
観て来ました、海賊映画(実は数日前に)。
「デッドマンズ・チェスト」とは何かと思ったら、R.L.スティーブンソンの『宝島』にも出て来る海賊たちの歌だったのね。
私の脳内では、生涯最愛のアニメ『宝島』での歌詞とメロディで再生されてしまいます。
?亡者の箱までにじり上った十五人
一杯やろうぜ ヨーソロー
作曲は若き日の羽田健太郎……なんてことはどうでもよくて、映画の話をしましょう。以下ネタバレありありなのでご注意下さい。
面白かったですよ。「長過ぎる」というご意見も聞きましたが、2時間40分飽きることなく楽しめました。
あれもこれも詰め込み過ぎ?いや手を替え品を替え楽しませてくれるローラーコースター・ムービー。それこそ宝箱みたいな映画です。
アトラクションに感動的なテーマとか深い内容とか求めてはいけませんよ。
ただ、海賊映画や怪獣映画も含めた、それこそレイ・ハリーハウゼン的なジャンル・ムービーに慣れていないと(寧ろその手の映画は「嫌い」なのに、主役の人たちだけがお目当てだったりすると)、つらいものはあるかも知れませんね。
あの蛸とか大蛸とか、「さまよえるオランダ人」号乗組員のデザインとか。
登場人物たちの行動原理が「正義」とかじゃなくて、それぞれの思惑や都合や欲でしかない、エゴ丸出しな所も好きですが、前作では新鮮な驚きがあったジョニー・デップのジャック・スパロウが、何と言うか既に「そういうキャラ」として受け入れられるべき存在になってしまっているのは、ちょっと残念かも。
それに今回の彼って、いろんな意味で「ハン・ソロ」でしたね。
驚いたのがノリントン提督!造形性格ともに前作とは別人ですよ。前作のいい人ぶりも今作のヨレヨレ&ヨゴレぶりも、それぞれに好きではありますが。今更だけど、ジャック・ダヴェンポートがナイジェル・ダヴェンポートの息子さんだったことを知って驚きました。
ビル・ナイ、好きなのに顔なんて見えません。目と声でかろうじて判るくらいです。でも、あの触手なんだか脚なんだかにも、徐々にいとしさを覚えて来ました。
ギブスさんは相変わらずいい感じだし、ラゲッティとピンテルのコンビが今回(も)大活躍していたのも嬉しい。
私にとっては、前作の頃から、主役3人より脇役やオジサンたちにこそ観るべき価値や楽しみがある映画です。
そして、もはや脇役と呼ぶのも勿体ないような「あのお方」。
前作では、あの役こそ舞台で言うなら「座頭(ざがしら)」の演じるべきポジションであり、それに相応しい役者さんだった訳ですが、今回も「隠しキャラ」みたいな登場の仕方で、最後の最後にすべてをさらって行きましたね。
出るという噂はあったものの、どんな情報や資料にも名前は出ていないし、誤報かしら?と思っていたら、あれですもん。いや、すごい存在感です。
と言うことは、3作目ではビル・ナイと「彼」の対決が見られるの…?
ひゃ~!そ、それはわたくし的には「夢の対決」です。加えて、新たな敵としてチョウ・ユンファが出演するということだし、そっちの三つ巴(になるのかな?)の方が若い3人のあれこれより見応えありそうな予感に、今から胸躍らせております。