南十字星からアジアQZSS(日)/IGSO(中・印)を眺める

グローカルイースト視点
アジアQZS/IGSO軌道モニタ
高橋冨士信 fj鷹@gmail.com

24.6.15 次の太陽合対象BD3-IG-3は6.21夏至過ぎに生起?IG4?座の象限切替えアルゴリズム安定 IG五座中にIG三座とNavIC-1EとQZS-2三国衛星貫入続く

2024年06月15日 | アジアンQZSS(日)/IGSO(中印)軌道
24.6.15 次の太陽合BD3-IG-3は6.21夏至過ぎに生起する予定です.
β角プロットを用いてQZSとIGSOのクロス太陽合の前倒し現象を年単位の時空間現象として確認しようとしているところが,ここ数年の本ブログの重要な狙いです.



β角プロットの6月の点検課題は2つともに無事済みました. ①IG五座BDIG-2,-5⇒太陽合ピークアウト完了 ②IG4?座⇒象限切り替え完了
特にβ角プロットでの,IG4?座の3衛星軌道の南下から北上への一番急激な象限切替えを詳細に観察できており,切替への安定なアルゴリズムは確立できてきています.

パラパラ分散型IG五すばる座の中へ,キリッと引き締まったIG三座とNavIC-1EとQZS-2の三カ国衛星のトリプル貫入が継続しています.
QZS-2とNavIC-1EとIG三座のトリプル,そしてQZS-4とIG4?座のダブルは,半年ごとに太陽合が重なり合う複合クロスイベントを引き起こしています.IG五座のBDIG-2とBDIG-5の2衛星のβ角プロットは見事に重なっており1本線に見えています.

QZS/IGSO座群はグローカル・イーストが達成した21世紀の現時点における衛星軌道技術の到達点のひとつでしょう.欧米先進地域でもQZS/IGSO座構築を実現しているところはありません.QZS/IGSO座軌道群のデータリダクションを継続して,記録してゆく意義は大きいと考えます.その応用技術として月面測位技術への応用に未来を見たいと思います.

2024/5/18から以下のN2YOデータベース・アクセスのURLを使用するように改定しました(アンカーKOREASAT-7).
https://www.n2yo.com/?s=42691|37256|37384|37763|37948|41434|42738|42965|40547|41241|43539|44204|40549|40938|44709|44337|49336

N2YOサービスの画面コピーを利用したIGSO/QZS衛星軌道群の地表への射影の16時間分のIGSO/QZS群衛星軌道アニメGIFを記録します.
(1) IGSO/QZSS射影軌道の16時間分の10分毎のアニメGIF


(2) IGSO/QZSS射影軌道の昼間6時間分の2分毎のアニメGIF

24.6.15 ガリレオタイミングの飛躍:国際度量衡局BIPMによる認定

2024年06月15日 | 時事・歴史
https://www.euspa.europa.eu/newsroom-events/news/galileo-timing-recognition-bipm
の記事の和訳を記録します.Galileo衛星系の国際的地位が国際度量衡局BIPMによって認定されました.
大きな飛躍であることは間違いありません.QZSSタイミングについても,こうした国際標準機関による認定を明瞭にすることは大切でしょう.
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24.6.15 ガリレオタイミングの飛躍:国際度量衡局BIPMによる認定

国際度量衡局(BIPM )は最近、ガリレオが2024年6月に発行されるCircular-T番号437に含まれることを発表しました。
これは、 EC とEUSPAが支援するプロセスの集大成であり、BIPMとの数回にわたる反復で構成されています。 Circular-T はBIPMによる月刊誌で、協定世界時 ( UTC )の計算に使用される時間基準が含まれており、原子時計を備えた世界中の特定の研究所における UTC と UTC ローカル実現値 UTC(k) との差の値を提供します。

この出版物に掲載されることは、リストされている団体にとって国際的な認知となります。

Circular-T の特定のセクションはGNSS専用であり、実際の国際 UTC とさまざまな GNSS によってブロードキャストされる UTC の予測の違いが示されています。今年 6 月以降、Galileo はこのセクションの不可欠な部分になります。

Galileo の導入により、UTC の生成に使用される測定方法の冗長性が高まります。これにより、突発的な異常や長期的な緩やかなドリフトを検出する能力が向上し、UTC の計算の信頼性と精度が向上します。

結論として、BIPM による Galileo タイミング測定の Circular-T セクション 4 への統合は、Galileo にとって大きな前進であり、タイミングに関する Galileo UTC 測定の品質に対する国際的かつ独立した機関による可能な限り最高の評価を表し、正確で信頼できる UTC へのアクセスを提供する確立されたグローバル ソースとしての Galileo の地位を強化します。

メディア注記:この特集は、記事の冒頭または末尾に欧州宇宙機関 (EUSPA) を情報源として明記すれば、無料で再掲載できます。サイト上の写真を使用する前に、許可を得る必要があります。再掲載する場合は、EUSPA の Web サイト (http://www.euspa.europa.eu) にリンクしていただけると幸いです。

BIPM側の詳細記事は以下のURLです.
https://www.bipm.org/en/-/2023-06-15-utc-computation-galileo

協定世界時の計算にガリレオの測定が初めて公式に使用された
2023年6月9日、 BIPM時間部門が発行した回覧T第425号では、初めて、欧州全地球航法衛星システムであるガリレオから取得した測定データを使用したローカル時間スケールUTC(k)の比較が取り上げられました。このタイプの測定は、協定世界時(UTC)を計算するために世界中の原子時計を比較するために使用される基本的なステップの1つです。各UTC(k)時間スケールは、冗長性を確保し、クロスチェックと潜在的な障害の検出を可能にするために、複数の手法で測定されます。最も安定していて最近較正された手法が公式として選択され、その他はすべて監視目的のバックアップとして使用されます。1990年以降、UTCで使用される時間比較手法は、GPSやGLONASSなどの全地球航法衛星システムに基づいており、後にTWSTFT/SDRに変わりました。

最近では、バックアップとしてガリレオに基づく測定が導入されました。北斗と光ファイバー測定のキャリブレーションと特性評価を行い、その完全な活用に向けた作業が進行中です。サーキュラー T 番号 425 の計算では、協力した研究所の 1 つが、その月で最も信頼性が高かったガリレオ測定を使用して公式に比較されました。ガリレオの使用と、他の技術の統合の構想は、大きな意義を持っています。測定方法の冗長性により、突然の異常や徐々に長期にわたるドリフトを検出できるため、UTC の計算の信頼性と精度が向上します。

GPS - 米国全地球測位システム
GLONASS - ロシアの全地球航法衛星システム
北斗 - 中国の全地球航法衛星システム
TWSTFT/SDR - 双方向衛星時刻および周波数転送/ソフトウェア定義無線
【なぜここにQZSSの名が記されていないのか?】


なぜこのグラフにQZSSと北斗のデータが入っていないのか?
地域衛星系であるQZSSをBIPM(仏)で受信できないためか?

とすれば,欧州中心のグローバルではなく東アジア地域衛星系としてグローカルな仕組みを主張して実現してゆくべきではないか.衰退してゆく欧州中心のグローバルに縛られる必要はない.21世紀を引っ張っている東アジアなどグローカルな概念をもっと主張すべきであろう.