時期的にちょっと遅いかなぁって思いましたが、今航海では多数のハジロミズナギドリを観察する機会に恵まれました。
観察した海域はだいたい北緯40度以南で、多かったのは北緯38度から39度付近でした。
陸地からは200km以上離れた外洋域です。
ハジロの特徴はなんと言っても翼下面の白色部ですね!
ってことっでもう一枚。
2個前の記事でも触れましたが、風が強い日に頻繁に飛ぶのは興味深いです。
ウミツバメ類もそうですし、アホウドリ類もそんな感じがします。
ミズナギドリ類は風を利用して低コスト(はばたきを減らす)で飛翔距離を稼ぐ「ダイナミックソアリング」という飛び方を進化させてきました。
風がある日は風を利用して低コストで採食範囲を拡げる戦略、風がない日は「sit-and-wait戦略(洋上を漂って、餌が流れてくるor自分が餌に出会うのを待つ戦略)」を使い分けているのかもしれません。
少し脱線しましたが、続いては上面を・・・
この写真だと光が当たっているので茶色っぽく見えますが、個人的には灰色がかった上面もお気に入りです。
比較用に、ちょっと似ているフルマカモメを同じような条件で撮るとこんな感じです。
フルマも光線の具合によってはかなり黒っぽく見えますが、同じ条件で見るとかなり黒味が乏しい事がわかります。
話はちょっとかわって・・・
1990年代後半くらいから、「9月の三陸沖ではハジロミズナギとカワリシロハラが、釧路沖でミナミオナガがよく出る」という噂がありました。
実際に僕が小6の9月後半に今は亡き釧路航路に乗った時には、ハジロ15羽、カワリシロハラ10羽、ミナミオナガ15羽くらいを観察したことになっています。
しかし最近少し思うのが、「本当にカワリシロハラだったのか!?」ってことです。
ハジロミズナギを観察していると、頻繁にこのような個体を見かけます。
これは一見(特に遠くから見ると)上面に白いフラッシュがあるように見えます。
でも良く見ると、これは初列風切のP6かP7あたりが抜けて、一枚外側の初列風切の内弁が見えているだけです。
風切羽は上面・下面で一枚しかないのに、下面のみ白い模様になるのはなんでだろうなぁって不思議に思っていたのですが、ハジロミズナギの換羽中の個体を見てわかりました。
初列風切の外弁が黒くて、内弁が白かったんですね。
ってことで換羽個体の上面をもう一枚。
ちなみに下面はこんな感じです。
話を元に戻して、今となっては当時の事をほとんど覚えていないので何とも言えないところではありますが、
カワリシロハラだと思っていた個体はこんな感じだったような気がしなくもないです(^_^;)
最近はデジタルカメラが発達して、外洋性の海鳥の写真が世に出回るようになりました。
それに伴い、アシナガウミツバメやクロウミツバメが銚子沖に飛来していることがわかってきたりしました。
一方で、昔噂が多かったカワリシロハラやコミズナギドリの話を聞かなくなった気がします。
僕も7月の釧路航路でコミズナギドリを見た事になっているのですが、今思うと「???」って感じです。
アナドリだったような気もしないでもないのですが、今更議論しようがない話ではあります・・・
観察した海域はだいたい北緯40度以南で、多かったのは北緯38度から39度付近でした。
陸地からは200km以上離れた外洋域です。
ハジロの特徴はなんと言っても翼下面の白色部ですね!
ってことっでもう一枚。
2個前の記事でも触れましたが、風が強い日に頻繁に飛ぶのは興味深いです。
ウミツバメ類もそうですし、アホウドリ類もそんな感じがします。
ミズナギドリ類は風を利用して低コスト(はばたきを減らす)で飛翔距離を稼ぐ「ダイナミックソアリング」という飛び方を進化させてきました。
風がある日は風を利用して低コストで採食範囲を拡げる戦略、風がない日は「sit-and-wait戦略(洋上を漂って、餌が流れてくるor自分が餌に出会うのを待つ戦略)」を使い分けているのかもしれません。
少し脱線しましたが、続いては上面を・・・
この写真だと光が当たっているので茶色っぽく見えますが、個人的には灰色がかった上面もお気に入りです。
比較用に、ちょっと似ているフルマカモメを同じような条件で撮るとこんな感じです。
フルマも光線の具合によってはかなり黒っぽく見えますが、同じ条件で見るとかなり黒味が乏しい事がわかります。
話はちょっとかわって・・・
1990年代後半くらいから、「9月の三陸沖ではハジロミズナギとカワリシロハラが、釧路沖でミナミオナガがよく出る」という噂がありました。
実際に僕が小6の9月後半に今は亡き釧路航路に乗った時には、ハジロ15羽、カワリシロハラ10羽、ミナミオナガ15羽くらいを観察したことになっています。
しかし最近少し思うのが、「本当にカワリシロハラだったのか!?」ってことです。
ハジロミズナギを観察していると、頻繁にこのような個体を見かけます。
これは一見(特に遠くから見ると)上面に白いフラッシュがあるように見えます。
でも良く見ると、これは初列風切のP6かP7あたりが抜けて、一枚外側の初列風切の内弁が見えているだけです。
風切羽は上面・下面で一枚しかないのに、下面のみ白い模様になるのはなんでだろうなぁって不思議に思っていたのですが、ハジロミズナギの換羽中の個体を見てわかりました。
初列風切の外弁が黒くて、内弁が白かったんですね。
ってことで換羽個体の上面をもう一枚。
ちなみに下面はこんな感じです。
話を元に戻して、今となっては当時の事をほとんど覚えていないので何とも言えないところではありますが、
カワリシロハラだと思っていた個体はこんな感じだったような気がしなくもないです(^_^;)
最近はデジタルカメラが発達して、外洋性の海鳥の写真が世に出回るようになりました。
それに伴い、アシナガウミツバメやクロウミツバメが銚子沖に飛来していることがわかってきたりしました。
一方で、昔噂が多かったカワリシロハラやコミズナギドリの話を聞かなくなった気がします。
僕も7月の釧路航路でコミズナギドリを見た事になっているのですが、今思うと「???」って感じです。
アナドリだったような気もしないでもないのですが、今更議論しようがない話ではあります・・・
翼の白斑も鮮やかに洋上を飛ぶ姿が素敵です
海鳥たちは風の力を巧みに利用して飛んでいるのですね!
確かに風がある方が低コストで飛べますものね。
「ダイナミックソアリング」と「sit-and-wait戦略」大変勉強になりました。
光が当たると上面の色が違って見えるのも面白いです♪
同じ条件でもフルマの方が白っぽく見えるのですね。
ハジロミズナギドリはカワリシロハラミズナギドリの暗色型とよく似ていることが分かりました。
白いフラッシュに見えるのは初列風切の欠損。 換羽中の個体なのですね。
上面と下面、よく見なければ間違えます。
海の上でひらひら飛んでいる個体を識別するのは至難のわざ(;_;)
やはり慣れないと無理でしょうね。
ですが、違いを頭に入れておくことは大事だと思います。
デジカメの普及は本当にありがたいですね!
実際に見たことがなくても、ここまで勉強できるのですから。
海鳥の研究はまだまだ始まったばかり。
文明の利器を大いに利用して生態を解明していって頂きたいです。
(もう少し国や大企業がお金を出してくれるといいですね)
経験を積んでいくと、もしかしてあの時のは・・・と思うことがありますね(^o^)
でも、これでアナドリとコミズナギドリは間違えやすいことが分かりました。
今日はとても面白くて参考になるお話しを聞かせて頂き、楽しかったです♪
さてハジロミズナギですが釧路航路の時代には塩屋崎沖で大きな群れの記録がありますが、その後に100羽以上見られているのは悪天候の津軽海峡あたりのようです。ハジロの出現海域はそのときの海流図でみると暖流の潮目のようです。八丈島近海も秋のハジロは良く出現します。1999年あたりはこの辺の親潮が茨城沖まで来ていて、アナドリやオーストンも結構見れていました。だから記録の変化は鳥の生態が変わったのではなくて、航路ルートと海流の影響でしょう。
残念なことですが、カワリシロハラについては低い海面を飛ぶトウゾクの誤認も多いようです。昔は光学機器も貧弱でしたから海鳥全般に誤認は多かったと思います。アシナガウミツバメも見逃されていたのでしょう。海鳥は最新機材の写真判定でも難しいことが多いです。北海道航路で確実にカワリと思える記録は7月から8月で、小笠原方面では9月10月にカワリが見られていますから絶対ではないですが、ハジロとカワリが同じ時期の同じ海域にいる可能性は低いのではないでしょうか。
こんにちは!
ハジロミズナギを含めたPterodroma属(シロハラミズナギドリ類)は外洋性の種類が多いですね。
嘴を見るとウミツバメに近い印象です。
彼らが目印のない洋上でどのようにえさにありついているのか・・・とても興味深いテーマだと思います。
風を利用した2つの採食戦略・・・現在の技術で十分に検証可能だと思います。
つまりGPSデータロガーと衛星画像を用いた風の分布を検証すれば・・・という感じです。
もう既に検証されているかもしれませんが(^_^;)
そんな論文を見つけたら紹介しますね。
こんにちは!コメントいただきどうもありがとうございますm(__)m
さてさてハジロの昔の記録ですが、大変興味深いです!
今航海では、ハジロは親潮と黒潮の縁の黒潮側(つまり水温が高い側)に多かったような印象があります。
表面水温で言うと、14度(親潮)と18度(黒潮)の境目の高温側です。
でもこれも風の有無で結果がかわるかも・・・とも思います。
秋の北日本太平洋側は黒潮と津軽暖流が卓越しています(もちろん年変化が大きいです・・・)。
これらの暖流域と親潮の寒流の境目にいるのかもしれません。
フェリーなどからの観察情報と水温分布を地道に照合していけば検証できるかもしれませんね!!
ハジロとカワリシロハラの記録の対比は面白いです!
この辺の外洋性の海鳥の分布を含めた生態はわからないことだらけなので、
我々は地道に洋上で観察記録を蓄積するのことが大事のように思います。
僕自身は研究の関係もあり、夏-秋の北海道沖と津軽海峡以外での観察経験がほとんどありません。
他の海域、例えば小笠原や伊豆諸島での観察記録もとても興味深いです。