琳派墨絵保存倶楽部・部誌 「なてし子」

江戸琳派の祖、酒井抱一家に伝来する本格的な琳派の画法を継承している「琳派墨絵保存倶楽部」の活動日誌ブログです。

留学生向け 墨絵ワークショップ開催(5月) 禅の思想

2017年09月19日 | 教室案内
今年の5月は、

東京農業大学様 並びに 昭和女子大学様において、
留学生向け 墨絵ワークショップを開催させていただきました。

のべ17名様のご参加で、8カ国からの留学生たちと
たのしく、わくわくしながら、水墨画を学ばせていただきました。

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私はクラスの冒頭では、いつも申し上げているのです。

「日本では、若い人で伝統的な事を続ける人が少ないので、
水墨画も危機にさらされていると思います。

ぜひ、今回このワークショップで学んだ水墨画の美しさを、
ご自分の国に持って帰って下さい。
そして、ご家族やご友人の皆さんと、水墨画について話をして共有して下さい。」

そして、クラスの最後では

「今日、皆さんが勉強された水墨画ですが、
今後皆さんのまわりで、水墨画をやってみたいけれど、やり方が分からない。と言う方がいたら、
ぜひ、教えてあげて下さい。」

と、お伝えしています。




今回、嬉しかったのは「これからも続けていきたい」と言って下さった生徒さんが
多かった事です。

ぜひ、そのようにして興味を持った事を続けて頂いて、
一流になっていただきたいと思います。





今回は、大学の職員のかたのご協力で、
授業後の生徒さんが、どのようにクラスを受け止めてくれたのかを
知ることができました。

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ink art(水墨画)について教える、「special class」を 受講し、
日本語も勉強できた。難しかったが、この国の歴史と文化を理解できたのは素晴らしかった。と
SNSで報告していらっしゃいます。
その後も、留学して最初の1週間でこんな所に行った、こんな事をしたという記事がつづき、
it actually is the best experience ever in my life!(いい経験になった!)と
行間からも喜びが伝わってきます。



大学の職員の方々が、どんなに心を尽くして
留学生たちを温かく歓迎して、濃密な留学プログラムを考えていらっしゃる事かと、
私も胸を熱くします。
大学の職員の方々と、私も気持ちを一つにして、
こうした留学生向けワークショップが開催できるのだと思っています。






充実した、素晴らしい5月にさせて頂き、私も大満足しながら終了するつもりでおりましたが、
大学からの帰り道、若葉の下を通りながら、

「もっと先を行ったプログラムにしたい。
もっと、「禅」とかの思想性を含んだプログラムにしたい。
そこまで行けば、必ずどんな学生さんにとっても
将来的に役に立つ経験になる。」

と、考え始めました。

絵の好きな学生さんは、もっと続けたいと言ってくれるのですが、
絵が描けなかったとしても、実りのある経験にする可能性を持っているのが、
水墨画だと思うのです。

そこで、私はもう一度プログラムを練り直す事にしました。

この、5月の大学ワークショップと皆さんとの出会いがなければ
生まれなかった発想でした。
そして、それは7月の別のチャンスで試される事となっていきました。



琳派墨絵クラブ






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