レポートバンク

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住宅街と金融市場

2021-03-18 23:49:55 | その他
家にいる時間が長くなり、運動を意識して街をゆっくり散歩するようになった方は多いのではないかと思う。
住宅街や大通りを歩いていると、デザイナーが快適さをしっかり追求して作ったのかと思うようなステキなマンション・アパートを見かけたり、古くて保守の回っていない建物を見かけたりする。

きれいで手入れの行き届いた建物をみると嬉しくなるし、そうでない建物をみると悲しくなる。特に違いを感じるのは都市部ということもあって集合住宅の違いだ。
建替えは、法令で耐震基準の観点から求められたり、安全性の観点から大まかに30年など経っていると求められるようだ。(ヘーベルメゾンの記事

このサイクルについて、「古い空き家を建て替えてステキなアパートを作り、賃貸で儲けよう」と考える人が多くなれば、このサイクルはもう少し早まるのではないだろうかと思う。
例えば古くて人が住んでいない建物が取り壊して建て替えられるのを待っている場合、こうした考えの人がいるかどうかが建替えのポイントになるはずだ。
空き家の増加が国土交通省で取り上げられ対策ページが設けられているほどなので、これは確度の高い仮説と思える。

調べてみると、国土交通省の住宅着工統計によれば、全国の貸家について、着工戸数が2010年代について増加傾向にあった。

・2010年度 約29万戸
・2013年度 約37万戸
・2016年度 約43万戸
・2019年度 約33万戸

この2010年代は、日本の経済も総じて好調であり、お金を借りやすかった時期である。借りやすさは銀行の貸出で参照されるプライムレート(日本銀行が統計を公表している)の高さをみると分かるのだが、ほとんど1%台前半と低いレートであった。
そのため銀行の貸出利益が減って、貸出利益に大きく依存する地銀の財務安全性が金融庁から疑問を呈されているほどである。(ウェブで検索すると関連記事が多く出てくる)

また、好調な経済にあって、これは資産分布も詳しくみなければ本当の姿は分からないが、おそらく住む側の消費者も引越しを検討できるほどの豊かさは得られていたのだろうと思う。

今後も、きれいな建物が都市部に増えてほしい。その為に、多くの人々が豊かになれる経済(中産階級の安定・拡大が保てる社会というのだろうか)がうまく成り立ち、良い不動産を追求する投資も継続してほしいと思う。

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