sepak鳥in札幌→函館→札幌

北海道から、鳥や虫や植物のこと・セパタクローのことを気長に書いていこうと思います。

マグロについて思うこと

2006-12-12 | その他
水産学部らしい話題でいきます。

最近何かと話題のマグロの漁獲制限。
確かに食卓からマグロが消え、回転寿司からマグロが消えるのはとてもじゃないけど耐えられません・・・

マグロの漁獲方法の一つに「延縄」というものがあります。
「延縄」とは全長150kmにも及ぶ縄に約3000個もの釣り針を付け、
針に餌(イカや小魚)を付けて船で引くという方法です。

今日のニュースステーションでコメンテーターの方が、
「延縄は他の漁獲方法と違い、マグロ以外の小さい魚を一網打尽にすることが無くて、資源量を必要以上に減らさない良い方法だ」
と話していました。

確かにその通りです。
漁業では有用魚(売れる魚)以外は船上や漁港で捨てられてしまいます。
これはまったくの無駄です。
それを未然に防ぐ方法として“延縄”は有効だと言えます。


しかし“延縄”によって、マグロなどの漁業資源以外に物凄い数の命が無駄に奪われているのを皆さんはご存知でしょうか??

その命とは海鳥です。

いわゆる「混獲」というものです。


【コアホウドリ】

写真のアホウドリ類を筆頭に、ミズナギドリ類、ウミスズメ類などが被害にあっています。

彼らには針に付いた餌が自分たちの“餌”に見えてしまうようです。

それも無理はありません。
彼らの餌は小魚やイカ、プランクトンです。
目の前にイカや小魚がいたら、ガブっといってしまうでしょう。
そしてそれには針が付いていて、針が嘴に刺さり、
海中に引っ張られて、最終的には窒息死します。

毎年どれくらい犠牲になっているか正確には覚えていませんが、凄まじい数だったということを記憶しています。

マグロの漁獲の影にはこういった犠牲があることを、
みなさんには是非知ってもらいたいと思い、こうして書いてみました。



最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
なるー (KUWAKIRA)
2006-12-13 18:47:01
凄い勉強になりました。目からうろこ。ニュースバカ信じて“延縄”は良い、なんて思っていると本当にバカみますね。うーんあっちを立てるとこっちが、状態。

某有名先生がマグロについて記事を頼まれ、マグロを食べずにサバやサンマをもっと食べろ、って書いたらボツになったそうな。まぁ日本人はマグロ好きだからなぁ。
でもこれはある意味日本の水産業界のチャンスだと言っていました。

そうそうこの前、回転寿司に行ったら、マグロは1つも流れてこなくって注文しないと出てこなかったよ。

マグロの問題はたいへん興味あるので、今後も「水産の目」で辛口コメント期待しています。
返信する
今日の授業で・・・ (クラ@函館)
2006-12-13 22:21:50
マグロ資源を取り巻く現状は、予想以上に厳しいようです。

BSEや鳥インフルエンザによって水産資源に注目が集まる中、今回のマグロ資源枯渇を懸念しての漁獲量制限。
加えて中国では富裕層が増え、高級料理である魚介類への需要が高まっています。マグロも例外ではありません。
今まで日本が輸入(日本のマグロの6割は輸入)してきたマグロがどんどん中国に流れているようです。
中国はターゲットが富裕層ですから、高くても買います。一方日本では庶民の料理です。
当然売り手は高く買ってくれる客(中国)に売ります。

という感じです。
マグロを安く食べるには今がラストチャンスかもしれません!!
返信する