佇む猫 (2) Dr.ロミと助手のアオの物語

気位の高いロシアンブルー(Dr.ロミ)と、野良出身で粗野な茶白(助手のアオ)の日常。主に擬人化日記。

これまでの記録 (なにげない日常)

2021年08月23日 | 主に画像(ロミとアオ)

師匠のロミにハゲができた。

ストレス性のハゲだと獣医は言った。

それは僕がのり丸家に来る少し前の出来事だった。


師匠は偏屈で臆病、非社交的で、人や動物を受け付けない。

なので当然、一匹飼いが適している猫だと思われていた。

師匠みたいなタイプは新入り猫と合わなくてストレスを抱える可能性も高い。


ただ、師匠は猛烈に孤独で、あまりにも孤立しすぎていたかもしれない。

ひとりでポツンとのり丸の帰りを待っている生活に、実は大きな負担を感じていたかもしれない。


なぜならば、僕が来てから師匠のハゲはきれいさっぱりと完治したからだ。

 

 【明るく天真爛漫】

 

もうすぐ僕は10か月になる。

去勢手術も無事に終わり、体調もすこぶる良い。

師匠は生後10か月ぐらいに「のり丸家」にやってきたけど、僕のようにオープンで明るい性格ではなかったそうだ。

 

「ウチは、生後2か月半で母親や兄弟と引き離され、箱に閉じ込められて会場に連れていかれたんじゃ」

「会場って何?」

師匠はめんどくさそうに答えた。

「品評会のようなもんじゃ。いろんな人間に身体を持ち上げられて触られて、骨格から毛並み…すべてチェックされて、売り物になるか、いくらぐらいの値段をつけれるか、というような…ま、一種の品定めじゃの」

で、その後はペットショップをたらい回し。

師匠の価格は下がり続けた。

 

その話を聞いて腑に落ちた。

師匠がなぜ偏屈なのか、その理由がわかったのだ。

猫は本能で生きているので、育ってきた環境が性格に大きな影響を与えるようだ。

 

たぶん、師匠はものすごーく退屈していた。

想像するに、退屈しまくっていたから僕という刺激を例外的に受け入れたのだ。

 

【ヨチヨチ歩きの画像*保護主さん提供】

 

先日、師匠は(師匠の尻尾を)ブラッシングしているのり丸に「やめて」と甘噛みした。

過去の師匠の甘噛みは「少々痛いもの」とのり丸は感じていた。

ところがその時の師匠の甘噛みは「ん?いったいどうした?」とのり丸が驚くぐらい、フワっと優しく、軽く、まったく痛くないものに変わっていた。

これも僕が来た効果だと実感している。

 

【のり丸家に来たばかりの頃】

 

【師匠と同じ大きさになった…というか、6ヵ月で師匠を超えた】

師匠は優しくなった。

確実に以前よりは優しくなった。

相手を少しも傷つけないように噛めるようになった。

 

 

【甘えっぷりに困惑しているような師匠】

 

 

 

【白地なので、目くそ鼻くそがやや目立つ】

 

こういう日常の繰り返しなのだ。

だけど、この日常こそがプレゼントなのだと思う。

 

【同じ風景を毎日見る】

きっと、なにげない日常がいつかプレゼントに変わるのだ。(と、師匠に教わったまま)

 

ん〜僕の効果はすごいな。

 

 

大切な皆さん、おやすみなさい。