朝日新聞の多事奏論(2020年3月11日 編集委員 国分高史)で安倍忖度政権の構造を「自発的隷従論」エチイエンヌ・ド・ラ・ボエシから解説していた。同時にストックホルム症候群を思い出した。安倍政権を支えている本質が見えてきたように思えた。
「自発的隷従論」エチイエンヌ・ド・ラ・ボエシ
絶対王政時代の権力は支配する者自身の力ではなく、むしろ支配される者たちの加担によって支えられる。その構造は一人の圧政者は数人の取り巻きを重用し恩恵を与える。取り巻きたちは恩恵を失うまいと圧政者の権力維持に加担する。また、取り巻きは自らの取り巻きに恩恵を与える、このように権力のおこぼれを求めて自発的に隷従する者が鎖のようにつながっていく。
取り巻きたちの行動原理について「この者たちは、圧政者の言いつけを守るばかりではなく、彼の望む通りのものを考えなけれなならないし、さらには彼を満足させるために、その意向をあらかじめくみとらなければならない。」 (上記記事から抜粋)
ストックホルム症候群
長期間の監禁で被害者が自己保存のため犯人との心理的な関係を築き、共感までいたる心理的作用。生き延びることが目的であったが次第に犯人に心酔してしまう心理的行為。
ラ・ボエンは自由を取り戻すためになすべきことも書き残した。
「もう隷従はしないと決意せよ、するとあなたな自由の身だ。敵を突き飛ばせとか、振り落とせと言いたいのではない。ただこれ以上支えずにおけばよい。そうすればそいつがいまに、土台を奪われた巨像のごとく、みずからの重みによって崩落し、破滅するのが見られるだろう。」
(上記記事から抜粋)
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