『みんなのお寺』 ブッダによる幸せの種がまかれた園

宗派を超え、国境を超え、時を超えて、仏教・ブッダの教えの真理に触れる事の出来る幸せの精舎を目指す『お寺』です

どうやって情緒を育てるの?

2007年10月08日 | 仏教的 『子育て』
子どもの心を安定させてあげる為の基本は、まずは親自身が自分の心を停めることです。

『心を停める』?なんだか変な事を言うなぁ、と思われるかもしれませんが、これは仏教の基本でもあるかと思います。

我々凡夫の心は仏さまと違い、停まる事なく常に動き続けています。

心は常に何かを考えているか、はたまたボーっとしているかでしょう。

『心を停める』とは、今の瞬間の心を見つめなさいという事なのです。

喜んでいる時には喜んでいる事に気付き、悲しんでいる時には悲しんでいる事に気付き、怒っている時には怒っている事に気付く。

自分の心に、その瞬間その瞬間に気付く事によって、冷静に物事に対処できるという事なのです。



例えば、あなたの子どもがお店で欲しい物を見つけた時はいつも買ってもらえるまで泣き暴れる子どもだとします。

そして今日も夕食の買い物の時におまけ付きのお菓子が欲しい、と泣き暴れています。

このような場面に直面したら、あなたならどうしますか?

「うるさい!いつもダメだって言ってるでしょ!ママもう1人で家に帰るからね!」

などと目の玉をむき出しそうな勢いで叱り付けていませんか。

『心を停める』というのは、その様な怒りの言葉が出る前に、怒っている自分に気付きなさいよ、そして心を落ち着けなさいよ、という事なのです。

「うるさい!いつもダメだって言ってるでしょ!ママもう1人で家に帰るからね!」

という様な言葉が出る前に、私は怒っている、と自分に言い聞かせる事で落ち着きを取り戻します。

そして子どもはおまけ付きのお菓子が欲しくてたまらないんだ、じゃあ子どもと同じ気持ちになってあげよう、と見守る気持ちで

「○○ちゃん、このお菓子欲しいねぇ。」と一息置いてから、

「ママね、○○ちゃんにこのお菓子買ってあげたいけど○○だから買ってあげられないの。ごめんねぇ。」

と言って子どもの悲しみを二人で分け合ったらどうですか。

そう言いながら、子どもに考える時間を与えてあげる事で、子どもは自分の悲しみやわがままな気持ちを和らげる事ができるんじゃないですか。

それはまさに、情緒の安定に繋がるのです。



例えば、あなたの子どもがテストの答案を持って来たとします。

前回のテストの点数は50点で今回は60点だったとします。

あなたなら子どもにどのような言葉を掛けますか。


「あんたはやっぱり私の子どもでバカねぇ」①

「何で60点しか取れないの!この次はもっと頑張りなさい!」②

「あんたのお姉ちゃんはもっといい点取ってるよ」③


このたぐいの言葉掛けは、あまり勧められるものではないですね。

①は自信をなくすでしょうし、②はけなされ命令されているように感じるでしょうし、③は比べられ差別を感じるでしょう。

これらの言葉は子どもの感情を逆なでし、情緒を不安定にする言葉です。

ここでもやはり『心を停める』事をしてから関わるべきです。

この子はバカだ、と思っている自分に気づき、そしてこの子は前回より10点多く取ったんだ。

この子は頑張ったんだ、とその子の気持ちに共感して「頑張ったね」「良かったね」一言褒めてあげればいいんじゃないんですか。

子どもは自分を応援してくれている人がいる、と感じる。

それは情緒の安定に繋がりますね。



例えば、子どもがイライラしています。

理由も何もわかりません。

話をしようともしません。

「どうしたの?」と優しく話し掛けても「うるさい!放っておいて!」との返事。

人生は色々な事があります。

「お母さんあなたの事がとっても心配なんだけど。落ち着いて話したくなったら話してね」

子どもは、自分の拠り所が当たり前にあるだけで情緒の安定を保つ事ができます。

親が冷静に子どもに対処すれば、子どもの情緒は安定するものです。

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