第9話「慢心の芽」
さて、今回の物語のスタートは…。泣き崩れているハティジェからでしたね。
「何とかしてっ! お願いだから」
そう悲痛な叫び声にその場にいる者全員が困惑していると、ヒュッレムが行動に移す。
「赤ん坊を私に。…早く!」
って言った時の、イブラヒムの顔が正直イヤですね。
ビックリしただけなのかもしれないけど。
医女から赤ちゃんを受け取って、首よりもちょっと下あたりに今で言う手刀のような手の形にして数度叩くと口の中から歯のようなものを取り出す。
すると…!!
おぎゃーと、大きな声を上げて泣き始めた赤ちゃんにハティジェは満面の笑顔。
良かったねー、ハティジェ。
身ぎれいになった赤ちゃんを抱いているハティジェは、嬉しい反面不安でもあるようで思わず本音が出ちゃった。
「育つわよね。大丈夫?」
「ご心配なく、もう赤ちゃんは腕の中。今後はすべて順調よ」
イブラヒムに向けて言った言葉をヒュッレムが代わりに答える。
う~~ん。なんだかとても重みのある発言ね。
ふと、ハティジェがヒュッレムに向けて手を差し伸べると、にっこりと笑ってヒュッレムは受け取る。
その様をイブラヒムはどんな面持ちで見ているのだろう。
どんな感情を抱いているのだろう…。
なぁんて思っちゃうワタクシ。
「息子の命の恩人ね。どうお礼すれば?」
「皇女様が元気になるだけでいい」
そう言って、ますますヒュッレムへの信頼を強くしている…ように見えちゃったワタクシ。
ハティジェも、ヒュッレムも良かったね。
そしてヒュッレムは、あの大広間に行き、今までのハティジェの出産時を考えていたのよね。
そこへ、ニリュフェルがやってきて「大変だったようですね…」と声をかける。
「手の中で死んだようになっていたの。小さくて…」
とっさの行動とは言え、やっぱり怖かっただろうね。そして、一息してから、元々の守備を確認しているヒュッレム。
「筆記帳は元の場所に戻しました」
と話していると、イブラヒムが大広間にやって来る。
ヒュッレムが、「何か用? もう戻らないと」と素っ気なく言うヒュッレムに対して、言いにくそうにイブラヒムは口を開く。
「礼を言う。ヒュッレム。息子の恩人だ。お前に借りができた」
「もう一つ無垢な命が借りになってる。お前が奪った命よ」
「忘れろ。その話は誰の為にもならぬ」
あの~…。大宰相さまの方が位は上なのかしら?
ワタクシ的には、皇帝妃の方が上なのだと思うけど、どうなんだろう。
自分の目にかけている人ではない人に助けられたからと言って、そういう言い方ってないんじゃないの? ってワタクシはいつも思う。
この際、どちらが位が上なのかは置いといて、少なくとも礼を言う口の利き方ではないよね。
嫌でも、恩人に対してはもう少し敬わなければならないのではなくて? イブラヒム。
そうこうしている内に、母后さまと、マヒデブランがハティジェの許にやって来る。
「金髪の皇子は無事よ。母を見捨てはしなかった」
「素晴らしいわ。お前が赤ちゃんの時にそっくり」
と母娘の話に割り込んでくるマヒデブラン。
「美しい赤子神のご加護を」
と、マヒデブランがハティジェに祝福の言葉を伝えると、そこへギュルフェムが当時の話をする。
「難産でした。でも、ヒュッレム妃の機転で事なきを得ました」
そう報告を受ける母后さま。それにまたまたびっくりしている。今日は沢山驚いているよね。
「ええ。ヒュッレムのおかげなの。息子の喉から、詰まり物を取ってくれた」
その話を聞いた時に、今までにこやかだったマヒデブランの表情が曇る。
ヒュッレムの活躍は相当嫌なのね。
夜に陛下がやってきた時にもハティジェがその時の事を伝える時もそうだったし。
しかも、陛下に「あっぱれ」だと言われたのよね。
うふふ。(*´艸`*)
イブラヒムや、マヒデブランにも聞こえたよね。
確実に陛下への株が上がったよね~。
で、その労いがもっと欲しいのか、ヒュッレムは部屋が欲しいとねだるのよね。
でも、二つも部屋を持っているんだから我慢なさい、と母后さまは言うんだけど。
そりゃあ、当然よね~。
ヒュッレムも欲張りさんだこと。
ワタクシなら、テラス付きの部屋1つで十分なのに。
そして、ヒュッレムが蒔いた種(毒の事ね)は、予想通りに毎日毎日イブラヒムが持ち歩くわけなんだけど…。
ヒュッレムもそこまでは考えていなかったのだろう。
毒の本を触った手で赤ちゃんに触れている事にワタクシは、ドキドキ。
どうなるの? メフメトー。
っていう所で今回の物語は終わり。
さて、次回が楽しみです。
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第10話「侵入者」
今回の物語スタートは…イブラヒム夫妻でした。
そして、この物語で始めてイブラヒムが「お風呂」に行く、といって去っていくのですが…。
あれ? そのシーンはないの? 陛下は1度、あったのに。
あれま。
そして、宮殿では、陛下とマヒデブランとムスタファが中庭で楽しく談笑している。
マニサに行きたいとみんなで行きたいと陛下に言うが、陛下は今はダメだと許可をしない。
けれど、その領地は近い将来お前のものになる、と言って喜ばせているんだけど…。
この頃の、ムスタファは昔と違って結構反抗しているようにも見えるのよね。
それか、自分にもできる、という気持ちがあっての事なのかな。
ん~…分からんのぅ。
この回は殆ど王女イザベラ解放の話がメインなのよね。
時々しか後宮がでないので、ちょっとツマンナイ。
と、思ったらハティジェに不確かな情報を吹き込むヒュッレム。
懲りないねぇ。
狩猟の館に、女人がいてイブラヒムがたびたび訪問していると伝られ、もうピリピリしているハティジェ。
でも、ピリピリしているっていう事は、それだけイブラヒムの事を想っている、という事ね。
要はあれでしょ、あれ。…やきもち。
皇女さまもやはり女だね。
ヒュッレムや、マヒデブランと一緒ね。
その後に、ごめんなさい、と謝っているハティジェ。
可愛いなぁ。
それを大きな器で受け止めているイブラヒム。流石愛する女には優しいよね。
ヒュッレムにもそんな感じて暖かく見守ってくれればいいのに。
そして、イブラヒムは落ち着いたハティジェに自分は遠征に行く事が決まりました、と伝えているんだけど、何故か猛反対。
1人で子どもの世話をしろというのか、とか離別は耐えられないとか。
う~ん、流石は皇女さま。
我がままだのう。
子どもの面倒は自分だけで見ていないでしょうよ。
子守りが沢山いるでしょうよ、と言ってやりたい。
それを母后さまに伝えて、何とかして、と言うんだけど。
母后さまは、陛下に合って、イブラヒムを行かせるのでなく、他の人に頼めないのか、と伝える。
しかーし。陛下は始めて無礼な言葉を母后さまに向かって言う。
「女の浅知恵で帝国を回せ、というのか」
ですってよ。
どうしたの、陛下。なんかいつもと違うらしいよ。
母后さまに言わせると、陛下の父セリム皇帝にそっくりだとか。
そういって、母后さまは自室に戻ってしまったけれど。
陛下も陛下で、何かに焦っているのかな。
そして、イブラヒム。
ヒュッレムを呼び出して、ハティジェに伝えた事をどういう経緯で知ったのか、と問いただす。
それに対してヒュッレムは、鳥が教えてくれた、と伝えると、鳥を信用するな、1羽残らずその首をはねてやると。
挑発の挑発返しの繰り返し。
本当にヒュッレムは、マヒデブランと違って沢山の事を考えているよね。
まぁ、そうでなくちゃ、面白くないんだけど。
そして、その言葉にヒュッレムは微笑んでイブラヒムに言う。
「殺しは得意よね。よく知ってるわ」
何か、この時点で私この言い争いはイブラヒムの負けのように聞こえる。
いくら脅したってもね。
という所で今回の物語の感想はここでおしまいでーす。
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