先日、オーストラリアから
墨絵を習いに来て下さった2人がいました。
実技は竹ですとか、山ですとか、その他に水墨画の歴史などについて
講義をしました。
最後に色紙に完成して頂いた作品がこちらです。
大変オーソドックスな お手本どおりの竹をなさったのは
ジュエリーデザインに活用します、とおっしゃていた方。
早速に、アレンジをし、ご自分の表現を追求されたのは、
撮影した写真と併せて、1枚の作品に作り直したいと
意気込んでいらした写真家の方です。
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水墨画をこのように紹介でき、
それが、このように広がりを予感させてくれるというのは、
とても幸せなことです。
多くの人が、
水墨画なんだから、もっと1から時間をかけて
こつこつと習得しなければ、本物ではない!と
思っていらっしゃる事でしょう。
それも正解ですが、
生涯をかけて習得する方への尊敬はのこしつつ、
ペン画や コンピューター・グラフィックの様に
「新しく とりいれてみようじゃないか。」
という素材に 墨絵がなるのは、
大変結構なことだと 私は思います。
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これから、どんなジュエリーが出来、
どんな写真作品になるのでしょう。
誰の何になっていく事でしょう。
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伝統絵画の描き方を使って、
伝統的なモチーフや、作品形態に
留まっている必要はないわけです。
しかし、その伝統的なモチーフ、たとえば竹だとか山などを使って
より個人的な表現も可能です。
水墨画は、
墨と水の量で 様々に変化しますから、
「こんな、まだ見ぬ 自分が あったのか。」
という 表現の欲求・醍醐味 には
初心者、上級者の隔てなく
応えてくれると思っています。
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けして、大げさな事をいうつもりはないのですが、
古典技法というものを
今の私達が もう一度取り上げてみると、
今度こそ、
西洋の絵画技法に頼らない形での、
次の近代化に 未来の船を進めることができるような気がいたします。
琳派墨絵クラブ