『子どもが善い事をした時、どう接する?』これは答えが明白です。
思い切り褒めてあげましょう。
褒められたいから善い事をする、と言うのもなんだか違う気がいたしますが、善い事をする事を学んでいく上では大切なことです。
子どもは善悪の判断を人間関係によって学んでいきます。
中国唐代の禅僧・鳥窠道林はこのような言葉を残しています。
「良い事・悪い事は3歳の子どもでも知っている」
やはり人間は善い事も悪い事もある程度意識して行っているのではないでしょうか。
「分かっちゃいるけど止められない」という言葉が流行った時期もありましたが、悪い事はついついやってしまうものなのです。
特に気を付けたいのは子どもが悪い事をした時の関わりです。
子どもが悪い事をした時、怒るのは絶対にしてはいけない事です。
怒るという気持ちは、仏教では『瞋恚』といいます。
人であれ物であれ出来事であれ、その対象を遠ざけたいという心の状態です。
怒るという行為は、一見周りの人を怖がらせる、というイメージがあるかもしれませんが、実はその反対で、怒っている本人がその状況を怖がっていて、その状況から逃げたがっているのです。
それは、あたかもスカンクが危険を感じて、おならの毒をあたり構わずに撒き散らすようなものです。
怒るという事は自他を問わず、ろくな事がありません。
怒るのは絶対にしてはいけない、とすればどうすればいいのですか?と思われるかもしれませんが、簡単です。
叱るのです。
叱る時は常に冷静です。
子どもが行った悪い行為を見守りながらの関わりです。
基本は『どうやって情緒を育てるの?』で書かれている事と同じです。
まず『心を停める』
自分の気持ちに気付き、正直になること。
そして落ち着いて関わってください。
悪い行為を行う事は、仏教では、必ず自分に返ってくると教えています。
結局は自分が損をするのです。
子どもが不幸になる事を望む親はいないと思います。
いるとしたら、親自身が自分の気持ちに正直になれず、自分を大切にしていないからでしょうね。
子どもでも同じで、自分の気持ちに正直になれず、自分を大切にしていない人がいます。
それは悲しい事です。
自分の気持ちに正直になれること。
これは悪い行為を乗り越えて、善い行為を行うための出発点なのかもしれませんよ。