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高橋冨士信 fj鷹@gmail.com

2017/11/19 06hJST-30hJST QZSS 4衛星軌道運動アニメGIFと幾何学的視点の重要性

2017年11月20日 | QZSSの軌道・幾何
2017/11/19 06hJST-30hJSTの24時間のアニメGIFを記録します。この週末は4衛星の軌道運動は安定しており、大きな変化はなかったようです。

2017/11/19 06hJST-30hJST QZSS 4衛星軌道運動アニメGIF:


Q1(赤色軌道,J193)が日本上空の最高北緯の頂点に来た時に、Q2(橙色軌道J194)とQ4(シアン色軌道J195)の南半球での緯度(南緯)がほぼ同じであることが分かります。一方、Q2とQ4がそれぞれに最高北緯の頂点に来たときには、他の2つの衛星の南緯は大きな差を持つことが分かります。

このタイミングは以下の3枚の図の様になります。
左側がQ1が最高北緯のタイミングショットT1、
中央がQ2が最高北緯のタイミングショットT2、
右側がQ4が最高北緯のタイミングショットT4とします。


T1ではQ2とQ4は南半球にあり、南緯はQ2の方がやや大きいです。

T2ではQ1は南半球で大きな南緯を持ちますが、Q4は赤道上でQ2橙色軌道の中心軸経度線に対して静止衛星Q3位置と対称関係にあることがわかります。

T4でもQ1は南半球では大きな南緯をもちますが、Q2は赤道上で静止衛星Q3の位置と見事に一致していることがわかります。

8の字衛星軌道の3衛星(Q1,Q2,Q4)の軌道運動は、この重要なタイミングT1,T2,T4において幾何学的な特徴を持って配列されています。

以前のブログでも記述しましたが:
QZSS衛星軌道の配置は、円錐曲線の幾何学である無限遠点射影幾何学からみることで、特徴的な優れた配置であるといえます。

この発展系で次のQZSS7衛星体制時には、どのような衛星軌道配置となるかは既に決定していると思いますが、射影幾何学的成果を結集したものとなるはずであり、大いに期待できます。

この幾何学的性質こそは、地球の形状自体が回転楕円体に近似できるという円錐曲線射影幾何学の活用に適した基盤的な形状をしていることと合わせて、更に大きな成果(真円軌道のGNSSやSLR軌道技術や無限遠点幾何学であるVLBI技術などとの自然な結合)と結びつくこととなるでしょう。

日本の宇宙技術では、折り紙の伝統科学を高度に活用している独自の大きな実績もあり、計算機依存の数値解析型幾何学とは別の視点をうまく活かしてゆくことが可能であり、また非常に大切であると考えます。

相対論の発見で重力をリーマン幾何で表現することに成功したアインシュタイン博士が訪日されることを好んだのは、日本人が幾何学分野での独自の直観的成功を修めてきたことがあるからと聞き及んでおります。

QZSS計画にAll Japanの知識・技術・理論の総力をかたむける時でしょう。
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