お前を救うのは神じゃない、お前自身だ
~ONE OUTSより~
ONE OUTS第13巻110話より主人公が菅平へ向かって言う台詞。この打席で結果が出なければ首という状況で2-0と追い込まれ、なすすべなく神にすがろうとする菅平の心を読んだかのようなこの言葉で菅平は一つの決意をするのであった。
この漫画は野球を描いた作品であるが、主人公の設定は正直むちゃくちゃである。ストレートの回転数と速度を操ると共に相手打者の心理を完璧に読み球速120キロほどしか出ない球で相手を翻弄していく。作中でも語られるが、彼は超一流の勝負師なので駆け引きが軽視されている現在の球界で活躍できるのだというストーリーになっている。そのためしばしば野球技術そっちのけで心理戦だけが展開されていく。また、今回紹介した台詞のようにかなり心に刺さる言葉が他にも数多く語られている。
菅平にはもはや相手ピッチャーの球を打ち返す技術はないので、彼はインコースのボールを避けず怪我覚悟でデッドボールをもらうことになる。それは尊敬する先輩がかつて勝利のために行った執念の行動だと聞いていたからだ。その結果場面は満塁だったため押し出しで一打点を上げることになり、主人公にこの打席はお前の勝ちだと認められる。
私はこの台詞をかなり人生の教訓にしている節がある。職場の同僚は確かに頼れるかもしれない。しかし最終的には自分なのだ。仕事だけではない、人生において自分自身の力がなければ解決できない場面は必ず訪れる。その時を迎えた時、やっておけばよかったと後悔することのない努力を自分は果たしてしているのだろうか?