琳派墨絵保存倶楽部・部誌 「なてし子」

江戸琳派の祖、酒井抱一家に伝来する本格的な琳派の画法を継承している「琳派墨絵保存倶楽部」の活動日誌ブログです。

生徒さんの素晴らしい作品-2

2018年05月17日 | 琳派、日本画、酒井抱一

 

先日、海外(スイス)から「立雛図」を習得したい、との事で

教室を訪ねて来て下さった方がいました。

 

2日間の日程で、かなり集中的に

日本画の道具の基礎知識や、水干絵具の扱い方、塗り方など

レクチャーをいたしました。

 

作品がだんだん出来上がるにつれ、

横からみているこちらも ワクワクとし、

気分が高揚しました。

 

そして、見事完成し、

両腕をあげて

大喜びして帰国されました。

 

これから4人のお孫さん(4人とも娘さん)にも

1枚づつ描いて お誕生日にプレゼントするのだそうです。

 

そして、スイスから送られてきたお写真がこちらです。

竹の素材を使った、色紙立ても、

どこで手に入れたのでしょうね?

このような日本ではもう販売されてもいないような骨董が、

海外にあることの不思議です。

 

とても、シックに素敵に飾っていらっしゃいます。

生活の潤いになっているのが わかりますね。

 

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前回にも、生徒さんの作品を記事に取り上げさせて

いただきましたが、

 

伝統的な文化を、このように自然に取り入れる事ができるというのが

すばらしい事ですね。その文化の、意味についてはそのまま尊重して、

自分のものにしようという行為が、素晴らしいのです。

 

前回ご紹介した作品でも、 

差し上げる方の苗字に「山」がつくから、という理由で

立雛図のたとうの着物の柄に、「富士山」が描いてありました。

 

伝統を革新する、という事は 今までも言われていますが、私には、これこそが 

新しいと思うのです。

いえ、新しさを産む 源(みなもと)と言うのでしょうか。

 

現代に生きる私達が、

この身の丈のままで  真心をこめ、 

文化の意味もそのままする 敬意を持って

描いたものは

もうすでに、 新しい絵画だと 思います。 

 

この身の丈にあった発想で、

これからも どんどん どんどん

作品が誕生していってくれれば いいと思います。

 

それから、色紙サイズもいいですね。

贈り物にしたり、季節で掛け替えたり。

色紙は、古いものではなく、

再び取り上げられ、ひょっとしたら 主流になるかもしれない程の

実力を秘めていると 思います。

 

 

琳派墨絵クラブ

 

 

 


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