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SENgoKU anD VISIon -乱世を追う-

戦国・江戸時代 武将 甲冑・刀剣・茶道具 博物館・美術館・城・茶室などを巡る拝見記。その他の雑記もあり。

1705 サントリー美術館 絵巻マニア列伝

2017-06-07 | 探訪
東京ミッドタウン
368
サントリー美術館
370
六本木開館10周年記念展 絵巻マニア列伝
期間:3月29日(水)~5月14日(日)
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逍遥院実隆像
京都二尊院蔵。落飾し逍遥院と号した頃の肖像画。賛は後奈良天皇。
三条西実隆は、室町時代後期の公家で随一の博識を誇り天皇のみならず将軍・大名などからも頼りにされていた。絵巻の製作にもその博識を発揮した。
桑実寺縁起絵巻 詞 後奈良天皇・青蓮院尊鎮・三条西実隆筆 絵 土佐光茂画 
天文元年(1532)に製作された近江国桑実寺にまつわる縁起絵巻。
発願者は当時細川晴元により京を追われ近江の桑実寺に在った将軍足利義晴。実隆は義晴の命により縁起の起草、天皇・青蓮院への詞書の手配、土佐光茂との調整を行っている。
足利義晴は単なる絵巻マニアとしてこの絵巻を作成させた訳ではない。京への復帰そして自身の復権の祈願こそが義晴の狙いだったのでしょう。
当麻寺縁起絵巻 詞 後奈良天皇ら筆 絵 土佐光茂画
享禄四年(1531)に製作された大和国當麻寺にまつわる縁起絵巻。
この絵巻の制作に関わった三条西実隆は、日記「実隆公記」に土佐光茂の描いた絵を見て「見事」「珍重」であると賞賛している。また光茂が霊夢により画料を受け取らなかった事を褒めている。
酒伝童子絵巻 詞 近衛尚通ら筆 絵 狩野元信画
源頼光による大江山の酒呑童子(鬼)退治を描いた絵巻。小田原の北条氏綱の依頼により製作された。
近衛尚通の詞書は将軍家の同朋衆の相阿弥の斡旋であり、尚通は礼として千疋を得ている。
奥書を担当する三条西実隆のところには、外郎家の青侍が揮毫の為の料紙を届けている。
この絵巻はその後、北条氏直に嫁いでいた徳川家康の娘督姫が持ち出したようで、池田輝政に再度嫁いだ際に持参し以降池田家に伝来した。
玄奘三蔵絵
春日権現験記絵

「実隆公記」には奈良より後土御門天皇が取り寄せ、詞書を三条西実隆に読み上げさせたとある。
実隆は感想として「玄奘三蔵絵」には彩色が素晴らしく目を驚かせたとあり、「春日権現験記絵」には余りに素晴らしかったのか随喜の感涙を流したとある。

この他にも足利将軍家に関連した作品、足利義教奉納「誉田宗庿縁起絵巻」、奥書に源義高(足利義澄)とある「硯破草紙絵巻」、足利義晴が十三歳で製作させた「長谷寺縁起絵巻」がありました。
それにつけても三条西実隆の八面六臂に活躍が目立ちました。

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