※最初に書いたバージョンは玉三郎さんと菊之助さんの話題がなかなかでてこなかったので、改訂しました。でもやっぱり、踊りや演技より、三味線よりのレポートです。悪しからず、ご了承くださいませ~。
歌舞伎座のこけら落とし(柿葺落)五月大歌舞伎公演。
5月3日が初日、二日目の公演に行ってきました。
まったく期待しないで出した往復はがきでの抽選申し込みですが、なぜかあたってしまい、第三部を3階席で拝見することができました。感謝!
演目は、「梶原平三誉石切 (かじわらへいぞうほまれのいしきり)」と「京鹿子娘二人道成寺(きょうかのこむすめににんどうじょうじ)」。
私としては、玉三郎と菊之助の二人道成寺がお目当てだったのですが、やはり、いざ行ってみると気になったのは義太夫の三味線でした(なので、今回のカテゴリーは「義太夫三味線」にしました。ムリヤリ)。
吉右衛門の「石切梶原」は、もう3回は観ているので、すっかりわかった気になっていたのですが、よくよく考えればこれは義太夫狂言。ちゃんと、出語りで葵太夫さんと寿治郎さんが座っておられます。
いままで観たときはあまり気にしていなかったのですが、今回はひたすら竹本が気になる。
お二人とも、大活躍でした。
特に、三味線は長めのメリヤスもあり、聴かせどころ満載。
吉右衛門の梶原景時は、前にみたとき(たしか、2011年の6月あたり、演舞場で)に比べて、演技があっさりしていたような気がしますが、気のせいかな? ちょっとやせたように見えるからかもしれません。
30分の幕間(今日も買ったぞ!「めでたい焼き」!うまい!)の後はいよいよ「二人道成寺」。
ここでまた、しょっぱなに義太夫が登場します。
「二人道成寺」は以前、はるーか昔、六代目の歌右衛門と芝翫さんのコンビで観た記憶があるのですが、そのころはまだぜんぜん義太夫にも目覚めていなかったし、そもそもあんまり記憶がない。
長唄の印象ばかりが強かったので、義太夫が聴けるとは思っておらず、しばらくきょとんとしていたのですが、どうみても太棹三味線だし、音もそうだし、個人的にはうれしいサプライズ。
それがまた、実にきれのよいいい演奏でございまして、聴き応えがありました。もうこの時点で踊り手は眼中になく、気になるのは三味線ばかり。
ちなみに、この三味線は、淳一郎さん、長一郎さん、翔也さん。歌舞伎義太夫「竹本協会」の明日を担う、若手三味線弾きのホープであります。
しかし、うっとりと聞き惚れるのもつかのま、するするすると竹本連中はひっこんでしまい、かわりに登場するのがグレン・ミラー・オーケストラを思わせる豪勢な長唄連中。
こちらもまた、実に熱のこもった演奏でありました。後半の傳左衛門さんの超絶技巧的な間(ま)の小鼓が印象的。後半まで、集中力保つの、大変そうだなー、すごいなー。
……でもたぶん、それくらいのことはふつうにやってのけてしまうのでしょう。
で、いつまでたっても玉三郎と菊之助の話が出てこなくて恐縮なのですが、これからお話します。
一言で言えば、美しかったです。
単に見た目(容姿)だけでいっても、玉三郎と菊之助はともに釣り合う美しさ。
それだけでなく、菊之助の花子はどこかみずみずしさも感じさせる不思議な妖艶さで、玉三郎の花子が楚々としてストイックな印象さえ与えるのと好対照。
二人の動きがよくあっているのも、見ていてため息がでるのでございます。
また、今回わたくしは3階席の西側から(斜め上方向から)拝見しましたので、花道はうんと乗り出さないと見えないのですが、舞台での後見の動きはよく見られまして、後見がしゅしゅっと実に巧みに糸を引き抜き、花子の衣装がするっと変わるところなどを観察できておもしろかったのです。
いや、この演目。踊り手も大変ですが、舞台裏の衣装さんやお弟子さんたちも、冷や汗もので大変なんだろうなーっとつくづく思いました。
その大変さを気取られないように、あくまで優雅にすまして踊る花子さんたち。
玉三郎と菊之助という平成の名花の競演も、そう頻繁に見られるものではないかもしれませんので、ぜひごらんになってください。
「二人道成寺」は夜19時半くらいからの上演なので、平日、お仕事の後でも幕見で見られます。
幕見は「石切梶原」も「二人道成寺」も、ともに各2000円。チケットの発売時刻は「石切」16時25分~、「道成寺」18時15分からだそうです。でも、幕見席をとるには並ばなければならないかもしれません。また、発売時刻が変わることもあるかもしれませんので、各自、劇場にご確認ください。
おまけ 新しい歌舞伎座の緞帳。幕間に紹介されます。
先日ご紹介した龍村織物が調製した緞帳もありました。
桜ともみじが両側にデザインされているので、一年中使えて便利そうです。
それにしてもこれ、いくらくらいするんでしょうか。
歌舞伎座のこけら落とし(柿葺落)五月大歌舞伎公演。
5月3日が初日、二日目の公演に行ってきました。
まったく期待しないで出した往復はがきでの抽選申し込みですが、なぜかあたってしまい、第三部を3階席で拝見することができました。感謝!
演目は、「梶原平三誉石切 (かじわらへいぞうほまれのいしきり)」と「京鹿子娘二人道成寺(きょうかのこむすめににんどうじょうじ)」。
私としては、玉三郎と菊之助の二人道成寺がお目当てだったのですが、やはり、いざ行ってみると気になったのは義太夫の三味線でした(なので、今回のカテゴリーは「義太夫三味線」にしました。ムリヤリ)。
吉右衛門の「石切梶原」は、もう3回は観ているので、すっかりわかった気になっていたのですが、よくよく考えればこれは義太夫狂言。ちゃんと、出語りで葵太夫さんと寿治郎さんが座っておられます。
いままで観たときはあまり気にしていなかったのですが、今回はひたすら竹本が気になる。
お二人とも、大活躍でした。
特に、三味線は長めのメリヤスもあり、聴かせどころ満載。
吉右衛門の梶原景時は、前にみたとき(たしか、2011年の6月あたり、演舞場で)に比べて、演技があっさりしていたような気がしますが、気のせいかな? ちょっとやせたように見えるからかもしれません。
30分の幕間(今日も買ったぞ!「めでたい焼き」!うまい!)の後はいよいよ「二人道成寺」。
ここでまた、しょっぱなに義太夫が登場します。
「二人道成寺」は以前、はるーか昔、六代目の歌右衛門と芝翫さんのコンビで観た記憶があるのですが、そのころはまだぜんぜん義太夫にも目覚めていなかったし、そもそもあんまり記憶がない。
長唄の印象ばかりが強かったので、義太夫が聴けるとは思っておらず、しばらくきょとんとしていたのですが、どうみても太棹三味線だし、音もそうだし、個人的にはうれしいサプライズ。
それがまた、実にきれのよいいい演奏でございまして、聴き応えがありました。もうこの時点で踊り手は眼中になく、気になるのは三味線ばかり。
ちなみに、この三味線は、淳一郎さん、長一郎さん、翔也さん。歌舞伎義太夫「竹本協会」の明日を担う、若手三味線弾きのホープであります。
しかし、うっとりと聞き惚れるのもつかのま、するするすると竹本連中はひっこんでしまい、かわりに登場するのがグレン・ミラー・オーケストラを思わせる豪勢な長唄連中。
こちらもまた、実に熱のこもった演奏でありました。後半の傳左衛門さんの超絶技巧的な間(ま)の小鼓が印象的。後半まで、集中力保つの、大変そうだなー、すごいなー。
……でもたぶん、それくらいのことはふつうにやってのけてしまうのでしょう。
で、いつまでたっても玉三郎と菊之助の話が出てこなくて恐縮なのですが、これからお話します。
一言で言えば、美しかったです。
単に見た目(容姿)だけでいっても、玉三郎と菊之助はともに釣り合う美しさ。
それだけでなく、菊之助の花子はどこかみずみずしさも感じさせる不思議な妖艶さで、玉三郎の花子が楚々としてストイックな印象さえ与えるのと好対照。
二人の動きがよくあっているのも、見ていてため息がでるのでございます。
また、今回わたくしは3階席の西側から(斜め上方向から)拝見しましたので、花道はうんと乗り出さないと見えないのですが、舞台での後見の動きはよく見られまして、後見がしゅしゅっと実に巧みに糸を引き抜き、花子の衣装がするっと変わるところなどを観察できておもしろかったのです。
いや、この演目。踊り手も大変ですが、舞台裏の衣装さんやお弟子さんたちも、冷や汗もので大変なんだろうなーっとつくづく思いました。
その大変さを気取られないように、あくまで優雅にすまして踊る花子さんたち。
玉三郎と菊之助という平成の名花の競演も、そう頻繁に見られるものではないかもしれませんので、ぜひごらんになってください。
「二人道成寺」は夜19時半くらいからの上演なので、平日、お仕事の後でも幕見で見られます。
幕見は「石切梶原」も「二人道成寺」も、ともに各2000円。チケットの発売時刻は「石切」16時25分~、「道成寺」18時15分からだそうです。でも、幕見席をとるには並ばなければならないかもしれません。また、発売時刻が変わることもあるかもしれませんので、各自、劇場にご確認ください。
おまけ 新しい歌舞伎座の緞帳。幕間に紹介されます。
先日ご紹介した龍村織物が調製した緞帳もありました。
桜ともみじが両側にデザインされているので、一年中使えて便利そうです。
それにしてもこれ、いくらくらいするんでしょうか。
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