佇む猫 (2) Dr.ロミと助手のアオの物語

気位の高いロシアンブルー(Dr.ロミ)と、野良出身で粗野な茶白(助手のアオ)の日常。主に擬人化日記。

これまでの記録20 猫の飼い方

2019年06月12日 | 主に画像(ロミ)

「知人に猫嫌いがいたらどうするんじゃ?」
とウチが尋ねると、のり丸はこう答えるだろう。
「わざわざ猫の話をしない」
 
そして、決して「猫好きの価値観」を相手に押し付けることはないじゃろう。
 
たぶんのり丸は、相手が「いかに猫の事が嫌いか」を語ったとしても、そのことで不快になることはない。
あれが好き、これは嫌い、こういう風に感じる、こういう風に思っている…それは誰もが持っている自由な感性じゃ。
 
のり丸が気を付けていることは、ルールやマナーを守って暮らすことを前提に、「ウチに危害を加えるものからは遠ざかる」ということだけである。
それでも想像もできない理不尽な「何か」が襲ってきた時は、のり丸はウチを必死で守ろうとするじゃろう。
 
 
のり丸の親(から上の世代)は猫を自由に外出させている人が多かった。
猫を閉じ込めて飼う、という発想がのり丸の親にも(ほとんど)なかった。
 
のり丸が成長するにつれ、周囲の環境は変わっていった。
山がどんどん切り崩され、巨大な建物がたくさん建ち、車はビュンビュン走るようになった。
もはや田舎ではなくなり、のんびりと猫を放し飼いにはできない環境になっていった。
 
自然環境は目まぐるしく変わっていったが、猫もまたペットとして人間社会に組み込まれないと生きにくくなっていった。
 
 
のり丸が子供の頃、近所で猫嫌いによる残酷な事件があった。
のり丸家も攻撃された。
 
のり丸も妹も、子供の力ではどうしようもできないことに対面したのじゃ。
それは動物と暮らす環境にいなければ経験することのなかった「悪意」との対面じゃ。
 
その経験から「憎い」「許さない」のなどの強い感情に支配されないようにしながら、「どうしたら相反するものと共存していけるか」ということを考えるようになっていったのじゃ。
(のり丸きょうだいの場合)
 
 
 
 

「ウチを守る」それがのり丸のミッションじゃが、なにが正解かは模索中。

 

ウチには人間界のルールはわからん…ま、知るわけもない。

 

以前、のり丸は東京でチビとピキャンという2匹の猫と暮らしていた。
時々お隣の猫がベランダ伝いにやって来て「入れてくれ、入れてくれ」とのり丸の部屋の窓を引っ掻いたそうじゃ。
 
のり丸は猫をいったん自室に入れて確保し、お隣のピンポンを押して猫を渡していた。
いつも「あーすんませ~ん」と隣人が猫を受け取っていた。
 
お隣の猫を部屋に入れて、玄関で手渡すのはなぜか?
部屋が11階だったからじゃ。
 
 
『What's Michael?』小林まこと 
 
 
ベランダの手すりの幅は8cmぐらいじゃったらしい。(…しかも手すりの上は平面ではなく若干丸みを帯びていた)
猿も木から落ちる、猫だって万が一滑ったらアスファルトの道路側に落下する可能性もゼロではない。
 
 
隣の猫は綱渡りのような絶妙なバランス感覚で手すりを渡って来ていたのじゃ。
もしのり丸ではない別の人が住んでいて、モップなどでシッシと激しく猫を追い払うタイプだったら…猫は手すりの上で方向転換できたじゃろうか、或いは上手に後ずさりできたじゃろうか…。
 
のり丸は猫が手すりの上を歩くのを見るとドキドキした…きっと隣人はドキドキしないタイプだったのじゃろうな…。
のり丸は心配しすぎなのじゃろうか…。
 
のり丸の性格上、これからもあらゆることを想定して考えてしまうとは思うのじゃ。
 
 
いまのところ、ウチは未知の世界が怖いので脱出することはないのじゃが…最近、玄関の外が少し気になっとる。
のり丸の警戒網は突破できないと思うが…。
 
 
 じゃあ、またの。
 
 
 
 
 
 
続(古いネガフィルムから再現された、昔の実家の猫など)
 
(恐る恐る庭に出てみた猫…)
 
 
(庭で遊び、一通り庭を探索すると家に帰って来る子猫)
 
 
 
(子猫が生まれると、ほとんどが引き取られていった。)
 
 
 
(このハチワレ猫に出産経験はない)
 
 
(ハチワレはグレー縞の最初の子供である。ハチワレだけが家に残った。)
 
 
親子、そっくりじゃ。
 
 
もらわれた先で、どんな猫生を送ったのか……。
遺伝子は受け継がれているじゃろうか。