のち
朝から雲多く、昼頃から雨が降り始めました。気温も下がり、日中もかなり寒かったです。
というわけで、今日は在宅。観たいオリンピック競技もなかったため、昨夜録画した映画『イーグル・ジャンプ』を観ました。原題・Eddie the Eagle。
スキージャンプ競技に於て、英国初のオリンピック代表選手となったエディ・エドワーズ(本名マイケル・エドワーズ)の実話を元にした映画です。ジャンプについては全くの素人だった彼の指導に当たるのは、かつては一流ジャンパーだったのに身を持ち崩し、今はジャンプ練習場で整備係を務めるブロンソン・ピアリー。
主演はタロン・エジャトン(日本では「エガートン」表記が多い)とヒュー・ジャックマン。マシュー・ヴォーンが製作に当たったということで、納得のキャスティングです。しかし日本では劇場未公開、ビデオスルーとなった作品でもあります。なので、深夜といえどもTVで放映してくれたのはありがたいです。NHKだったので、ノーカット字幕版というのも更に嬉しいことでした。
主な舞台は1988年の冬季オリンピック・カルガリー大会。先日【金曜ロードショー】で放映された『クール・ランニング』と同じです、カルガリーは夢いっぱいですね。作中、ジャマイカのボブスレーチームについても、ニュースで取り上げるという形でちょっとだけ言及がありました。
子供の頃に脚を傷め、近視で眼鏡を常用、加えて運動音痴で、そもそも体型がスキージャンパーじゃない一介の素人と、落ちぶれた元天才選手のしょぼくれ中年コーチがオリンピックを目指す——と書くと正統派感動ドラマのようですが、エディのキャラクターもあって感動の押し付けにならず、適度にユルい感じで面白く観られました。
周囲のほぼ全員からダメな子扱いされ、諦めろと言われ嘲笑われ、それでも「オリンピックに出場する」という子供の頃からの夢を決して諦めないエディ。実はそれこそが、彼の「オリンピック代表」としての最大の資質でした。そのことにピアリーが気づくシーンも良かったし、「変人だけど好人物」であることは変えないまま、エディが次第に「アスリート」の顔つきになって行くのも良かったです。
そう言えばカルガリーの頃はフィンランドの「鳥人」ニッカネンの時代だったなぁ、と思いつつ観ていましたが、当初いかにも傲慢な天才少年のように登場した彼が、競技直前エディにかける言葉に思わず涙が……
そしてエンドクレジットで本物のエディの画像や映像を観て「この人か!」と思い出したりしました。この人なら確かに観た覚えがあります。しかし彼のせいで、その後オリンピック代表の選考基準は更に厳格化されたそうで……やはり個人の「夢」が通用するのはカルガリー大会までだったのかもしれませんね。
ところで、当初は渋々ながらコーチを務めたピアースですが、どうも実在の人物ではないようです。それはそれとして、ヒューのしょぼくれ中年演技も好きだなぁ、と思うヒューファンでした。そして、ついでみたいで申し訳ありませんが、クリストファー・ウォーケンにもびっくりしました。
イーグル・ジャンプ|20世紀スタジオ
後の時間は読書をして、夜は大河ドラマ『鎌倉殿の13人』を観ました。
大庭・伊東連合軍に敗れ、石橋山の洞窟に潜む頼朝主従。そこを捜索に来た大庭方の武将・梶原景時がなぜか見逃してくれる——という有名なエピソードが描かれます。景時の目的や真意が何だったのかは、おいおい描かれることと思いますが……
頼朝と分かれ、いったん甲斐源氏の総領・武田信義に援軍を求める時政・義時父子ですが、自分こそ正統な源氏の棟梁と自任する信義からはかばかしい回答は得られず。信義に対して調子の良いことを言いつつ、義時にはそろそろ頼朝から離れる潮時かも、などということも言い出す時政。一方その頃、大庭景親の許には宗時の首桶が届けられるのでした。
立場的には平家側に属する畠山重忠と三浦一族との戦闘など、メインの戦い以外の抗争もある中、北条一族、そして頼朝主従は、三浦の助けを借り、三浦半島から(頼朝は真鶴から)舟で現在の東京湾を横断して、命からがら安房国に辿り着きます。その地の豪族で頼朝の幼馴染でもある安西景益に迎え入れられ、やっと一息つけた一行ですが、そこに至って宗時の姿が見えず、消息を知る者もないことに気づくのでした。
これからはおまえが北条を背負って行けと父に言われ、自分には無理だと涙する義時。跡取りの息子の死を覚り、「親より先に行くんじゃねえぞ」と義時に告げる時政も切ないです。
それでも義時は、もう戦はこりごりだと弱音を吐く頼朝を前に、佐殿なしでも我らは戦うと宣言(挑発)してみせます。その言葉に、頼朝は再び大将として覚醒、奮起し、残った味方を前に決意を新たに表明するのでした。
この他、伊豆山権現を訪れた八重が千鶴丸の死を知り、その「立派な墓」の前で泣き崩れるシーンや、頼朝に援軍を出すべきか否か比企能員ファミリーが逡巡するうち、源氏軍大敗の報せが届くシーンなど、今日も見どころ満載でした。
ざっと大筋だけ記していますが、シリアスで悲惨なシーンとコメディパートの落差や、シリアスの中でも様々な緩急のつけ方が絶妙で、その面白さが一言では説明しきれないんですよね。
次回は強力な助っ人である上総介広常が参戦の構えですが、その他にもいよいよ義経が本格的に登場したり、もしかして頼朝の側室となる亀の方も?と、期待が高まります。
大河ドラマの後は、いつものごとく【クラシック音楽館】を流しつつ、これを書いています。今週は服部百音さんのヴァイオリン中心でした。
今夜から明朝にかけて、また雪が降るかもとの予報が出ていますが、どうなりますか……
朝から雲多く、昼頃から雨が降り始めました。気温も下がり、日中もかなり寒かったです。
というわけで、今日は在宅。観たいオリンピック競技もなかったため、昨夜録画した映画『イーグル・ジャンプ』を観ました。原題・Eddie the Eagle。
スキージャンプ競技に於て、英国初のオリンピック代表選手となったエディ・エドワーズ(本名マイケル・エドワーズ)の実話を元にした映画です。ジャンプについては全くの素人だった彼の指導に当たるのは、かつては一流ジャンパーだったのに身を持ち崩し、今はジャンプ練習場で整備係を務めるブロンソン・ピアリー。
主演はタロン・エジャトン(日本では「エガートン」表記が多い)とヒュー・ジャックマン。マシュー・ヴォーンが製作に当たったということで、納得のキャスティングです。しかし日本では劇場未公開、ビデオスルーとなった作品でもあります。なので、深夜といえどもTVで放映してくれたのはありがたいです。NHKだったので、ノーカット字幕版というのも更に嬉しいことでした。
主な舞台は1988年の冬季オリンピック・カルガリー大会。先日【金曜ロードショー】で放映された『クール・ランニング』と同じです、カルガリーは夢いっぱいですね。作中、ジャマイカのボブスレーチームについても、ニュースで取り上げるという形でちょっとだけ言及がありました。
子供の頃に脚を傷め、近視で眼鏡を常用、加えて運動音痴で、そもそも体型がスキージャンパーじゃない一介の素人と、落ちぶれた元天才選手のしょぼくれ中年コーチがオリンピックを目指す——と書くと正統派感動ドラマのようですが、エディのキャラクターもあって感動の押し付けにならず、適度にユルい感じで面白く観られました。
周囲のほぼ全員からダメな子扱いされ、諦めろと言われ嘲笑われ、それでも「オリンピックに出場する」という子供の頃からの夢を決して諦めないエディ。実はそれこそが、彼の「オリンピック代表」としての最大の資質でした。そのことにピアリーが気づくシーンも良かったし、「変人だけど好人物」であることは変えないまま、エディが次第に「アスリート」の顔つきになって行くのも良かったです。
そう言えばカルガリーの頃はフィンランドの「鳥人」ニッカネンの時代だったなぁ、と思いつつ観ていましたが、当初いかにも傲慢な天才少年のように登場した彼が、競技直前エディにかける言葉に思わず涙が……
そしてエンドクレジットで本物のエディの画像や映像を観て「この人か!」と思い出したりしました。この人なら確かに観た覚えがあります。しかし彼のせいで、その後オリンピック代表の選考基準は更に厳格化されたそうで……やはり個人の「夢」が通用するのはカルガリー大会までだったのかもしれませんね。
ところで、当初は渋々ながらコーチを務めたピアースですが、どうも実在の人物ではないようです。それはそれとして、ヒューのしょぼくれ中年演技も好きだなぁ、と思うヒューファンでした。そして、ついでみたいで申し訳ありませんが、クリストファー・ウォーケンにもびっくりしました。
イーグル・ジャンプ|20世紀スタジオ
後の時間は読書をして、夜は大河ドラマ『鎌倉殿の13人』を観ました。
大庭・伊東連合軍に敗れ、石橋山の洞窟に潜む頼朝主従。そこを捜索に来た大庭方の武将・梶原景時がなぜか見逃してくれる——という有名なエピソードが描かれます。景時の目的や真意が何だったのかは、おいおい描かれることと思いますが……
頼朝と分かれ、いったん甲斐源氏の総領・武田信義に援軍を求める時政・義時父子ですが、自分こそ正統な源氏の棟梁と自任する信義からはかばかしい回答は得られず。信義に対して調子の良いことを言いつつ、義時にはそろそろ頼朝から離れる潮時かも、などということも言い出す時政。一方その頃、大庭景親の許には宗時の首桶が届けられるのでした。
立場的には平家側に属する畠山重忠と三浦一族との戦闘など、メインの戦い以外の抗争もある中、北条一族、そして頼朝主従は、三浦の助けを借り、三浦半島から(頼朝は真鶴から)舟で現在の東京湾を横断して、命からがら安房国に辿り着きます。その地の豪族で頼朝の幼馴染でもある安西景益に迎え入れられ、やっと一息つけた一行ですが、そこに至って宗時の姿が見えず、消息を知る者もないことに気づくのでした。
これからはおまえが北条を背負って行けと父に言われ、自分には無理だと涙する義時。跡取りの息子の死を覚り、「親より先に行くんじゃねえぞ」と義時に告げる時政も切ないです。
それでも義時は、もう戦はこりごりだと弱音を吐く頼朝を前に、佐殿なしでも我らは戦うと宣言(挑発)してみせます。その言葉に、頼朝は再び大将として覚醒、奮起し、残った味方を前に決意を新たに表明するのでした。
この他、伊豆山権現を訪れた八重が千鶴丸の死を知り、その「立派な墓」の前で泣き崩れるシーンや、頼朝に援軍を出すべきか否か比企能員ファミリーが逡巡するうち、源氏軍大敗の報せが届くシーンなど、今日も見どころ満載でした。
ざっと大筋だけ記していますが、シリアスで悲惨なシーンとコメディパートの落差や、シリアスの中でも様々な緩急のつけ方が絶妙で、その面白さが一言では説明しきれないんですよね。
次回は強力な助っ人である上総介広常が参戦の構えですが、その他にもいよいよ義経が本格的に登場したり、もしかして頼朝の側室となる亀の方も?と、期待が高まります。
大河ドラマの後は、いつものごとく【クラシック音楽館】を流しつつ、これを書いています。今週は服部百音さんのヴァイオリン中心でした。
今夜から明朝にかけて、また雪が降るかもとの予報が出ていますが、どうなりますか……