三十路女との集い

たまたま、ひょんなことから三十路直前の女性たち（独身）と飲む機会があり、
たまたま、年上の女性にその意味での興味がまったくない時期にある私は、
突っ込んでいいものか、笑っていいものか、判断しかねる距離感を常に持て余しながら、いつもより少し速いペースで焼酎の杯を重ねておりました。

なるべく避けていたつもりなのに、変な話の流れから誕生日の話になり、
二人の女性のうち一人が、これまた幸か不幸か来週が誕生日であることが判明し、
「30th Anniversary ですね。」とか気が利いているのかいないのかわけのわからないコメントまで口走ってしまい、事態は混迷を極めていくのでした。

「そうそうアニバーサリー。花火でも打ち上げようかしら。30発…」
「多いっすねえ、ははは…」
…乾いた笑いをお互いに社交辞令的に交換しつつ、仕事ではほとんど遣うことのない類いの気を遣いながら冷や汗をひた隠しにし続けるのでした。

「ははは…はぁ、死にたい」
と「やれやれ…疲れた」と溜息をもらすときのトーンでもって彼女が呟いたとき、ついこらえきれず爆笑。
笑いすぎて目頭がつい熱くなる。

Q.　…この、とめどなく溢れ出る熱いものはなんだろう…
A.　涙です。色んな意味がこもった。


…別れ際に彼女たちが声を揃えた「でも人生楽しいよね」とは、決して負け惜しみなどではないのです。ええそうとも。決して。。。