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日々メモ(・w・)

気になった一言をメモするだけのブログ

俺なりの愛だ

2015-09-01 13:28:21 | 小説

俺なりの愛だ

~四畳半神話大系~

 

 

主人公である「私」が小説のラストシーンで小津に向かって言う言葉。壮絶?な冒険をした結果「私」にとって悪友の小津が何にも変えられない大切な人物だと気づいたのである。

この小説は主人公の大学生活を書いたものだが、第1話から最終話である第4話まで時系列が繋がっているものではなくそれぞれ1年生のあの時あの道を選んでいたらこうなった・・というものである。各話の〆は「私」の問いに小津がへらへら笑って

小津「僕なりの愛ですわい」

私 「そんな汚いもん、いらんわい」

という掛け合いになっている。これは毎回「私」がなんで小津なんかと知り合ってしまったのか・・という想いから発せられている。しかし最終話で「私」は、眠りから覚め住まいである四畳半の扉を開けるとそこには四畳半が広がっているという不可思議な世界に囚われてしまうことになる。扉を開けても窓を開けても壁を壊しても天井をぶち抜いてもそこには四畳半しかない空間の中で80日間も生活していくことになるのだが、ある日ふと気づくのである。よく見ると各四畳半は同じに見えて微妙に違いがある。もしかしたらここは違う選択をした場合の「私」の部屋なのではないだろうかと。そして無限に広がる四畳半の中で確かなものがあった。それはどのような選択をしたとしても必ず小津に出会った痕跡があるということだ。各話の「私」とは違い最終話の「私」は小津の存在の大切さを知ることになる。

最終話で小津は様々な人から反感を買い橋から川に落ちて入院することになる。入院先で見舞いに来た「私」が小津に対して色々世話をしようとするのだが、こんな嫌われ者の自分に何故かまうのか小津が問いただす。すると「私」はにやりと笑い、

私「俺なりの愛だ」

小津「そんな汚いもん、いりません」

と答え物語は終わるのであった。

 

 


リアリス・フレーゼ

2015-06-16 01:16:56 | 小説

リアリス・フレーゼ

~ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているのだろうかより~

 

 

日本語で書くと憧憬一途。主人公であるベル君のスーパーチートスキル。スキル効果は早熟する、懸想が続く限り効果持続、懸想の丈により効果向上。

難解語を使いたがるのがラノベ作家なのか、それとも厨二っぽさを表現したいという意図からなのか、色々な作家にアンケートを取ってみれば面白いかもしれない。憧憬はしょうけいあるいはどうけいと読み、意味はあこがれること。懸想はけそうと読み、異性に思いをかけることらしい。私は二つとも初めて意味を知りました。

ライトノベルの戦う主人公は大小あれど思いの強さが力の強さになっているといっていいだろう。だがリアリス・フレーゼは規格外すぎるように感じる。どんなラノベ主人公もはっきりとした形で思いの強さを力に変えるスキルはもっていない。ベル君のこのスキルは1巻の内容だと他では見た事のないレアスキルだという。しかしこのスキルは彼らの世界どころか全ラノベ主人公をもってしても唯一無二のものである。思いが続き強ければ際限なく強くなるなど一体着地点をどうとるのか今から楽しみでしょうがない。全ラノベ主人公の先頭を走る存在にベル君はなったのだ。

主人公は俺ツエーとはならない性格なのがせめてもの救いだろうか。今後のベル君の活躍を期待したい。ちなみにアニメ第8話のミノタウロス戦はこれ映画だっけと思うようなできになっている。是非見て欲しいシーンである。

 

 


2015-06-11 02:39:47 | 小説

~ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているのだろうかより~

 

 

ヘスティア様の紐。斬新かつオシャレ。

秋葉原で紐と言えば?と質問すればヘスティアのあれでしょ、と回答が返ってくるであろう。今期No1アニメ。

何が言いたいかというと、なぜ昨今の小説は題名に台詞のようなものを使うのだろうか?ということである。この小説もファミリア・ミィスと一度題名が変わり、またダンジョンに(以下略)に戻った経緯がある。今度時間があったら台詞系題名がなぜ流行っているのかを調べてみたいと思う。それだけである。

 

 


俺の最弱は、ちっとばっか響くぞ

2015-05-23 02:32:14 | 小説

俺の最弱は、ちっとばっか響くぞ

~とある魔術の禁書目録より~

 

 

第3巻で上条当麻がアクセラレータに最後の一撃を入れるときの台詞。「歯を食いしばれよ、最強。俺の最弱はちっとばっか響くぞ。」となる。ちなみに最強のルビにさいじゃく、最弱のルビにさいきょうと振られている。レベル0でありながらレベル5を倒す上条君だからこそ言える台詞である。

とにかく上条君は強い。魔術、超能力をすべて消すことが出来る右手を持っているのだから当然強い。学園都市最強だかなんだか知らないがもやしっ子に負けるはずがないのである。とさんざん書いておいて上条君はプロの格闘家や銃火器を持った一般人には勝てないし、上条君の能力を知っている相手ならば一気に不利な状況に陥る。初期のころは異能の力を消すことによる強さだったが、中盤からはそんなものはおまけで、折れないメンタルこそ正義という作品になっている。上条君は諦めない。やると決めたことは必ずやりきる。目の前で困っている人を助けた結果世界を救っている系の主人公である。

彼の特徴として、語りだすと止まらない癖があげられる。3ページくらいしゃべり続けたことすらある。あのシーンをアニメ化したら一体どうなるのか・・私の興味はそんなところに向いてしまっている。


六十年、死なずにこうやって生きてきたことはな、すげえことなんだよ。

2015-05-21 02:00:28 | 小説

六十年、死なずにこうやって生きてきたことはな、すげえことなんだよ。

~マリアビートルより~

 

 

伊坂幸太郎氏の小説のひとつ、マリアビートルの登場人物である木村茂の言葉。何でも出来ると思い実際にやってきた中学生に対し、何が出来ないのかをつきつけるシーン。

「お前ができないことを教えてやろうか。」

「できないことって何ですか?」

「この後、五十年生きることだ。」

マリアビートルは登場人物のほぼすべてが殺し屋という作品であり、木村茂も元殺し屋である。人の死が身近にある生活を送っていたからだろうか、ひどく重い言葉である。

伊坂幸太郎氏の描くキャラクターもまた魅力にあふれている。彼の小説は多数映像化されており、ゴールデンスランバーや重力ピエロが有名だろう。私が個人的にお薦めしたいのは陽気なギャングが地球を回すであり、ここからほぼすべての伊坂作品を読むほどのファンになったのである。