数週間、生き続けていたカマキリが姿を消した。
彼女(たぶんメス)は僕の家の網戸に数週間前からへばりついていて、その大きさはかなりのもので、僕はいつしか彼女のことを女王と呼んでいました。
女王はきっと、いろんな虫を食べ、交尾しにきたオスのカマキリを食べ、秋になって食べる虫がいなくなってもじっと動かず、その姿を僕は毎日観察していました。
女王は朝も夜も網戸にへばりついて、ひたすら命を全うしようとしているように見えました。
僕はある晩、彼女のことがあまりにも不憫で、家の中に招待しました。
暖かい部屋の中で、カーテンにしがみつく彼女は人間の僕の目から見ても外にいるよりは暖かい部屋の方が少し癒されているように感じました。
翌日、僕が目を覚ますと、女王はいませんでした。
彼女は猫の爪から逃れ、テレビの裏に身を潜めていました。
家の中にも危険があると理解した僕は、再び彼女を寒い外の網戸に返しました。
女王はしっかりした足でゆっくりと網戸をよじ登り、動かなくなりました。
それから、数日、女王は毎日どこかで目にする日が続きました。
僕は彼女が冬を越せないことを知っています。でも、彼女は懸命に生き続けようとしています。こういう生命力を目の当たりにして僕は感動を覚えます。
僕が余計なことをしなくても、彼女は生き続けるのです。
でも、今朝、女王はついに姿を消してしまいました。
生命の終わりだと思います。
生命に意味はありません。
ただ生きるだけだと思います。
ひたすら懸命に・・・、誰に遠慮することなく・・・、自分の命を全うする。
それが生きる力だと思います。
彼女(たぶんメス)は僕の家の網戸に数週間前からへばりついていて、その大きさはかなりのもので、僕はいつしか彼女のことを女王と呼んでいました。
女王はきっと、いろんな虫を食べ、交尾しにきたオスのカマキリを食べ、秋になって食べる虫がいなくなってもじっと動かず、その姿を僕は毎日観察していました。
女王は朝も夜も網戸にへばりついて、ひたすら命を全うしようとしているように見えました。
僕はある晩、彼女のことがあまりにも不憫で、家の中に招待しました。
暖かい部屋の中で、カーテンにしがみつく彼女は人間の僕の目から見ても外にいるよりは暖かい部屋の方が少し癒されているように感じました。
翌日、僕が目を覚ますと、女王はいませんでした。
彼女は猫の爪から逃れ、テレビの裏に身を潜めていました。
家の中にも危険があると理解した僕は、再び彼女を寒い外の網戸に返しました。
女王はしっかりした足でゆっくりと網戸をよじ登り、動かなくなりました。
それから、数日、女王は毎日どこかで目にする日が続きました。
僕は彼女が冬を越せないことを知っています。でも、彼女は懸命に生き続けようとしています。こういう生命力を目の当たりにして僕は感動を覚えます。
僕が余計なことをしなくても、彼女は生き続けるのです。
でも、今朝、女王はついに姿を消してしまいました。
生命の終わりだと思います。
生命に意味はありません。
ただ生きるだけだと思います。
ひたすら懸命に・・・、誰に遠慮することなく・・・、自分の命を全うする。
それが生きる力だと思います。