お餞別

朝から台所に立ち、珍しく　忙しく動く隊長に、何かを感じ取った　ななれれ隊。


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　れれ　「　今日は　おらの誕生ぱーちーだべな。　」　・・・・もう終わりました。

　「　ななタン　お手伝いするっちゃ。味見とか試食とか毒見とか。」　・・・・いえ　結構です。　



いつもならこの時間、お昼寝している　ななれれは、一睡もせず台所で試食とお客さんを待つ。





ワンプレートランチでおもてなしした本日のお客様は・・・・

ネコママさんと娘ちゃん。

娘ちゃんが就職で遠くへ行ってしまうので、その前にななれれに会いに来てくれた。

七色は、ネコママ親娘さんの間に滑りこみ、


　「　ご不用になったものは　ななタンにお任せを。　」


と、おやつのカスをねだった。



　「　さよならは悲しい言葉じゃないっちゃ。それぞれの夢へと僕らをつなぐエールだっちゃ。さあ　おやつだっちゃ　」


・・・・・とお別れにおやつのカスをくれ。ということを回りくどく言った。


こちらから遠くの街で頑張るおねえちゃんに、お餞別をあげるんだよ。



れれ　「　おらは　何も持ってない年寄りだけんど、ヨダレだけは売るほどあるど。せめて　おらのヨダレを受け取ってけろ　」

と、泣かせることを言う　れれボン。・・・・泣くかっ　



れれボンに負けじと七色が持ってきた物は・・・



　「　ななタンからのお餞別は、れれボンの毛とよだれとおしっこもついてるかも知れない　特典いっぱい付きの毛布だっちゃ　」

わざわざ　れれボンの寝床から持ってきた　３大特典付き　３汚点付き　の毛布。



　「　へ？いらないでしか？　それじゃ　ななタンの毛布にしますか？でも特典はなな毛１つしかつかないけど　それでもいいべか？　」


・・・・・なんも　いらね。





ネコママ娘ちゃんは、とてもしっかりしてるし何でもできるので、新天地でもしっかりと前を向いて頑張って行くことでしょう。おばさん、ここからエールを送るからね。
いいよね。若いって。希望に溢れてて。(遠い目）そんな別れと出会いと希望の春。
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