子どもってすばらしい。
12日のことだった。
ずいぶん昔のことのように思えるから、
まだ2週間前のことだなんて
今知ったとき、とっても不思議な感じがする。
私たちの心の流れは
いったいどんな時間の仕組みになっているのだろう。
いくらあがいても変わらない、
人と平等なのが時間なのだけれども、
とても同じ時間を生きているようには
感じられない私たちがいる。
2学期始まってすぐの、
12日。
りおんは学校から帰ってきてしまった。
ランドセルも何もかもそのままにして、
からだだけ、不安なまま
5時間目はじまったあたりで
家へ帰ってしまったのだった。
ブログの12日は、とめどもないことが書かれている。
確か、こんな事件が起きる前に
送信したものであろう。
次の日13日のブログはない。
ブログに登場できない日は、きまって
ものすごい葛藤の渦の真っ只中に
いる場合なのです。
その葛藤を書くことはエネルギーが要ります。
それに、つぎからつぎへと
でてくるのです。問題が・・・。
やっと今ここで、書こうと思った理由に、
おととい岐阜であった、教育基本法の
話しの中にヒントがある。
いわゆる、教育基本法なんて難しそうな話ではなく、
とても身近に子ども自身が感じるすべてのことだと
私がとらえ、そう感じ、これからやろうとすることへの
エネルギーと燃え出したきっかけなのである。
もちろん、その話でなくても今
日々問題だと感じる中で、なんでも
どんなことでも、今はヒントとなるのかもしれないけれど。
12日なにがおこったか。
その日は6時間授業だったので、4時にお迎えに行くことになっていた。
「おかあさーーん」
泣きながら電話をしてきたりおん。
時計は2時半。
どこから?学校から?
鳴き声で電話がかかって
冷静でいられるわけがない。
あらゆることを想像する。
泣いているから、話がわからない。
とにかく、家にいるということだけわかった。
「すぐ行くから、待ってて」
そういって、すぐにはいけない。
気持ちがすぐにいけないのだ。
その日は、店も私一人の日で、締めなければいけないし、
火も鍵もだいじな片付けもし、
お客様とのだんどりの連絡もし、
「飛んでいける」状況ではない。
何かをやりながら
頭の中はパニックだった。
時間だけは刻々とすぎる。
15分~20分、くらいのことだろうが、
それはとてつもなく長い時間に感じられた。
学校から電話がなぜかかってこないんだろう・・・。
3時からの業者との打ち合わせも
すっかりわすれ、3時前には店を出た。
行動は落ち着いても、心はあわてているのが自分でもよくわかる。
今日起きた事件ではないだけに、
過去のことから、さかのぼり、想像をする。
「聴こう。帰ったら本人に聞こう。」
それしかないんだけれど、そんなふうには思えない自分もいる。
家に着いた。
りおんがいなくなって30分は経っているだろうが、
まだ連絡もない。
これもまた、とても不安にさせる。
とにかく、お布団に二人で横になり
泣くのが落ち着いてから
静かに話しはじめた。
その内容は、
「おまえ、プロレスラーの○○に似とるなあ。」
と1学期にも、男の子が集団でりおんに
つめよった、だいたいはじめにつっかかってくる
T君。
その後、このT君との関係は、
「さわるな!」「けがれる!」
から、次第に肩をぽんっとたたいたり、
気持ちをぼそっとつぶやいたり、
一緒にいたずらしたり、笑いあったりと
素直な面が見えてきたところだったので、
T君独自の口の悪さはそう気にならないりおん。
そこへ、違う男の子が「そうや、似とるて」とはいってきた。
それに、「うるさい、だまれ!どうしてそんなこと言うんや」
と反撃するりおん。
そうなると、また関係のない野次馬数人が
ちょっかいを出してくる。
その中に、ふだんから、正義感のあるいいやつだと
思っていたH君まで、いっしょになって
言い出したことにも、ショックなりおん。
また、関係が作れていない男の子のことばは
ばんばん突き刺さるものがある。
教室中聞こえるような声で言い合いになる。
それを見ていた、女子。
○○さんと○○さんが
大きな声でオーバーな仕草で手までたたいて
笑い転げる。
一番いやだったのは、それを見たことと、
仲良しの名前で呼び合うようになった
Мまでが、知らんふりしたこと。
それに、クラス中のみんなが聴こえているはずなのに
誰ひとり、なにも起こっていないかのような
態度だったこと。
彼女の中で「おかしい!!」「こんなのはいやだ!」
がふくらんでいった。
1学期の事件、A4の紙に新聞紙の切抜きを
1枚1枚貼り付けて、恐ろしい言葉にして
クラスで、いじめのターゲットになっていた女の子に
渡った事件。
クラス中で、「きたない」「くさい」「けがれる」
の言葉を吐きかけられていた、
罪もないかわいい女の子。
そのターゲットに近づけば
次のターゲットが自分になることを恐れ、
いっしょになって、けなし、いじめるか、
言葉は発せずとも、表情で「そうだ、そうだ」というか
強いものに巻かれるクラス。
そんなことはおかしい。
Mさんのことで、先生に手紙を書いてもって行ったりおん。
長い手紙の中に、
「・・・それを書いた子の心も腐っているが、
腐るだけの理由があるのだろうと思う。
1マスノートにみんなが、いやなことを書いて
クラスで話し合いたい。・・・」
それについて、担任は
そんなことをしたらもっとクラスが大変になると
言い、自分がよく見ていくから・・・
ということになった。
納得いかない。
自分でできることを考えた。
勇気出して、Мちゃんに声をかけた。
「図書館いかへん?」
Мちゃんはものすごく、嬉しそうな顔をしたらしい。
その顔が今でも忘れられないという。
掃除のあと?図書館で先に待ってたりおんの元へ
Мチャンは、走ってかけよってきたそうだ。
「おかあさん、走るくらい嬉しいんだよね」
とっても、喜んでいたりおん。
その日から、その女の子と仲良しになったりおん。
次の日には、名前を呼び捨てで呼び合おうと決めたらしい。
「こんなことならもっと早く、友達になればよかった」
そういっていた。
少しづつかわってきていた。
学校を休みたいくらい、いやだった
Tとの、最近のささやかな心の通い合うシーンの話は
聴いていてもうれしくなるし、
「最近、○○ちゃんのほうから
話しかけてくるようになったよ。
友達になりたいんやな。りおんだって、友達になりたい!」
そんな話をしていた。
ギクシャクした、人間関係のつながれないクラス。
いや、今の時代どこもそうなのかも。
「・・・トイレに行ってきます。っていって
そのままかえってきてまった!!(泣)
どうしようか、ずっと迷ったけど、
もう、その場におれんかった・・・」
りおんが、そんな行動をするということは、
よっぽどのことだと思う。
「・・・そうか・・・」
そのとき、家のチャイムが鳴った。
「りおんさーーん!!りおんさーーーん!!」
ドアを激しくたたく先生の声がした。
よかった・・・。
ドアを開けたのが私で、先生はちょっとおどろいていたが、
先ずは、これまでの間、トイレから戻らないりおんを遅いなあと
待ち、クラスの子たちに何があったのかを聞いていて、
○○さんが下駄箱を見に行ったら靴がないって言うもんで、
次の授業が、他のクラスの先生との交代の授業だったので、
そこへ迷惑をかけられないので
説明だけをしてきたという。
子どもがいなくなって約1時間・・
どうなのか不審には思ったけれど、
1学期の時の先生のかみ合わない子どもへの思いは
まったく消えていた。
先ずは、ゆっくりりおんから事情を聴いたし、
それをきいて、そうだったのか・・・
と理解して、一番いやだったことは何だったの?
と聴き、それが先に書いたことで
このときりおんは詳しく話したのだった。
クラスの状況を一番知るであろう先生は、
「今、りおんさんが話してくれた半分も
クラスの子たちは、言わなかった。
そのことがとっても残念です。」
そして、「最近のりおんさん。
夏休みもどろんこクラブで、すごい時間を過ごされたんですね。
この前も、委員会の委員長決めをクラスでやって、
・・きかれましたか?お母さん。
そのときね、ムリヤリ決めさせることに
意味があるんですかって、言ってくれたのよね。
私だって、やらされてやる鼓笛をやりたくはないけれど、
我慢してやってます。
そのことで頭がいっぱいなのに、またやらされる委員会のことは
考えられません。っていわれたのを聴いて、先生とってもびっくりしたの。
そんなことを、クラスの中でてをあげていえる子なんていませんよ。
そのあと、H君が僕がやりますって言ってくれたのよね。
それに、1学期の集団で男の子たちから
言われた時の子の中の、N君のこと。
あのあと(りおんさんにはT君の友達やでわざと足をかけたんだと
言っているのに、先生に聴かれた時、そうなんですか!
そんなことを思っていたから田中さんがあれだけ怒っていたんですね。
今先生に聞いて初めてわかりました。僕はただ、
立ち上がろうとしただけなのに、足をかけたと、あやまれと
ものすごい勢いで怒られてた意味がやっと分かりました。といった子)
りおんさんは、言ったのよね、
許せるって。
先生ね、そんなこと、大人でも思えないことを
りおんさんが、言うたびに
ドキッとするの。
たまに大人以上の気持ちを持ってるなって
思っていたの。
だから、最近は先生にも何でも話してくれてたじゃない。」
りおんがこのとき、はっとした。
きっと、気がつかなかったんだろう。
先生の言葉をじっくり聞いてるりおん。
「・・・だからね、先生思うの。
ほかに方法が考えられなかったかなあって。
そのことがちょっと残念なの。
家が近いから、よかったけど、
近いとか遠いとか関係なくって、いなくなると、
みんな心配するしね。
それと、変な子だと思われるよ。
校長先生もすごく心配していたんだよ。」
変な子だと思われる??が、きになったけど
なんか意味がありそうで黙っていた。
「ごめんなさい。
あの時は、考えられなかった。
思いつきもしなかった。
帰るか、我慢するかだけで頭がいっぱいだったんです。」
「わかった。
先生ね、学校でのみんなのお母さんやと思ってる、
だから、何でも言ってね。」
こんな心の通った会話が、
あの1学期何度となく対話しても
煮え切らなかった担任の先生と、りおんがしてることに
わたしは、その変化にとても嬉しくなった。
先生がやっと子どもとまっすぐ向き合おうとしている。
ものすごく感じた瞬間だった。
これからどうする?
という話になった。
「先生について帰り。
しっかりわかってくれる先生やんか。
今一緒に帰ったほうがいいよ。」
とうながした。
りおんの顔が曇る。
先生も、
「そうやな、保健室に行こう。
靴がないことは、もうばれとるから
家に帰ろうと思ったけれど、
保健室におったということにしよう。
そして、1日ゆっくり考えて・・・。
先生もまた話を聴いてみるわ。」
といった。
私は、何でうそを言わせるの?と不思議に思った。
1日、ゆっくり考える??
りおんもそうするといっている。
ようやく、ことの事態がつかめてきた。
先生とりおんはわかりあえても、クラスの子たちのことを
一番知ってる二人が出した結論がそうなのだから。
危険!!だってことである。
何にも解決はしていないんだ。
12日のことだった。
ずいぶん昔のことのように思えるから、
まだ2週間前のことだなんて
今知ったとき、とっても不思議な感じがする。
私たちの心の流れは
いったいどんな時間の仕組みになっているのだろう。
いくらあがいても変わらない、
人と平等なのが時間なのだけれども、
とても同じ時間を生きているようには
感じられない私たちがいる。
2学期始まってすぐの、
12日。
りおんは学校から帰ってきてしまった。
ランドセルも何もかもそのままにして、
からだだけ、不安なまま
5時間目はじまったあたりで
家へ帰ってしまったのだった。
ブログの12日は、とめどもないことが書かれている。
確か、こんな事件が起きる前に
送信したものであろう。
次の日13日のブログはない。
ブログに登場できない日は、きまって
ものすごい葛藤の渦の真っ只中に
いる場合なのです。
その葛藤を書くことはエネルギーが要ります。
それに、つぎからつぎへと
でてくるのです。問題が・・・。
やっと今ここで、書こうと思った理由に、
おととい岐阜であった、教育基本法の
話しの中にヒントがある。
いわゆる、教育基本法なんて難しそうな話ではなく、
とても身近に子ども自身が感じるすべてのことだと
私がとらえ、そう感じ、これからやろうとすることへの
エネルギーと燃え出したきっかけなのである。
もちろん、その話でなくても今
日々問題だと感じる中で、なんでも
どんなことでも、今はヒントとなるのかもしれないけれど。
12日なにがおこったか。
その日は6時間授業だったので、4時にお迎えに行くことになっていた。
「おかあさーーん」
泣きながら電話をしてきたりおん。
時計は2時半。
どこから?学校から?
鳴き声で電話がかかって
冷静でいられるわけがない。
あらゆることを想像する。
泣いているから、話がわからない。
とにかく、家にいるということだけわかった。
「すぐ行くから、待ってて」
そういって、すぐにはいけない。
気持ちがすぐにいけないのだ。
その日は、店も私一人の日で、締めなければいけないし、
火も鍵もだいじな片付けもし、
お客様とのだんどりの連絡もし、
「飛んでいける」状況ではない。
何かをやりながら
頭の中はパニックだった。
時間だけは刻々とすぎる。
15分~20分、くらいのことだろうが、
それはとてつもなく長い時間に感じられた。
学校から電話がなぜかかってこないんだろう・・・。
3時からの業者との打ち合わせも
すっかりわすれ、3時前には店を出た。
行動は落ち着いても、心はあわてているのが自分でもよくわかる。
今日起きた事件ではないだけに、
過去のことから、さかのぼり、想像をする。
「聴こう。帰ったら本人に聞こう。」
それしかないんだけれど、そんなふうには思えない自分もいる。
家に着いた。
りおんがいなくなって30分は経っているだろうが、
まだ連絡もない。
これもまた、とても不安にさせる。
とにかく、お布団に二人で横になり
泣くのが落ち着いてから
静かに話しはじめた。
その内容は、
「おまえ、プロレスラーの○○に似とるなあ。」
と1学期にも、男の子が集団でりおんに
つめよった、だいたいはじめにつっかかってくる
T君。
その後、このT君との関係は、
「さわるな!」「けがれる!」
から、次第に肩をぽんっとたたいたり、
気持ちをぼそっとつぶやいたり、
一緒にいたずらしたり、笑いあったりと
素直な面が見えてきたところだったので、
T君独自の口の悪さはそう気にならないりおん。
そこへ、違う男の子が「そうや、似とるて」とはいってきた。
それに、「うるさい、だまれ!どうしてそんなこと言うんや」
と反撃するりおん。
そうなると、また関係のない野次馬数人が
ちょっかいを出してくる。
その中に、ふだんから、正義感のあるいいやつだと
思っていたH君まで、いっしょになって
言い出したことにも、ショックなりおん。
また、関係が作れていない男の子のことばは
ばんばん突き刺さるものがある。
教室中聞こえるような声で言い合いになる。
それを見ていた、女子。
○○さんと○○さんが
大きな声でオーバーな仕草で手までたたいて
笑い転げる。
一番いやだったのは、それを見たことと、
仲良しの名前で呼び合うようになった
Мまでが、知らんふりしたこと。
それに、クラス中のみんなが聴こえているはずなのに
誰ひとり、なにも起こっていないかのような
態度だったこと。
彼女の中で「おかしい!!」「こんなのはいやだ!」
がふくらんでいった。
1学期の事件、A4の紙に新聞紙の切抜きを
1枚1枚貼り付けて、恐ろしい言葉にして
クラスで、いじめのターゲットになっていた女の子に
渡った事件。
クラス中で、「きたない」「くさい」「けがれる」
の言葉を吐きかけられていた、
罪もないかわいい女の子。
そのターゲットに近づけば
次のターゲットが自分になることを恐れ、
いっしょになって、けなし、いじめるか、
言葉は発せずとも、表情で「そうだ、そうだ」というか
強いものに巻かれるクラス。
そんなことはおかしい。
Mさんのことで、先生に手紙を書いてもって行ったりおん。
長い手紙の中に、
「・・・それを書いた子の心も腐っているが、
腐るだけの理由があるのだろうと思う。
1マスノートにみんなが、いやなことを書いて
クラスで話し合いたい。・・・」
それについて、担任は
そんなことをしたらもっとクラスが大変になると
言い、自分がよく見ていくから・・・
ということになった。
納得いかない。
自分でできることを考えた。
勇気出して、Мちゃんに声をかけた。
「図書館いかへん?」
Мちゃんはものすごく、嬉しそうな顔をしたらしい。
その顔が今でも忘れられないという。
掃除のあと?図書館で先に待ってたりおんの元へ
Мチャンは、走ってかけよってきたそうだ。
「おかあさん、走るくらい嬉しいんだよね」
とっても、喜んでいたりおん。
その日から、その女の子と仲良しになったりおん。
次の日には、名前を呼び捨てで呼び合おうと決めたらしい。
「こんなことならもっと早く、友達になればよかった」
そういっていた。
少しづつかわってきていた。
学校を休みたいくらい、いやだった
Tとの、最近のささやかな心の通い合うシーンの話は
聴いていてもうれしくなるし、
「最近、○○ちゃんのほうから
話しかけてくるようになったよ。
友達になりたいんやな。りおんだって、友達になりたい!」
そんな話をしていた。
ギクシャクした、人間関係のつながれないクラス。
いや、今の時代どこもそうなのかも。
「・・・トイレに行ってきます。っていって
そのままかえってきてまった!!(泣)
どうしようか、ずっと迷ったけど、
もう、その場におれんかった・・・」
りおんが、そんな行動をするということは、
よっぽどのことだと思う。
「・・・そうか・・・」
そのとき、家のチャイムが鳴った。
「りおんさーーん!!りおんさーーーん!!」
ドアを激しくたたく先生の声がした。
よかった・・・。
ドアを開けたのが私で、先生はちょっとおどろいていたが、
先ずは、これまでの間、トイレから戻らないりおんを遅いなあと
待ち、クラスの子たちに何があったのかを聞いていて、
○○さんが下駄箱を見に行ったら靴がないって言うもんで、
次の授業が、他のクラスの先生との交代の授業だったので、
そこへ迷惑をかけられないので
説明だけをしてきたという。
子どもがいなくなって約1時間・・
どうなのか不審には思ったけれど、
1学期の時の先生のかみ合わない子どもへの思いは
まったく消えていた。
先ずは、ゆっくりりおんから事情を聴いたし、
それをきいて、そうだったのか・・・
と理解して、一番いやだったことは何だったの?
と聴き、それが先に書いたことで
このときりおんは詳しく話したのだった。
クラスの状況を一番知るであろう先生は、
「今、りおんさんが話してくれた半分も
クラスの子たちは、言わなかった。
そのことがとっても残念です。」
そして、「最近のりおんさん。
夏休みもどろんこクラブで、すごい時間を過ごされたんですね。
この前も、委員会の委員長決めをクラスでやって、
・・きかれましたか?お母さん。
そのときね、ムリヤリ決めさせることに
意味があるんですかって、言ってくれたのよね。
私だって、やらされてやる鼓笛をやりたくはないけれど、
我慢してやってます。
そのことで頭がいっぱいなのに、またやらされる委員会のことは
考えられません。っていわれたのを聴いて、先生とってもびっくりしたの。
そんなことを、クラスの中でてをあげていえる子なんていませんよ。
そのあと、H君が僕がやりますって言ってくれたのよね。
それに、1学期の集団で男の子たちから
言われた時の子の中の、N君のこと。
あのあと(りおんさんにはT君の友達やでわざと足をかけたんだと
言っているのに、先生に聴かれた時、そうなんですか!
そんなことを思っていたから田中さんがあれだけ怒っていたんですね。
今先生に聞いて初めてわかりました。僕はただ、
立ち上がろうとしただけなのに、足をかけたと、あやまれと
ものすごい勢いで怒られてた意味がやっと分かりました。といった子)
りおんさんは、言ったのよね、
許せるって。
先生ね、そんなこと、大人でも思えないことを
りおんさんが、言うたびに
ドキッとするの。
たまに大人以上の気持ちを持ってるなって
思っていたの。
だから、最近は先生にも何でも話してくれてたじゃない。」
りおんがこのとき、はっとした。
きっと、気がつかなかったんだろう。
先生の言葉をじっくり聞いてるりおん。
「・・・だからね、先生思うの。
ほかに方法が考えられなかったかなあって。
そのことがちょっと残念なの。
家が近いから、よかったけど、
近いとか遠いとか関係なくって、いなくなると、
みんな心配するしね。
それと、変な子だと思われるよ。
校長先生もすごく心配していたんだよ。」
変な子だと思われる??が、きになったけど
なんか意味がありそうで黙っていた。
「ごめんなさい。
あの時は、考えられなかった。
思いつきもしなかった。
帰るか、我慢するかだけで頭がいっぱいだったんです。」
「わかった。
先生ね、学校でのみんなのお母さんやと思ってる、
だから、何でも言ってね。」
こんな心の通った会話が、
あの1学期何度となく対話しても
煮え切らなかった担任の先生と、りおんがしてることに
わたしは、その変化にとても嬉しくなった。
先生がやっと子どもとまっすぐ向き合おうとしている。
ものすごく感じた瞬間だった。
これからどうする?
という話になった。
「先生について帰り。
しっかりわかってくれる先生やんか。
今一緒に帰ったほうがいいよ。」
とうながした。
りおんの顔が曇る。
先生も、
「そうやな、保健室に行こう。
靴がないことは、もうばれとるから
家に帰ろうと思ったけれど、
保健室におったということにしよう。
そして、1日ゆっくり考えて・・・。
先生もまた話を聴いてみるわ。」
といった。
私は、何でうそを言わせるの?と不思議に思った。
1日、ゆっくり考える??
りおんもそうするといっている。
ようやく、ことの事態がつかめてきた。
先生とりおんはわかりあえても、クラスの子たちのことを
一番知ってる二人が出した結論がそうなのだから。
危険!!だってことである。
何にも解決はしていないんだ。