おかやどかり随想録

おかやど日記の続編です。

2005年おかやどかり事情(1)さらなるブーム?

2005-06-16 16:39:21 | Weblog

去年はトミーのハーミーズクラブで大騒ぎとなり、おかやどかりは一気にメジャーな「ペット」となったようです。今年はどうでしょうか?

もうBBSでも何度も話題になってますし、あちこちのおかやどかり関係のサイトやブログでも取り沙汰されているように、今年はマルカンがハーミーズクラブとそっくりのヤドカリランドというものを売り出しました。そして、トミーのハーミーズクラブも少々デザイン変更はあるもののまた売り出されました。マルカンはペットショップでのみ取り扱いをする、店頭では身動きできない小さなパックに詰めて並べるののではなく大きな飼育ケースに放し飼いにして、購入の際の持ち帰り用としてパックを使うという表明していましたが、実際にはパック詰めのままおかれている店舗もあるようです。

幸い、私の周りではカプセル詰めは見かけていません。
私が実際に今年何軒かみた店舗では十分な隠れ家が無いとか、砂が少ないとか、保温用のランプで明々と照らされているなどの改善して欲しい点はあったにせよ、とりあえずは広いケースに水入れと餌があるという状況で、去年、ハーミーズクラブがあまりにも悲惨であったことを思えばかなりましにはなっているという印象でした。
広い飼育ケースに出されていないところもありましたが、一応カプセルからは出され、お水と餌を入れた状態で一匹ずつ販売用のケースに入っていて、まずまずの状態でした。
しかし、あちこちでやはりカプセルに詰められたまま置かれているという話も聞いています。

そして、去年からのオカヤドブームにのってネットショップにもオカヤドカリを扱うところがものすごくたくさん登場しています。もともとあったネットショップに新しくオカヤドカリを商品として加える場合もあれば、オカヤドカリ専門のショップもいくつか・・。
5年前に通信販売で買えるのは郵便局のふるさと小包か沖縄のりゅうか商事さんだけだったことを考えると本当におどろくべき現象です。

さらに、去年はオキャッピー(カラフルなプラスチックキャップに入っている)や、せいぜい‘珍しい’という簡単な修飾語がついたナキオカヤドカリがちょっと高めの値段で売られていて悪どい商売やなと思ったものですが、そんなもんかわいかったと今年の市場を見て思います。

色がちょっと珍しいからといって高い値段をつけるのは去年からぼちぼち出ていましたが、今年はそれが甚だしい。まさに‘法外’です。おまけにオークションに当たり前のように「非常に貴重な」オカヤドカリたちが出品されています。
オークションも去年から出始めていましたが、今年の値段の上がり方は異常です。
オカヤドカリは脱皮ごとに色が変わってきますし、また自然界で暮らしているのと飼育下では色が変わってきます。しかも昨日まで普通に見えたのが今日は貝から飛び出し、え~、どうした?と思っているうちに天国へ旅立ってしまうことだってままあることです。それなのに何万も投じるのはどういうことなんでしょうねぇ。出品することにもあきれますが、買い手がつく以上、こういうおかしな現象は続くのでしょうね。

ちょっと変わったのが欲しくて仕方がない人には誰がなんて言ったってなかなか聞く耳もたないとは思いますが、損をするのは自分だということに早く気がついて、偽善者が暴利をむさぼるのに協力するのはやめて欲しいと思います。

さらに、これも今年からというわけではないのですが、外国産のオカヤドカリがなぜか売られていることがあります。
日本では希少種のオオナキオカヤドカリなどを持ち込んで日本産として高い値をつける場合と、明らかに日本にはいないハズのフロリダ出身のオカヤドカリなどが堂々と「外国産」として売られている場合があります。
もちろんこれはどっちも違法ですよ。
前者は非常に判断が難しいです。遺伝子の地域性にまで踏み込んで調べなければぱっと見じゃ絶対わからない。
後者は簡単です。どう見たってウチナンチューの顔してませんから。
外国産のオカヤドカリは防疫法で植物にとって有害動物とされ、日本国内への持ち込みは一切認められていません。(植物防疫所は他の政府の機関と違ってなかなか国民に親切です。一介の主婦の疑問にもとても親切に答えてくださいました。)
それなのになぜ実際には外国産のものが持ち込まれているのか?
一言で言うと密輸入です。なぜ取り締まれないかということはここに書くと真似をされるので書きませんが、実際問題として完全に持ち込みを防ぐのは非常に難しいようです。
ただし、外国産が売られているのを告発すれば、きちんと調査をしてそれなりの対応をしますとのこと。発見された方、ぜひお近くの防疫所(日本各地にあります)へご一報ください。

あ、なぜ外国産がダメかって話ですよね。
オカヤドカリ(に限らずヤドカリもですが)の研究で有名な今福先生のお話では、現時点で世界のオカヤドカリに伝染性の病気は見つかっていないとのこと。まあ見つかっていないだけかもしれないですが、とりあえず病気を持ち込む心配はあまり無さそう。それより、飼えなくなったり、もしくは脱走したりで日本の野に(浜に?)外国産のオカヤドカリが放たれることが問題でしょう。
日本のオカヤドカリの生態系を乱し、最悪日本産を駆逐してしまうかもしれない。
これはめだかやブラックバスなどの問題を見ていただければ容易に想像できるでしょう。

手に入れた人がそのヤドカリが寿命を全うするまで絶対に外に出さないならば大丈夫かもしれないけど、クワガタやカブトでも貴重な外国産のもので、手放すハズがないと思われていたものでも、やっぱりいつの間にか自然界に放たれてしまいました(勝手に逃げたのかもしれないけど)。
というわけで、絶対に野に(浜に?しつこい?)放つ心配がないと言い切れない以上、外国産を持ち込むのはやっぱり良くないのじゃないかな。

今おうちに外国産を飼っていらっしゃる方、かならず天寿を全うするまで大事に世話をしてあげて下さいね。