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少年時代

2021年10月18日 18時11分01秒 | 日記

 

 画像は少年時代によく寄っていた小さな神社です。

 今日は少年詩を書いたあとは、詩集などを読みひたすら礼状を書いていました。

 

     なんとなく
 
  雨がふりそうになると
  タヌキも
  イノシシも
  クスノキの下へいく
 
  タヌキは
  なんとなく
  イノシシにあえそうで
 
  イノシシも
  なんとなく
  タヌキにあえそうで
 
  ふたりは
  クスノキの下で
  雨やどりしながら
  なんとなくうれしくなり
  なんとなく雨がすきになる
 
  なにもはなさなくても
  ずっとだまっていても
 
     ともだちや絵本美術館
 
  わたしは六歳のこどもになり
  坂をのぼっていく
  二十八歳で逝った母が
  とまどわないように
  ──かあちゃん。
 
  ふたりは木のベンチに座り
  青くかすむ雲仙をながめる
  ──たっかねえ。
  ──うん、たっか山ねえ。
 
  母は絵本を手に
  ふしぎそうにつぶやく
  ──りんちゃんとおなじ名前の人よ。
  ──おれは本なんか書けん。
 
  市内電車は諏訪川をわたる
  ──つぎは三川町一丁目。
  母にもたれながらねむるわたしを
  オオカミとキツネがくすぐる
 
  女の子が
  夕やけの空を
  のぼっていく電車をみていた
 
コメント (4)
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