったため、
把握できていない部分はかなりあったように思う。

カモメ類の全体数はカウントしていないが、
オオセグロ、ウミネコ、カモメ、セグロの順で個体数多く、
その他にワシカモメ、シロカモメ、ユリカモメなどが少数観察された。


油に汚染されたカモメは複数観察された。
全体のカモメの数からすれば大した数ではないかもしれないが、
それでも汚染された鳥がいたことは事実。
早急な流出油の回収が望まれる。


【静浦漁港】


【上と同一個体】

胸から下尾筒におけて汚染されている。
汚染状況から、海面に浮いていた重油の層に着水して汚染したと考えられる。
もしこのような汚染個体が水面に浮かんで休息している場合、
汚染状況を把握するのは難しいのではと感じた。


【清部漁港】

顔と下尾筒の一部に重油が付着している。
汚染状況から、海面すれすれを飛翔中に重油が混じった海水の飛沫を浴びたのであろうか。
同所では、同じような汚染状況(下尾筒の一部に重油が付着)のオオセグロカモメ成鳥がもう1羽観察された。


他にも下の写真のような個体が複数観察されたが、
これは油による汚染なのだろうか??
それともたんに羽がぬれているのだろうか??




他の鳥類に関しては、カモメで手一杯だったため充分な調査は出来なかった。
ただし、岸近くにはウ類、シノリガモなどが多く被害が懸念された。
特にウ類が個体数が多く、もし油で汚染されていてもその体色から見逃される可能性が高い。

また天然記念物であるコクガンも付近の海上で観察された。
コクガンは海藻を好んで食べる鳥である。
付近の住民によると、今回の事故による海藻類(海苔)漁業への被害は深刻だそうだ。
つまり、油に汚染された海藻をコクガンが食べるという2次災害もありえるのではないだろうか??


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4 コメント

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お疲れ様 (KUWAKIRA)
2006-12-10 16:51:23
寒い中お疲れ様でした。
それにしても生々しい写真ですね。。。。すでに汚染されたカモメが結構居るのですね。。。早いな。これ以上被害でないで欲しいです。
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Unknown (クラ@函館)
2006-12-11 15:35:24
>KUWAKIRAさん
カモメ類は非常に多く、やはり被害がでてしまいました・・・
これ以上被害が広がらないためにも、油の回収などの対策を打ってほしいものです。
それにコクガンやウ類、シノリガモなどへの影響も心配です。

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Unknown (佐藤@函館)
2006-12-12 17:07:04
海岸の砂の中に染みこんでいるのはどうするんだべか。
細かい分小石の浜より厄介そう。

海が荒れたら沖に浮いている油がまた押し寄せるかもしれないし困ったもんだ。

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Unknown (クラ@函館)
2006-12-12 21:48:29
>佐藤@函館さん
海岸に漂着した油は厄介ですね。
回収しにくいだろうし・・・
時間が経てば物理的に粉砕されて、油がどんどん小さくなっていくって話は聞いたことありますが、
時間がかかっては意味がないですよね・・・

他には“バイオレメディエーション”って方法で石油が好きな微生物を利用して、油を分解してもらうってのもありかもしれませんね。
詳しくはよく分かりませんが・・・

まだ油は海に漂流しているんですか・・・?
てか船からの抜き取りもまだなんですかね??

情報がなかなか入ってこなくてもどかしいです。
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