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風地蔵徒然日記

ギャラリーカフェ風地蔵の毎日を
お届けいたします。

風間杜夫 ひとり芝居   舞台の表と裏

2007年06月13日 09時46分56秒 | 舞台・お芝居
「やっぱり 1流の 役者やなあ」

緞帳が 降り 拍手も鳴り止み、会場が明るくなったとき、

その声は、うしろから はっきり聴こえました。

振り返ると、夫婦で 観てらっしゃった おじさんからでた言葉でした。



わたしは うれしかったあ。

楽屋へ飛んでって、飛びついて 今の言葉を 知らせてあげたいくらいだった。


これから、ばらしですので そんな暇はないんですけどね。



結局今日は、きのうの約束の 楽屋へは行きませんでした。


わたしは、アナウンスをすることになっていたので 風間さんの音あわせのあと、

わたしの、音あわせで、すぐそこで 本番の歌声が 聴こえてきてました。


演劇鑑賞会の事務局長が 「きのう言ってたから、楽屋行く?」って 聴かれたけど、

「行かない」と答えました。



なぜって??


1風1.jpg



この日は 朝9時からの搬入です。

「ひとり芝居なのに、どうしてこんなにセットがあるのーーー??」と私は叫びます。(笑)


搬入が終わると、ススキを活けます。


「葉っぱがさあ、風になびいてるように 活けようよ。

これじゃ、枯れてるみたいやなあ!!」


「どの場面で出てくるんやろう!!このすすき!!」


そんな話をしながら、葉っぱをつめでシューーと そり返すと、あーーら不思議!

生き生きしてくるじゃあありませんか。


「なんかうれしい!!ちょっと、カメラ取ってくる!!」



パシャ!!



1風2.jpg




「こっちへ、二人お願いしまーーす」照明さんから声がかかります。


「これやってください!!」

「・・・・こんなんやったことなーーい」

照明のフィルムを赤からオレンジへ、黄色から青へ はめ替えます。

昔、演劇部だったおばちゃんが、「これはね、ゼリーを作るときのゼラチンなのよ」

って教えてくれます。

「きれいに張らなきゃね、風間さんが、気持ちよく舞台やれるように!!」

そういいながら、私の手が、この舞台に 少しづつ加わっていきます。


「終わりましたあ!!」   おっ!まるで風間スタッフです。

「じゃあ、掃除機かけて下さい!」

「はい!!」返事はいいけど、家でもこんなに掃除はしないぞと思うくらい、

細かい木屑が つまってる 舞台上を 吸わない掃除機で 

ごしごし力を入れて磨くように すみからすみまでやっていきます。

(あーーー、腰が痛い・・・)

風間さん。ここにも立つだろうなあ、ほこりが舞わないように 蛍光シールと間違わないように

きれいに とってしまうぞーー!! どんどんきれいになります。


「じゃあ次は、脚立持ち二人おねがいしまーーす!」と、照明の親分。


(なあんだ、脚立もっとくだけか。)

ところがどっこい、まあ、脚立の上に立つ人が見えないくらいに 高い脚立です。


その上で、2時間以上、すべてのライトを 風間さんの シーンごとの立ち居地に

1個1個 合わせていきます。

こんなに長い時間、上に立って、手を伸ばし やってる照明さんもすごい!


(よかった、掃除機ですったから 光があたっても ばっちり!きれい!)


「りおんちゃん、花束お願いね。あとで、制作さんとどの場面で渡すか

打ち合わせしてね。」


こうして作り上げた この舞台。

本番前、わざわざ楽屋に写真撮りに行かなくっても、風間側の人間として動いてます。




「5分押しね!!」「はい!」  開演、6時35分。 

アナウンスの私は、10分前に 舞台下手の そでにスタンバイしました。

本番5分前!!

楽屋から 風間さん。そでに入ります。


いま、下手のそでには 風間さんと私だけ。 ピーーーンと緊張が走ります。

目で、「うん!!(がんばれ!!)」と 送ります。

風間さんも すかさず 目に力が入り うん!!とうなづき 中へ。



舞台監督さんがやってきます。

本番3分前!!

舞監「1ベルはいります!」「ヴィーーーーーーーーーーーー」


照明さん、音響さん、舞台監督さん、みんながそれぞれのポジションにつきます。




「どうぞ!!」

深く深呼吸をして、みんなの気を全身に感じ 

この舞台の 始まりの喜びを 告げる役目に感謝して、

みほ「 本日は トム・プロジェクト プロデュース「風間 杜夫 ひとり芝居

三部作に ご来場いただきまして 誠にありがとうございます。

開演に先立ちまして、お客様にご案内申し上げます・・・  ・・・」



舞台では シーンごとにスポットライトの中で 風間杜夫なのだけれど、

団塊の世代の どこにでもいそうな 三枚目の 一人の男の人生が 

描かれる。

奥さんのあきれた顔も見えるし、父親を馬鹿にした 遊び歩く予備校に通う息子も、

夜遊びばかりで、だらしのない大学生のお姉ちゃんも見えるし、病院の先生も、

浮気相手のれいちゃんの 態度も顔も、

大きな足を丸出しした女子大生も、ママの言いつけで塾に通う男の子も

公園の全景も、実家の風景も、やさしかったお母さんの面影も、初年時代も、 

昔の、なつかしい日本も、いまの、ゆがんだ日本も、

すべて、映像でみているかのように 見える。見える。



そして、主人公のサラリーマンのお父さんの素顔、気持ちの中が 見えてくる。


社会全体の仕組みが見えてくる。

一番大切なことが見えてくる。



あーーー、あなたはすばらしい。

きのう、言った ことばは、大げさでも、うそでも、はったりでもなかった。

3時間は あっという間だった。

3時間は 一人の男の人生を 描いた。

3時間が 終わったけれど、 もっとみていたいと思った。




今こうして、観客の心をとらえ、自分におきかえ、人生を振り返る。

風間杜夫という、本物の役者を通して。




「やっぱり 1流の役者やなあ!!」

後の席のおじさんがつぶやいた。

おじさんの言葉が おじさんの人生を通して、わたしのからだに 突き刺さった。



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風間杜夫さんとお食事会。今夜は舞台だあ!

2007年06月12日 07時33分17秒 | 舞台・お芝居
きのうは、風間杜夫さんとお食事会でした♪

スタッフの方15人ほどと、我ら主の実行委員の10人ほど。


な・・なんと、りおんは風間さんの 目の前に ちゃっかり座って動かない。(笑)

わたしは、少し遠慮気味に、斜め前の横。(あんまりかわらないか 笑)


プライベートタイムなので、写真とかは遠慮した。

これだけたっぷり、何を話したかなんて、書ききれないくらい話して、

大満足です。



風間さんも 「写真は、あす(本番)楽屋で撮ろうよ。今は酔っぱらってるし。」と言ってくれた。


風間さんの素顔は、 とにかく若い!  肌なんて、40代。パーーンと張って つやつやしてます。

パッチギでは、おじいさん役立ったけど、とてもとても・・実物がめちゃ若い!


話・・・いろいろ飛んだなあ。このわたしが、思い出せないほど・・(笑)

鎌田行進曲の話もしたし、「きょうかんっ!!」って言いました。

風間さんは「笑・・・そんなこともあったなあ・・・」って。



お酒の注文は、芋焼酎と迷われて、

黒糖焼酎「奄美」を、ボトル(一升瓶)で 頼まれ 製作さんが作ってくれてたので、

「きょうかんっ!どうぞ!」って、お酒を告ぐことはできなかったけど(笑)


あっ、今思い出したけど、「ニヒルな二枚目!!」(って言葉がありましたよねえ)

まだまだ継続です。


特に 夢ある子どもが目の前だから・・・かな。


わたしたちは、舞台は今日見るわけだから、パッチギの話を聞きたかった・・・

けど、今回は「トム・プロジェクト」の企画で、横に、プロデューサーの方が

座ってらっしゃるから、現在活動中の、他6本(すごーーい計7本も!)の

映画から舞台からテレビの作品については にこっとするだけ。

義理立てされてるんですね。



わたしが、「パッチギの、あの出だしは すごかった!!

まさか、ああいう展開になるとは 思いもしませんでしたよ」なんて、芯をつけば、

のってきてくれましたが。


このブログに問い合わせがあった、サンフランシスコの方のことも 話した。

「そう、今月 サンフランシスコにも 行きますよ!」

この舞台、世界で公演されてるんですよ。

大垣なんて田舎に よく来たなあーーと思ってたら、なんとわたしの目の前の

プロデューサーが 大垣の南中出身だそうで、ぜひ、風間杜夫を大垣でやりたかったのだと。




「わたし、いろんな舞台を見てますが、ひとり芝居は、初めてなんです。

いったいどうなるの・・・?って、想像もつかないんですけど・・・」と言うと、


「明日は大垣に 事件がおきますよ!! 観てない人は 後悔する。

たったひとりで、3時間 芝居するんだけど、他に役者もいないし、

どうなるんだろうって思うでしょう!  これがおもしろい!!

どんどんひきつけて、あっという間の3時間! 風間杜夫を来年も呼びたいと

必ず思う!」と、熱く語られる、

その、「眼力~めぢから」は、やっぱり本物の役者さん!!  すっごいです。


ここに書くと、なんでもない言葉なんだけど、聴いてると、血が踊りワクワクしてきます。


「私、一番前でかぶりつきで観てますんで!!」とわたし。

「よおし!!あした、観たらびっくりするよ!!

なにせ、ひとりだから相手役がいない。いないけど、何十人もの相手役が

いるかのように 見えるよ、きっと。

それが、腕のみせどころ。実力でいくよーー!!


あーー、ほんとは、芝居のあとに

こうして 飲みたかったねえ。もっと盛り上がったのに。

だけど、明日観た後、 かざま~!!何いっとんじゃーー。(うそばっかり)って

いわれんように しなきゃね。」

と、約束してくれました。



帰りには、お店の方が、色紙を束で持ってこられ 書いてもらってました。


わたし達は・・・「これだけ話して、今更色紙にサインなんて なんかへんだよね

明日も会えるし♪」りおんはひたすら聞いてるだけでしたが、演劇鑑賞会の人が、

「ずっとおやこ劇場で芝居を見て、小学4年生から大人の芝居も観てるんですよ。

また、感想文がすごいの!!」とりおんのことを言ってました。

りおんは、山ぴー、かめなしの時代のこなんで、風間杜夫を映画でも見たくせに、

しばらくして「ねえ、役者さんはどの人!!」と、演劇鑑賞会の人に聞いて笑われてました。

・・・・りーちゃん・・・・あなったって・・・。(笑)


風地蔵のスッタフなんて、後で目の前に行ったとき、「きゃあー、はじめ顔をまともに見れませんでしたよ!!」

と、風間杜夫全盛期時代の大ファンなので、大満足の夜でした。

素の風間さん、やっぱり、人気役者だっただけ(現在進行形です 笑)に

オーーラを出してますが、芝居の向き合い方はいたってまじめ、努力と根性の

たまものって感じの 力強い 人です。


いよいよ今夜、その一人舞台を観ます。

朝、9時から 搬入。終わってからも、ばらし。

今日は1日「風間杜夫デー」です。笑




仕事もしなきゃいけないし・・・じゃあ、いってきまーーす。


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坂東玉三郎に酔う

2007年05月21日 09時03分55秒 | 舞台・お芝居
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さあてさて  ここは京都四条川原のふもと 京都南座でございます。

この人・人・人は 坂東玉三郎を観にこられた方たちです。(他の役者さんかも)




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第1部は  出雲阿国  の幕開けです。

暗転せずに 赤いちょうちんの灯を落としただけで、

客席は明るいまま 幕が上がります。


そこは桜満開の まばゆいくらいの舞台です。

私たちのすぐ横、花道が、ぎらっと明るくなったかと思うと、

「坂東玉三郎」が堂々と出てきました。 


玉三郎が、左へ行けば ずらっと1列、客席の頭も左へ傾き、

周りを見ると、だいたいの人の口がぽかんとしてます。



「真剣に、口がぽかんとあいとったわ、うち。」そう言うりおん。


ところが、ストーリーがいまいちで、動きもずっとゆっくりで

眠っている人も、ちらほらです。

後ろの客席の人は、「すばらしい!!」と声を上げ、感激の様子ですが。



玉三郎も、きれいなだけか・・・なんて思っておりました。(失礼)




ところが、2幕目。

玉三郎演じるは、妖怪??蜘蛛の化身です。


それはそれは、みごとな、あでやかな美しい、蜘蛛の化身。

1幕目、寝た客も、2幕目は釘付けです。


しかも、玉三郎の、表情、演技力、すばらしい!!!


玉三郎に、着られた着物も帯びも髪飾りもそれはそれは一段と美しく輝いて見えます。


着物を美しく見せる唯一の、人間ではないでしょうか。

だいたいは、着物のほうが美しい。(笑)



玉三郎の魅せる、「イナバウワー」も、最高!!


妖怪を演じさせたら、天下一品!!

玉三郎は、現実の人間ではないほどの、すばらしく、美しいい妖怪です。


いやいや、この世のものではないほどの、あでやかさと言っても過言ではないのです。



「ちょっと・・・もったいないやんか!!一瞬でも見落とさんように

舞台を観なあ!!」とわたし。

でも、言うのをやめました。

だって、無心で書いてるんですもの。


玉三郎を見ながら、書かずにはいられないほど感動してるんですね。彼女は。




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1幕目の演出は、もったいなかった。

あれほどの役者、もっと引き出す演出を!!







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坂東玉三郎を見る  京都南座

2007年05月19日 06時55分07秒 | 舞台・お芝居
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坂東玉三郎というお人を、いっぺん見たし、南座へ。

今日は、りおんと 京都南座へ行ってまいります。





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久しぶりの京都だあ!!

青葉の清水寺にでも 寄ってこようかな。



4玉三郎南座.jpg




歌舞伎の他、一休寺に行くか、東寺に行くか、動物園に行くか、清水寺に行くか、

行きながら決めることにします。


いってきまーーす。

カルメン

2007年05月17日 05時35分41秒 | 舞台・お芝居
12カルメン看板.jpg


じつは、「広島」はまだまだ終わりではなかったのです。

歩きつかれども、行きたい夜がありました。

「フラメンコ」  と  「ジャズライブ」  のはしごです。

残念ながら、ジャズライブのお店は休み!!

でも、カルメンはあいてましたよ♪



偶然にも りおんが前日、皿に書いた  「BAR」という店の名前です。


看板前で、写真を!!

すると、結構、年を重ねた、コックさんの服のようなのをきた女の人が、

「今日は あいてるからどうぞ~」と、声をかけてくれました。

2回のライブステージ。9時からのステージを見ます。


12カルメン.jpg


12カルメン2.jpg


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な・・・なんと、さっきの、女の方が、あの制服姿のままで、ステージに上がり、

何をするかと思ったら、「うた」を歌われたのです。


しかも、超1流!!


フラメンコももちろんかっこいいですが、結構、見せ場がタップでして、

タップと言えば、もう解散した(のかな?)「ストライプス」のタップを

大垣に呼んだりして、みているので、ついつい比べてしまうのですが、


このうたは、スペインの酒場で聞いてるようです。

目を閉じて、手拍子のリズムと、タップと、ギターをバックに

素晴らしい歌声が聞けました。


あとで聞くと、その方が、ここのオーナーで、フラメンコの指導者。

前は、まいにち開けていたけれど、喉がつぶれて、今は

金・土の週2日しか開いてないお店です。


いやあ、素晴らしかったです。

広島へいったら、ぜひいってみてください。

私たちが泊まった、平和大通りの、オリエンタルホテルの、

2本ウラのすぐ近いところにありました。


あの歌声は、スペインまで連れてってくれますよ♪