Me&Night&Music…JAZZとお酒で素敵な夜を…

ジャズ&ブルースシンガーのローズが、好きなお酒と音楽について気ままに語ります。独断と偏見に満ちたウンチクも満載!

Autumn Leaves

2007-11-17 00:02:11 | Weblog
朝晩の冷え込みが厳しくなってきましたね。
そろそろ御堂筋のイチョウも黄金色に色づくでしょうか。

こんな季節にふさわしく、今日は名曲「Autumn Leaves」(枯葉)を
ご紹介しましょう。


「窓辺に舞い散る 落ち葉
 紅く 黄金色に輝く秋の葉

 あなたの唇が目に浮かぶわ
 夏の日のくちづけ
 日焼けした手を握り締めていた

 あなたが去って 日は永くなって
 やがて 冬の歌が聞こえてくるでしょう

 でもね、あなた
 こんなときこそ あなたが恋しくなるの
 枯葉が 舞い落ちはじめたこんなときになると… 」


'47年に作られたシャンソンの名曲です。
'50年にジョニー・マーサーが英詞をつけて、英語でも歌われるように
なりましたが、ジャズのスタンダードとして定着したのは、やはり
マイルス・デイビスの「SOMETHIN' ELSE」での名演のおかげでしょう。
(名盤「SOMETHIN' ELSE」は、キャノンボール・アダレイのリーダー作
 ですが、実質はマイルスのアルバムと言っていいものです)
あの印象的なイントロに絡んでくるマイルスのフレーズは、落ち葉の季節
になると耳に蘇ります。

洋の東西を問わず、落ち葉の舞い散る様子は、人を切なくさせるんですね。
過ぎた夏の恋をいくら想っても、去って行った時も恋人も取り戻せはしない。
わかっていても、舞い落ちる枯葉を眺めては吐息をもらす…
一枚の絵のような曲です。
さすが恋の国の歌・シャンソン!
(…って、おフランスに行った事、ないんですけどね)

当然、バラードで演奏されるのが普通です。
許せるのは、極力抑えたミディアム・スウィングまで。
ウキウキ跳ねるようなスウィングで演奏していたら、曲の想いがわかってない
ってこと。
その常識をひっくり返すのがサラ・ヴォーン。
初めて聴いた時は「どこが枯葉やねん!」と突っ込みを入れてしまいました。
でも、サラはわかっているんです。だから、全編高速スキャットでぶっ飛ばす。
歌詞を歌えば、成立しないから。
サラのスキャットは、すごいです。すごいの一言です。
でも、やっぱり「どこが枯葉やねん?」 私にはわかりません…


窓辺に舞い散る落ち葉を眺めて、切ない気分に浸りたいなら、マイルスのインスト
バージョンをぜひ。
そんな時には、紅葉色の赤ワインはいかが。
ちょうど新酒(ヌーヴォー)の季節でもありますしね。
ただ、あんまりあっさり味ではなく、ちょっとタンニン(渋み)の効いたもの
でないと、この曲の気分には合わないかも。