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Editor's Talk

日々の泡…

タロウ永眠す

2013-12-22 23:55:44 | ペット

昨日の午後、タロウが逝った。
タロウがわが家に来たのは平成10年の春。
右足を骨折して、動けない子犬だった。
当時、開業して間もなかった動物病院へ連れて行き、
大した治療もしなかったのに、すっかり元気になって、
まだ更地ばっかりだった団地の中を走り回るようになった。
大きくなってからはどこにでも一緒に出かけた。
クルマが大好きでトランクを開けたら飛び乗ってきた。
しかし、10才を過ぎる頃になると躊躇するようになり、
12・3才になると自力では飛び乗れなくなった。
もはやじゃれて遊ぶこともなくなり、すっかり老犬になっていた。
それでも食欲は旺盛で散歩も若い頃と同じコースを歩いた。
それが、今年の春頃から長い距離を歩けなくなり、
散歩はノロノロで、団地内から出られなくなってしまった。
果たして夏が乗り越えられるかと、心配したけど、なんとか今年の猛暑を乗り越えた。
相変わらず、食欲だけは旺盛でドッグフードの減りは若い頃と変わらなかった。
それなのに体は痩せて、いくら食べても太らないのだった。
小便や糞を我慢できなくなり、小屋の周りを汚してしまうので、消臭剤が欠かせなくなっていた。
秋頃からは後ろ足の運びか危なっかしくなり、ヨタヨタとさらに時間をかけて歩いた。
先週の火曜日ついに立てなくなり、要介護状態となった。
そして、金曜日から食事を摂らなくなり、土曜日の午後、眠るように息を引き取った。
年齢はほぼ16才に達したところだった。
夕方、冷たくなっていく体をきれいに拭いてやり、
ペット葬儀屋に頼んで、火葬にしてもらうことにした。
今朝の10時、炉に入れる前にタロウの体重を計ったら、
20kgあった体重が11kgになっていた。
Taro01
金曜日の昼、もう大好きだったパンも食べなくなり、水と牛乳を少しだけ飲んだ


耳サンドイッチ

2010-09-26 23:44:38 | ペット

22日の夕方、タロウを迎えに行った。
診察室のドアが開くとタロウはのそっと出てきた。
左耳は裏と表からスポンジで挟まれ、糸で縫い合わされていた。
嬉しそうな顔をして寄ってくるかと思っていたら、
動くのもめんどくさいといった感じで、あまり元気がない。
まあ、手術したばかりだから仕方がないだろう。
人間なら、もう一日くらいは入院しているところだ。
抜糸は2週間後。
体液がたまったために、はがれてしまった皮膚と軟骨がくっついてからになるそうだ。
それまでは耳サンドイッチで過ごさなければならない。
幸いスポンジは白と淡いブルーのストライプで、ちょっとお洒落
…といってもタロウにとってはどうでもいいことだが…。

クルマに乗せる前に少し歩かせた方がいいといわれたので、
バイパスの歩道でちょっとだけ散歩した。
50mほど歩くと、歩道の植込みに向かって長々とおしっこをした。
タロウが外出先でおしっこをするときは、普段の散歩のときのようなマーキングではなく、
人間と同じように、おしっこを一箇所に全部出す。
それにしても、今回のおしっこはなかなか終わらなかった。
預けてからまる一日、散歩をしてくれてなかったようだ。
やれやれ…。
僕はクルマまで戻り、タロウを乗せると帰宅した。

Tarou02
耳サンドイッチになったタロウ

タロウはもともと捨て犬だった。
僕が住んでいる団地ができたばかりの頃、よく犬や猫が周りに捨てられた。
情けない飼い主たちは団地の人に拾ってもらうことを願って、
小さく弱々しい家族を置き去りにしていった。
まったく無責任かつ迷惑な話だ。
僕はもともとペットを飼う気はなかったし、
無責任な飼い主の思うツボにはまるのも嫌だったので、
捨てられた犬や猫を見かけても、家に連れて帰ることはなかった。

1998年の3月、しとしと小雨の降る朝、
団地の前にある神社の横に白い子犬が捨てられていた。
クルマで出かけるときに見つけて、「またか…」と、朝からうんざりした気分になった。
その日の夕方、その子犬は帰ってきても同じ場所に同じ格好でいた。
そして、一日じゅう降る雨に濡れるままになっていた。
ちょっと動けば木の下の雨の当たらない場所があるのに、変だなと思って僕はクルマを止めた。
拾って帰れないけど、せめて雨の当たらない所に置いてやろうと、持ち上げようとしたら、
キャーンと悲鳴をあげた。
どうやら後ろ脚が痛くて動かないようだった。
それで、朝からずっと同じ所にいたのか。
でも、見た限り外傷はないので、障害をもって生まれてきたのかも知れなかった。(つづく)


耳血腫

2010-09-23 22:34:23 | ペット

月曜日の夕方、タロウの耳が腫れていた。
朝散歩したときは何の異常もなかったのに、気がつけば水ぶくれのようになって、
重みで立っていた耳が垂れてしまっていた。
耳が炎症を起こすことはこれまでにも何度かあった。
耳の中がじくじくして臭くなるのだ。
そうなるとタロウはかゆがり、後ろ足を耳の中に突っ込んで掻いた。
そのときは気持ちがいいのか、
犬のくせに「んー、んー」と悩ましそうな声を出すのだった。
しかし、何回も掻いているうちに、
立っていた耳は傾いてまるでベレー帽を被ったような顔になった。
最初の頃は動物病院に連れていっていたが、
そのうち耳の中を拭いて人間用の軟膏を塗るだけにしていた。
そんな処置でも次の日になると治っていた。
しかし、今回はだいぶ様子が違う。
それほど痛そうではないが、腫れた耳に触られるのは嫌がった。

タロウはもうすぐ13歳になる。
人間の年齢に換算すると、もう70歳くらいになるらしい。
一見それほど歳を取っているようには見えないけど、
歯はすり減っているし、若かったときほど高く飛び上がることができなくなった。
以前はよく自分の犬小屋の屋根に飛び乗って寝ていたが、2年くらい前からできなくなった。
クルマに乗るのが小さいときから大好きで、リアのドアを開けたら飛び乗ってきていたのだが、
それも今では何回も躊躇した挙句、よっこらしょという感じで這い上がるように乗ってくる。
たぶんそのうち抱えてやらなければ乗れなくなるだろう。

火曜日の夕方、耳の腫れの引かないタロウを病院に連れていった。
実は事前にネットで調べたところ、どうも耳血腫という病気らしかったからだ。
耳の中に溜まった血液や体液を注射器で吸引したり、
切開して排出しなければいけないみたいだった。
いきつけの病院はいつも混んでいて、治療となると長いこと待たされることが多いのに、
たまたまこの日は空いていて、すぐに診てもらえた。
医師からはやはり耳血腫といわれた。
全身麻酔で切開して体液を排出した後、
スポンジで耳をサンドイッチみたいに挟んで治療するとのこと。
結局タロウはそのまま入院となった。
明日の夕方には処置が終わっているので取りに来てくださいといわれた。
これまで何度か治療を受けてきたが、お泊りになったのは今回が初めて。
さらに、全身麻酔だって初めてなのだ。
もう、高齢犬なのに大丈夫だろうか?
タロウを一匹で病院に残して帰るのは心配だった。(つづく)