relaxin's

思いついたままに。気が向くままに。

新参者

2005年10月13日 03時01分58秒 | 読書
「我々は生涯の様々な年齢に全くの新参者としてたどり着く。だから、多くの場合、いくら年を取っても、その年齢においては経験不足なのである。」  ラ・ロシュフーコー『箴言集』より …なんでか今日、何度か頭をよぎった言葉。 大人になれない、なろうとしない自分を省みて。 経験は常に不足するものであって、もし仮にあらゆる経験を積んだと自負する人がいたとしたら、その人は経験不足の経験が不足している。 とにか . . . 本文を読む

『ムーン・パレス』より

2005年09月11日 22時15分36秒 | 読書
通常であれば、いくらかは書評風に体裁を整え、内容も包括的にまとめてみようと思うのだが、個人的な不具合の関係で、ここんところ物事を断片的にしか捉えられないし、語れない。 この『ムーン・パレス』についても、時間やら体力やら集中力やら…その他いくつかの言い訳によって、断片的に言葉を紡ぐことしかできない。 …それならそうと開き直って以下の通り。 響いた文章を拾い上げました。おぼつかない記憶の遺骨を4本程。 . . . 本文を読む

この世への未練

2005年06月21日 10時20分33秒 | 読書
「本当にいい本を読む度に、この世への未練が一つずつ消えていく」 酔った勢いで思わず口走った友人のこの言葉は、妙に引っ掛かった。 それは無論、いい音楽でもいい映画でも同じことが言える。 あれも見とくんだった、これもしとくんだった… …この世を去る間際になって、見逃したもの、やり残したこと と感じるような一つ一つを潰して行くような、そんな感覚、だそうな。 前向きなのか、後ろ向きなのか、そもそもどこ . . . 本文を読む

鷲田清一『ことばの顔』 

2005年03月18日 21時16分42秒 | 読書
鷲田清一『ことばの顔』 に、高度消費社会について、簡潔にまとめた文章があったので引用してみる。  ひとむかし前、「方向喪失」(disorientation)という言葉が流行ったことがある。1960年代くらいだったか、到来しつつある大衆社会に特徴的なメンタリティとして、この「方向喪失」ということがよく指摘された。その後、消費社会というものがさらに高度化してゆくなかで、商品が過剰になり、機能的な面 . . . 本文を読む

サルでもわかる/サルからわかる

2005年02月11日 04時32分50秒 | 読書
人間の家族の形態に、昔から不自然な印象を持っていた。 自分が生まれ育った家庭は、ごくごく平凡な核家族である。 それ自体にはなんら疑問を感じることもないのだが、 「家族」というくくりそれ自体、そのくくりで決定的に 他者と区切られていることには、しっくりこない部分があった。 そんなに絶対的なものなのか?と素朴な疑問もあった。 今は有史以来かつてないほどに世界規模での均一化・同一化の 流れがあり、差 . . . 本文を読む

『バーボンストリート』~青年の卒業

2004年12月16日 02時50分10秒 | 読書
責任感は、強い、方だと、思う。 ↑こんな風に朴訥な理由は、それなりに ないようであって、つまるところ責任感の考え方について 人と相容れないところがあったりする。 「無責任」とは、責任を負った人間がそれを 果たさない場合においてはじめて発生する 概念であって、責任がない人間には該当しないもの。 例えば、赤ん坊に対して「無責任」と詰め寄ることはなく、 また「責任とってよ!」と赤の他人に言われる筋合 . . . 本文を読む