夕方、少し涼しくなってから伊座利峠に向かう。
湿度が高く、向かい風。
やはり今は朝の方がいい。
伊座利峠は雲が多い割に水平線くっきりだった。
久しぶりに港まで下りてみた。
特にいつもと変わらない港の風景。
南風なので、さざ波が中まで入ってきていた。
真ん中の突堤の先に釣り人が一人。
この風では釣りづらいだろうに。
イカかな?
今ってイカが釣れる時期ではないような気がするんだけど…。
港からの登り返しの途中、僕を抜いていく赤い軽自動車。
二人の若い女性が珍しそうにこっちを見ていた。
今時、自転車乗りなど珍しくもないだろうに。
たぶん伊座利カフェにでも行っていたのだろう。
そういえば伊座利には何度も来てるけど、
カフェにはしばらく寄ってないなぁ…。
昼間はまだまだ残暑と蝉の声だけど、
朝はだいぶ秋めいてきて、
路傍の草むらから虫の音が聞こえてくるようになった。
今朝は伊座利峠へ向かうつもりで家を出た。
しかし、やけに朝焼けが鮮やかだったので、
行先を変更して那賀川大橋に向かった。
8月に入って、今まで見られなかった日の出を何回も見られるようになったけど、
1日も7日も台風の直前だった。
朝焼けや夕焼けは上空にある程度雲があるから見えるわけで、
快晴だと茜色が広範囲に広がることはない。
1日と7日は台風外縁の雲によってダイナミックな朝焼けになっていたのだろう。
台風ではないけど、今朝も上空には雲が多く、これはやはり前線によるものだろう。
今朝の朝焼けはいつになく広範囲に広がって、
西側の雲までオレンジ色に染まっていた。
那賀川大橋の上から朝焼けの空を撮ってからは、
那賀川左岸の堤防を上流に向かった。
持井まで走って、勝浦へ抜けた。
新しい道を探して、星谷農免とは違うみかん畑の道に登ってみることにした。
星谷農免よりも下流側で、山腹にガードレールが見えてる道なのだけど、
道幅が狭く、急勾配、おまけに舗装はコンクリートだった。
下から上まで全部立ち漕ぎで、
最後は登坂不能な勾配になったのでUターンした。
家に戻って地形図で確認したら、行き止まりになっていた。
まあ、ここはもう来ることはないと思う。
脚は重かったけど、腕が軽かった。
登坂の際の腕は上体を支えつつ、足の反作用を受け止めていて、
結構疲労がたまってくるもので、
ブルべで剣山に登ったのが、いい練習になったみたい。
いままでは100kmを超えることすら少なかったけど、
たまには長い距離、長い登坂ををこなした方がいいということがよくわかった。
気候がよくなったら、再びロングライドに出かけてみたい。
11:36 見ノ越到着。
「霧の峰」でスタッフの方に番号と名前を告げる。
Ebiさんとはさんの姿がない。
そのまま先行したか…と、思ったら店の前に見慣れたトレックが…。
店の奥をと覗くと、二人がテーブルに座ってうどんを食べていた。
当初、僕はここで食事をするつもりではなかった。
過去の経験から、たぶん見ノ越は身震いするほどの寒さで、
身体を冷やさないうちに下る方が得策と考えていた。
ところが、意外と暖かかった。
インナーもウォーマーもなしの僕が路上にいても、
鳥肌が立つようなことはなかった。
ならばと、僕もここでうどんを腹に入れることにした。
4県庁なら、こんなにのんびりしてはいられないのだけど、
BRMの制限時間にはかなり余裕がある。
さすがに下りは寒そうだったので、用意していたベストを着用した。
例によって流れ落ちる谷川の横を通るときは一瞬冷気に包まれるけど、
歯がガタガタ鳴るほどの下りではなく、パンクにだけ注意していればよかった。
丸石パークランド(二重かずら橋)まで下れば、つづら折りの道は終了。
その先も西祖谷までは下り基調。
所々改良やバイパス化されていて、快調に飛ばした。
そのうち、急激に腹が減ってきた。
さっきうどんを食べたばかりなのに…。
いや、うどん一杯だけでは少なすぎたのだ。
うどん+どんぶりくらいでちょうど良かった。
空腹に耐えかね、京上で止って、持っていたおにぎりを頬張った。
西祖谷から先も県道32号で祖谷川右岸を池田まで走る。
長年自転車をやっていると、祖谷の道もすっかりお馴染みとなった。
西祖谷の町を抜けると祖谷温泉の手前まで緩やかだけど、登りになる。
もうかなり脚にきているので、20㎞/hくらいで走っても、かなり辛かった。
祖谷温泉から祖谷口までは再び下りで、少しだけ蘇った。
祖谷口のあたりで突然ケータイが鳴った。
「大雨洪水警報が発令されました。14時50分から対策会議を開きますので、集まってください。」
「ごめん。今日は無理。今、祖谷口を自転車で走ってるとこ。
絶対に間に合わんけん、そっちのスタッフだけでなんとかしてくれ。」
そういう他なかった。
しかし、徳島に戻っても警報が解除されてなければ、
200㎞走った後で仕事が待っていることになる。
再び、腹が減ってきたので、東みよし町昼間のローソン(PC1)を待たずに、
池田のセブンイレブンで補給した。
ついでにビタミン剤とミネラルのサプリメントを飲んだ。
県道12号は所々アップダウンが出現し、そのたびに脚に堪える。
ペースが落ちてしまいそうだったので、後ろで少し休ませてもらうことにした。
そのうち、雨が激しくなってきた。
ドロドロだった脚が見る間に綺麗になった。
今日は最後まで雨の中だった。
GS(シェル)のわかりにくいポイントを右折し、潜水橋を渡ろうとすると、
降り口にバリケードが置いてあり、通行止めの看板が掛けられていた。
そら、こんだけ増水すれば、潜水橋は潜水しとるわな…。
仕方なくスタッフに連絡すると、「迂回してください」とのこと。
上流側でも下流側でもよいとのことだったけど、
上流側に迂回すると余分に走ることになるので、
土手を下流側へ走って、R318の阿波中央橋から戻ることにした。
17:31 ミニストップ鴨島知恵島店に到着。
200kmとしては、ここがフィニッシュ。
休憩も含めた所要時間は11時間1分となった。
200kmでこのタイムでは、再び4県庁を走ったとしても、
成功しそうにないなぁ…。
ARIVEEの石井町 飯尾川公園。
本日のスタッフは2名のみ。
もちろん道路使用許可などなし。(たぶん…)
8:16 セブンイレブンつるぎ町貞光店到着。
ここまでの距離は44.3㎞。
これは、ちょうど朝練で走るくらいの距離。
走りなれている距離を超えてから、どこまで持つかが心配だった。
貞光から剣橋までは貞光川沿いの上り基調。
昨年の紅葉サイクリングでは同じ道を見ノ越から貞光へと下った。
剣山に向かって走るのは5年ぶりくらい。
以前はAV20km/hくらいでは走っていたと思うけど、
貞光までで結構脚にきていたので、
ペースはぐっと落ちてしまった。
剣橋からは本格的な登坂開始。
すぐにEbiさんとはさんに置いていかれる。
さらに2名の後続のランドヌールにも抜かれた。
ここまで走れたらもういいだろう。
あとはゆっくりいこう。
Ebiさんとはさんに先行するように伝えられなかったのが気がかりだった。
剣橋から見ノ越まではうんざりするほど長いヒルクライム。
長距離を走り慣れていない体は、脚よりも二の腕の筋肉が疲弊していた。
登坂中に2名がパンクしていた。
「大丈夫ですか?」と声をかけると、
一人は「大丈夫です」といったけど、
もう一人は「タイヤサイドを切ってしまいました。ダメかも知れない」とのこと。
軽装の自分はそんなパンクに対応できる装備も持っておらず、
どうすることもできなかった。
終始雨の中、剣山を登るのは初めてだった。
大雨警報が出ている割には、降り方が激しくないのがせめてもの救いではあった。
ラフォーレの前を通過し、見ノ越への下りに転じたところで、剣山を撮ってみた。
天気のいい時には山頂までよく見えるポイントなのだけど、
雲に覆われて、山の形もよくわからなかった。
16日夜明け前、
天気予報をチェックしたら、県西部に大雨警報が出ていた。
ブルべの実施要項には次のように書かれていた。
「気象状況の悪化などにより中止や延期にすることもあります。」
こりゃもう中止かも?
でも、600kmとか、過酷な挑戦をやるイベントだから、
台風でもない限りやるのではないかと思い、
雨の中を走る用意をしてスタート地点の徳島駅前に行ってみた。
6時10分頃に駅に着くと、Ebiさんが先に来ていた。
やはり中止ではないみたい。
スタッフの方に参加申し込み用紙を提出すると、
ブルべカードを渡された。
初めて見るブルべカード。
オレンジ色の三つ折りのカードで、通過チェック地点の時刻を記入する欄や、
スタッフの連絡先が書かれている。
これはゴール後提出するので、走行中に紛失しないようにしなければならない。
後から、はさんも到着。
しかし、K上さんはDNSとのこと。
他にも100名近い参加者のうち、ほぼ半数がDNS。
ソードダンサーは6:30と7:00のスタート合わせて約50名だった。
スタッフの方によるブリーフィングの後、装備チェックをしてスタート。
ここで、はさんに問題発生。
反射グッズが小さすぎて認めてもらえなかったのだ。
しかし、他の参加者から予備のベストを借りることができて事なきを得た。
本日のコースは徳島駅前を出た後、R192で貞光、
R438に移って見ノ越~祖谷(R439)~池田~県道12号~飯尾川公園(石井町)。
当初は神山から川井峠経由だったのだけど、
台風11号でR438が通行止めになったので、
貞光回りに変更されていた。
徳島駅前から空を見上げると西の方がやけに暗かった。
「これは石井あたりから雨やなぁ」
そう思っていたら、ずっと手前の佐古から降ってきた。
水しぶきを上げながら、R192を一路西へ。
しかし、警報が出ている程の雨量ではなかった。
通過チェックはセブンイレブンつるぎ町貞光店、
レストハウス霧の峰(見ノ越)、ローソン東みよし町昼間店、
ミニストップ鴨島知恵島店そして最後がゴールの飯尾川公園(石井町)。
ブルべとは自転車でやるオリエンテーリングと思えばいい。
コンビニでは買い物をしてレシートをもらうことで、通過確認とし、
通過時刻はレシートにプリントされた時刻となる。