このバイク良くね?
きっかけはたまたま友人からのLINEメッセージ。BMWのバイクはボクサーツインと言う固定観念に縛られて、25年間もビーエムに乗って来た自分にとって、S1000XRはノーマークだった。幾度とショップで見かけたことはあったが、4気筒のチェーン駆動のバイクには正直言って、眼中には無かった。返事は、良いバイクなんじゃないと軽く返事を返しておいした。しかし、しばらくしてちょっと待てよ、乗ったことも無いのに良いバイクなんて無責任に言って良いのかと言う自責の念に駆られ、とりあえず試乗はしておこうと、ディラーに電話をかけて試乗の予約を入れた。
試乗当日、試乗車のS1000XRを目の前にして失礼だが、正直あまり気は進まなかった。キーレスボタンでエンジンは一発で目を覚まし、ゴーゴーとアイドリングを響かせる。そういえば30年前は、自分はカワサキのリッターバイクでブイブイ言わせていた時期もあったっけ? 若い頃の記憶が蘇って来た。さっそく跨り、一速に入れてクラッチを繋いで走り出す。ずいぶん大きな車体だけど走り出すと軽い。えっ、4気筒のリッターバイクってこんなに軽かったっけ。。?? 操作感覚は恐ろしく軽い。なんじゃこら。Uターンも楽々。クラッチのオートシフターもはじめての経験。この瞬間、40年のバイクの進化と自分が歳をとってしまったことを瞬時に悟ってしまった。一番驚いたのは、性能というよりも、ゆったりとしたライディングポジションと見晴らしの良さ。ひたすら猫背にして小さなバイクにしがみついて走る類のバイクのイメージとはまったく違う。このゆったり感は、還暦前の爺ライダーには心地が良い。わずかな時間の試乗だったけど、見るのと乗るとではこれほどイメージが違うのか? 毎度のことだけども、乗らなきゃ分からない。そんなこんなで、気がつけば試乗から1ヶ月もたたないうちに、バイク屋から、納車の準備ができました。。。と連絡が来た。ミイラ盗りがミイラになった瞬間である。
つづく