おおひなたごう◆SILVERY NOTE

ギャグ漫画家おおひなたごうのブログ

明日は俺のありったけを見せてやる

2014年03月13日 00時03分20秒 | マンガ・本
面倒臭くてもう今日は仕事したくないって時に、いつも思い出す漫画の1ページがあります。

『神々の山嶺』(谷口ジロー/夢枕獏)。




明日は見せてやる
これまでの俺のありったけを


といことで今日はもう寝ます。

おやすみなさい。

ゼロの笑点

2009年03月22日 21時43分08秒 | マンガ・本
A-ZERO(アクションゼロ)連載中の江口さんの『ドギワ荘の性春』がヤバい。
目が離せません。
どうかテラさんの遺族の目に触れませんように…


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
「拡張型心筋症」のため、海外での心臓移植が必要な安藤大輝くんに募金お願いします。


ダイヤルQ2「ひろきくんいのちのダイヤル」
0990-51-6789
この電話番号にお電話をいただくと315円の募金ができます。
※ 携帯、PHS、IP電話、公衆電話からはかけられません。



ノノノノとGANTZ

2009年03月15日 02時05分09秒 | マンガ・本
ヤングジャンプで『ノノノノ』を連載中の岡本倫先生から
マトリョーシカをいただきました!



岡本先生とはまだ面識がないのですが、
以前犬のジュース屋さんZで描いたマトリョーシカの話を読んでいただいたようで、
わざわざ取材先のチェコで、買ってきてくれたのです。
ありがとうございます!岡本先生!
実はマトリョーシカ持っていなかったのです!

先日もまたヤングジャンプで『GANTZ』連載中の奥浩哉先生からもメールをいただきまして、
大変ありがたいことでございます。
意外と犬さんの隠れファンがいらっしゃるようですが、
声を大にして言ってくださってもいいんですぜ!

ということでこのお二人の応援のお陰もあってか、
なんと犬のジュース屋さんZ、1、2巻同時に重版が決まりました!
なんて素敵なニュースでしょう。この不況に。
まだ買っていないという方、是非この機会にお求めください。

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『文藝別冊・吉田戦車』

2009年02月24日 15時03分57秒 | マンガ・本
本日24日発売の『文藝別冊・吉田戦車』に
1ページ描かさせてもらってます。
『伝染るんです。』のカバーで『伝染らんです。』
他の作家は多分エッセイ風な漫画を寄稿するだろうと思ったので、
敢えてネタ漫画で。



今回この仕事をするに当たって
『伝染るんです。』を読み返してみたのですが、
フキダシの中の台詞全てに
句読点が入っていることに気が付きました。

当時リアルタイムで読んでいる時は
全く気が付きませんでした。
通常は漫画の台詞には句読点が入らないのです。
何故なのかよく分からないのですが。
恐らくタイトルに「。」が入っているので
それに合わせようということだったのでしょう。
あの作品は漫画はもとより、
漫画のまわりの煽り文句や単行本の装丁など、
とにかく読者を変な世界へ引き込もうとする
エネルギーが尋常じゃなかったと思います。
台詞の句読点も『伝染るんです。』の
数ある変な要素の一つとして
サブリミナル的に機能していたのだと思います。

と、ここまで書いてスピリッツの今週号を読んでみたら、
全作品の台詞に句読点が入っていました。
別に『伝染るんです。』だけに意識して
句読点を入れているわけではなかったみたいです。

分かったようなことを散々書いてきましたが、
まったく分かっていなかったようです。

他の出版社の台詞も確認してみましたが、
小学館だけですね。句読点が入っているのは。
気がつきませんでした。
何故小学館は句読点を入れているのですかね?

というか、
何故他の出版社は句読点を入れないのですかね。

と、さらにここまで書いて、
いろいろネットで調べてみました。

理由は諸説あるようですが、

> 小学館は学習誌などを出している関係上、
> マンガでの表記も学校教育で定めるものに
> 準拠しなければいけないから。

が有力な説のようです。

> ただし、『ちゃお』などの少女漫画誌では、
> 句読点はあまり用いられない

だそうです。

あと、調べていて面白かったのが、

◆連載なのにジャンプには「つづく」が無い
◆文章でよく使われる「……」、
 これは正式には「リーダー」といいますが、
 多くの出版社は1文字ぶんに
 この点々が3個あるものを使うのですが、
 講談社は2個のモノを使います。
 そのせいか、他社では「そうか…」みたいな文章が、
 講談社では「そうか・・・・」という形で、
 リーダーを2文字ぶんつける場合が多いようです。

だそうです。

この『文藝別冊・吉田戦車』は
とにかくみんな褒めまくっていて、
ちょっと気持ち悪いところもありますが、
戦車さんの素顔がかなりクローズアップされていて
ファンには堪らない内容になっていると思います。
読み応えアリ!

矢口高雄『蛍雪時代』

2008年03月14日 23時06分09秒 | マンガ・本

素晴らしい漫画を紹介します。
15年以上も前に描かれた作品ですが。

『釣りキチ三平』で釣り漫画の金字塔を打ち立てた、矢口高雄先生の『蛍雪時代』です。

矢口先生の中学時代を描いたエッセイコミックで、昭和29年頃の秋田県増田町での出来事が実に生き生きと描かれています。

僕の中学時代よりも30年も昔の話ですが、まるで自分の中学時代を見ているかのような懐かしい気分に浸ることができました。この感覚は、きっと僕が同じ秋田出身だからというワケではなく、誰もが共有できるものだと思います。その時代にいなかったのに、何故か『ALWAYSー三丁目の夕日』に感じる懐かしさ。それと同じ理屈なのではないかと。

この作品は、矢口先生の母親へ捧げられているだけあって、
随所に母親への思いが丹念に描かれています。

映画館のない村に当時の超大作映画『七人の侍』を呼び、村人達に上映する「映画会」を企画した生徒会。大盛況に終わった帰宅後、仕事で見に来られなかった母親を思う矢口少年。貧しく、どんなに重労働でも、決してその辛さを表に出さない母親の健気さが涙を誘います。

そして最終話、矢口少年の学費を捻出するために真夏の炎天下に山で「クズの葉採り」に精を出す母親と、それを手伝う矢口少年。昼食後のほんのささやかな楽しみは軽い昼寝タイム。矢口少年は耳元で母親の甘い汗の香りを嗅ぎながらやわらかな眠りに落ちていきます。その甘い汗の香りというのが実は…

矢口先生の大好きな「釣り」に引っかけたエピソードでしめくくるそのラストシーンはとてつもなく感動的です。このシーンを描くためにこの作品はあったといってもいいのではないでしょうか。涙が止まりませんでした。

とにかくこの作品の見所は他にもいっぱいで、大自然の美しい描写はもちろんですが、オリジナルの盆踊りを作ったり、農産物の品評会をやったり、修学旅行に行けない生徒達のためにクラスのみんなで「石運び」で旅費を稼いだりと、矢口少年を初めとする学生達の自主性と行動力がフィクションではないかと疑うほどに素晴らしいのです。

以前矢口先生にお会いしたときに「漫画を描くときには『何故今それなのか』ということを考えなくてはいけない」ということを強くおっしゃっていました。様々な社会問題が複雑に絡み合い、生徒と教師間の信頼関係が希薄になってしまっているこの時代に、矢口先生が投げかけたメッセージは、もっと教育というものはシンプルであるべきなんだということ。生徒達の創造性、自主性を教師はしっかり受け止め、即実行に移すというシンプルさ。これがお互いの信頼感を育てていったと描いています。生徒達の個性を閉じこめておこうとするような今の時代からすると、ウソみたいな話なんですが、確実に「あったこと」なのです。そして今の時代も「あって然るべき」なのです。

是非とも全世代の人達に読んでもらいたい作品です。

   

矢口高雄 『蛍雪時代』 全5巻 講談社


杉本亜未『ファンタジウム』

2007年06月25日 12時17分41秒 | マンガ・本
モーニング2に連載中の、あるハンディを背負った、マジシャンとしての天性の才能を持つ少年のお話。



泣けます。別に泣かせる漫画じゃないとは思うのですが、
何度もジーンとさせられました。傑作。
両親の前で語られる、鉢に映ったお月様のエピソードがとてもいい。
ここでガツンと泣かされました。
作者はあとがきで「絵がダサい」と言ってますが、
とても素敵な意志のある眼を描くと思います。
俺自身マジックが好きだという贔屓目もあって、
早くも今年一番の作品かも。


意志のある眼

ヤングサンデー『とめはねっ!』

2007年06月21日 18時00分20秒 | マンガ・本
週刊ヤングサンデー読み切り14ページようやく描き終わる。
時間かかりました。
『イタイのイタイのとんでこないで!」という、本格派剣道漫画です。
7/5発売号に掲載です。

で、ヤンサンの河合克敏著『とめはねっ!』

書道漫画。
派手さはないのですが、ちゃんと面白いです。
こういう作品を読むと、本当になんでも漫画になるんだなあとしみじみ思います。
書道の奥深さも丁寧に描かれており、書道したくなります。
書ける気になってきます。
こういった衝動を読み手に起こさせるという点に置いて、
とてもすぐれた作品と言えましょう。



「世界の図書館化」を考える

2007年03月24日 11時59分17秒 | マンガ・本
宮台真治のポッドキャストが面白い。

インターネットの広がりによって、映像や音楽などの、アクセス可能なアーカイブスがどんどん広がると「世界が図書館化」してしまい、膨大な過去の遺産によって、新しい作品が売れなくなるとしている。

これはマンガも例外ではない。
現に今、過去のマンガのデータ化がどんどん進んでいる。
まだその一部がケータイなどで読める程度だが、近い将来、過去の作品のほとんどがデータ化されることだろう。
そしてそのデータはどんなにブロックを掛けたところで、それを打ち破る技術も開発されるだろうし、いずれ一般に流出することになる。
そうするとYouTubeのマンガ版のようなサイトも現れるだろうし、iPodの進化版ではダウンロードしたマンガを大量に保存し、いつでも気軽に取り出せ、読めるようになるかもしれない。

膨大な過去の作品が無料で誰でも読めてしまう…
そんな時代が来る日もそう遠くないのではないか。

そうなるとユーザーはわざわざ高い対価を支払ってまで新作を読むということをしなくなる。これは我々現役の漫画家にとっては非常にゆゆしき問題であると言えよう。
いや、ひいては漫画界全体の問題とも言えるかも知れない。
だからといって、名作を幾つも抱える出版社が作品のデータ化を取りやめるということはしないだろう。目先の利益の方が重要だからだ。

こんな不毛な未来を感じつつも、生活のために今日も新作マンガをせっせせっせと描く。
ということで、週刊ヤングジャンプ4月26日売りより新連載が始まります。
1999年から不定期で掲載していた『犬のジュース屋さん』完全週刊連載化です。
名作といわれる過去の偉大な作品群を凌駕するのは並大抵のことではないですが、取りあえず今できることは前に進むこと。より多くの人に笑いを提供できるように。