にわか日ハムファンのブログ記念館

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本物の商売人に噛みつかれた札幌市の「殿様商売」:ファイターズ、ドーム命名権売却問題で市に抗議

2011-01-12 23:52:36 | 北海道日本ハムファイターズ
■ 「札幌ドーム」の命名権売却 日ハムが「市に疑問」(道新・2011年1月12日)
■ 日本ハム:ドーム名称選定に球団も入れよ…札幌市に抗議(毎日・2011年1月12日)

 札幌ドームの命名権売却の受け付けが始まりました。
 私も世界日本ハムさんのエントリ経由で札幌市が公表した募集要項(PDF)を見ましたが、その条件には正直なところ首をかしげざるを得ませんでした。
 金額が年5億円以上で期間が5年間以上というだけでも強気に過ぎると思うのですが、さらには「札幌ドーム」の名称を分割せず名称に含むことを条件とするなど、よくここまで要求できたものだと逆に感心しました。
 さらにここへ来て、命名権売却に関して事前の説明がなかったということで、ファイターズ球団から抗議文が出される始末です。しかもこれが二度目といいますから、球団も腹に据えかねているのでしょう。
 にもかかわらず、札幌市側は抗議を受け止めるつもりはないようです。それどころか、上記道新の記事では「ご理解いただいていると認識している」という不可解なコメントすら出しているのです。
 命名権を売却するのは確かに札幌市ですが、だからと言って売却は市だけの問題ではありません。札幌ドームを本拠地とするファイターズ・コンサドーレに影響がないわけがないからです。
 むしろ買い手の側からすれば、両球団を通じて自分たちの名前・ブランドを広報できるからこそ、命名権を購入するメリットがあるわけです。
 だとすれば、球団を無視して勝手に命名権を売却することが有益とはとても思えません。
 まして、(どの程度本気かは不明ですが)球団が名称を使わないとなれば、宣伝効果はガタ落ちです。いや、ケチのついた命名権を買うことは、買い手にとって自らのイメージダウンにつながる恐れすらあります。
 そうである以上、高額の対価を長期にわたって要求して、はたして本当に買い手がつくかはかなり疑わしいと言わざるを得ません。
 にもかかわらず、上のような条件も、ファイターズ球団に対する態度も改める気配がないあたり、札幌市の認識の甘さを感じます。まさに殿様商売、士族の商法です。
 対照的なのが千葉マリンです。こちらも来シーズンに向けて命名権を売却しましたが、事前に千葉市側がマリーンズと交渉し、承諾を得た上で命名権取得企業を募集しています(サンスポ・2010年10月21日)。
 また、売却先が決まった時には市・球団・取得企業が発表の場に揃っています(マリーンズ・2010年12月27日)。札幌市には期待すべくもない態度ですが、どちらの方が摩擦が少ないかは一目瞭然でしょう。
 さらに、札幌市のコメントで私が一番問題視しているのは、上記毎日の記事で、「今後も外部を入れる予定はない」と、球団を部外者呼ばわりした点です。
 ファイターズは北海道との「共生」、最近では「共創」をうたっていますが、上のコメントを読む限り、札幌市は球団を「他人」としか見ていないように読み取れます。
 はたして、それでいいのか?ファイターズからすれば、現実として(少なくとも当分は)札幌ドームを本拠とするしかありません。それで札幌市が足元を見ているのかどうかは、証拠がないので何とも言えません。
 ですが、どうせ出て行かないからとタカを括っていたら、いずれ何らかの形でしっぺ返しは喰らうことでしょう。
 もちろんファイターズが簡単に札幌を放棄するとは思えません。ですが、それで安泰とも言えません。
 例えば、(この辺はドサンコさんのエントリが詳しいのですが)、ファイターズは藤井社長の下、ドームを経由しない、ドームに足を引っ張られない物品販売などのビジネスを育ててきました。
 次期津田社長も、日本ハムグループで営業畑を歩んできた人物です。藤井社長と同じく、まさに本物の商売人です。
 彼らが努力をする間、ただあぐらをかいていたら、ファイターズの本拠地のままなのに、売り上げが減っていくことだってあり得ます。というか、すでに起きているのかも知れません。
 そうなってからでは遅いわけで、札幌市もドームもいい加減考えた方が良い。命名権売却募集の結果は、ちょうど良い機会になりそうに思えます。


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