南十字星からアジアQZSS(日)/IGSO(中・印)を眺める

グローカルイースト視点
アジアQZS/IGSO軌道モニタ
高橋冨士信 fj鷹@gmail.com

2020 3/23 ベートーベン生誕250年ウィルス禍克服を目指して IGSO太陽合 BD3-IGSO-2ピークアウト BDIGSO-7,-1合ピーク状態 BDIGSO-4は太陽合状態へ

2020年03月23日 | アジアンQZSS(日)/IGSO(中印)軌道
クラシック音楽の世界では、文句なしの最高位「楽聖」と位置づけられるルートヴィヒ・ヴァン・ベートーべン(Ludwig van Beethoven: 1770-1827)は、2020年に生誕250周年を迎えます。生誕日は1770年12月16日頃と日付ははっきりしないようですが、本年の12月がベートーベン生誕250年の月であることは問題ないようです。
本年の12月へ向けて、ウィーンなど欧州の主要都市ではベートーベン生誕250年の記念の全曲演奏コンサートなど大きなエベントが目白押しで計画されてきていました。日本でもすでにコンサートのチケットをインターネットなどで予約・購入されている方は非常に多いと思います。

しかし3月に入って、欧州での新型コロナ禍の凄まじい広がりにより、残念ながら記念コンサートなどのエベント日程は、次々にキャンセルになってゆくようです。何とか本年終盤にはコロナ禍との戦争に人類が勝利し、誕生月の12月には勝利の記念コンサートが開催できることを祈りましょう。本年末のベートーベンの第九の合唱が、人類が新型コロナ禍を乗り切ったことへの賛歌として、人々が歓喜の中で思い切り斉唱されることを祈念しましょう。またベートーベンを愛しながらもコロナ禍に倒れざるを得なくなる多くの人々にむけてのレクイエム演奏も大切になることでしょう。

本年と昨年の3/23アニメGif比較については、以下の引用の昨年記事のアニメGIFと比較しながらご覧ください。
2019 03/23 QZS-4太陽合が追うBD-IGSO-1,4,7三機の編隊同期太陽合 QZS/IGSO軌道の2/3倍拡大アニメGIF
2019 03/23 関東は気温が前日より10℃以上下がり、寒い一日でした。夏至まで次第に日没境界線が北側に開いてゆきます。また太陽の軌道対地射影が赤道に沿って北側を移動していま......

2020 3/22 アニメGIFの日出・日没境界線が垂直に立って移動していることからも春分前後と分かります。春分を過ぎて日出・日没境界線が傾き始めています。
天空の衛星群はケプラー方程式に従って天体暦を刻み続けています。このブログのアニメGIFの人工天体群の粛々とした軌道運動をご覧になられて、混迷する五輪日程問題やコロナ疫ストレスから静かに解放されるのも、体調管理には大切なことではないでしょうか。

春分を過ぎて、北斗四姉妹のIGSO太陽合については、BD3-IGSO-2ピークアウトし、BDIGSO-7とBDIGSO-1は合ピーク状態に入り、BDIGSO-4も太陽合状態になりました。北斗四姉妹(BD3-IGSO-2,BDIGSO-1,BDIGSO-7,BDIGSO-4)の太陽合は、ちょうど日本列島の桜開花に合わせるかのように順にピークアウトしながら去ってゆくでしょう。

引き続き印NavIC東輪1D,西輪1B衛星がゆっくりした南下を開始しています。また日本QZS-4がゆっくりと北上し太陽合を目指しています。春分後は西太平洋の日本QZS-4と、中印の日本列島南西方面のIGSO衛星編隊の、太陽合への進捗状況が主たるモニタリング対象となります。

全般的な傾向として、南下する衛星群は北上する衛星群よりも傾きが大きいことが分かります。春分前後のこの時期は、太陽赤緯の赤道へむけての北上速度が速い時期ですから、太陽赤緯北上を迎え撃つ形の南下衛星群は太陽との相対速度が大きく、太陽赤緯北上を追いかける方向の北上する衛星群の太陽との相対速度が小さくなることが分かります。

例えば、わが国のQZS-1(南下)とQZS-4(北上)がその典型的対象例といえるでしょう。QZS-4の太陽合への接近速度は小さく、2月までは相当に遅れて南下していた北斗四姉妹衛星群の方が先行することになります。

以下のQZS/IGSO軌道描画フォームにアニメGIFを記録します。
2020 3/23 QZS/IGSO軌道の2倍拡大アニメGIFを記録します。


2020 3/23 QZS/IGSO軌道の3倍拡大アニメGIFを記録します。


衛星の軌道6要素は、春分点や軌道仰角や昇降点引数など殆どが太陽中心座標系と密接しています。太陽合エベントは衛星軌道運動の特徴を把握できる優れたキーといえます。IGSO/QZSSの軌道運動位相差を太陽系慣性座標(前世紀用語で歴表時系)規模で捉える基準として、太陽合同期状態の分析が効果的といえるでしょう。

前年の同エポックと比較して同期差のズレの変化が、インドペアや中国三・四姉妹や日本QZSS各機において、どのようになるのかが興味深いところです。まずはしっかりとした2年目のデータを揃えることを目標とします。

インド・太平洋宇宙連携の中核となる大国インドの宇宙大国化動向などユーラシア上空のQZSS/IGSO軌道運動を、測位衛星と太陽との天体エベントに注目して頂くことができればと思います。


平成期の日本宇宙陣は欧米のMEO重視の壁を乗り越えて、先駆的RNSSとして脱MEOという大胆なQZS計画実現を頑張りぬきました。これが、アジアのGNSS情勢のMEOからの脱皮、端的にBDSS-IGEO/IGSOの充実を産み出しました。日本はQZSSを月面探査日印協力を基盤に軌道運動・測位へ活用展開を目指すべきでしょう。

中国側は日本QZSSの自立した踏ん張りを見守りながら、将来のIGSOエコシステム構築の展望を描いているでしょう。これがインドのIRNSS NavICや、ロシアが計画中のポストGlonassたる高々度亜QZSS型衛星軌道セグメントの実現にも大きな影響を与えるでしょう。
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